“サービス復旧の視点”から考える!最新バックアップツール

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“サービス復旧の視点”から考える!最新バックアップツール

2014/12/22

 仮想化やクラウド化への対応、遠隔地に分散した拠点システムの統合バックアップ、災害対策、障害からの早急な回復というように、バックアップ要件は近年ますます複雑化している。そんな中、最新のバックアップツールはさまざまなバックアップニーズに対応し、かつリストア/リカバリの高速化が図れるように進化してきている。柔軟なバックアップ運用が容易に実現できる今、バックアップツールの選び方は「運用管理コスト低減」の視点から、ビジネスの安全とサービス継続を主眼に据えた「利益を守り、損失を防ぐ」視点へと変わりつつある。新たな視点からバックアップツールを捉え直すために、今回はリストア/リカバリを主軸にバックアップツールの選び方を考えてみよう。

バックアップ

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1本当にリストア/リカバリできる?最新バックアップツールの勘所

 操作ミス、機器障害、ソフトウェア破損、ウイルス感染、地震・火災などの災害…ITシステムを襲う予期せぬトラブルで業務データを一度完全に喪失すると二度と元には戻せない。だからこそバックアップは重要で、企業ITの最低限の安全保障になっている。しかしいざ障害などに直面したとき、ビジネスを通常の状態に戻すまでにどんな操作と時間が必要なのか、すぐにイメージできるだろうか?「バックアップはしていてもリストアはしたことがない」管理者がほとんどのはず。いざという時にビジネスへの影響を最小限にするためには、運用管理技術者の手腕に頼るのではなく、コスト最適に最短時間でサービスを復旧するための仕組みを備えることが重要だ。

1-1データ保護手法により、サービス復旧はこうなる!

 サービス復旧を考えるときに重要なのが、「RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)」と「RPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)」。障害などからどれだけ早く復旧できるかがRTOであり、これは早ければ早いほどよい。またRPOはどの時点のシステム状態を復旧できるかであり、これは場合によって違いはあるが、一般的には障害直前の安定していた時点の状態に近ければ近いほどよい。RTOとRPOはデータ保護の仕組みやデータを保管する媒体によって図1のように異なる。

図1 RPOとRTOの目安
図1 RPOとRTOの目安
資料提供:Arcserve

 これまではRTOとRPOの短縮を目指せば目指すほど、コストがかかる仕組みを作らなければならなかった。しかし最新のバックアップツールでは、従来とコスト感が大きく異なる仕組みづくりが可能になっている。まずは、ビジネス復旧までの時間をカギに、データ保護の方法を見てみよう。

■“数分”単位で復旧可能でデータ保護もできる「レプリケーション」

 クリティカルな業務では本番系サーバーと待機系サーバーで同じデータを持ち合い、障害発生時に本番系から待機系に処理を切り替える仕組みで最速数秒〜数十分程度でサービスが再開できるクラスタリングが利用されているが、ストレージを共有している場合にストレージ障害には対応できず、データ保護の観点からは不十分だ。
 データ保護ができてサービス停止時間を最も短くできるのがレプリケーション(複製)だ。これはサーバー(あるいはストレージ)の複製をできるだけリアルタイムに作成する仕組み。基本的には本番系サーバーの中味を遠隔地の複製用サーバーに絶えずコピーしているので、データは同一のものを両方が保持している。本番系サーバーに障害が起きたら、複製先サーバーに処理を切替えて暫定運用し、本番系サーバーの復旧後に暫定運用中のデータを加えて処理を戻す。HA対応のツールなら数分程度のサービス停止で済み、複製先サーバーを遠隔拠点に置けば、災害対策にも有効、ストレージ装置の障害でもデータが復旧できる。
 従来バックアップとは異なる領域の技術だったが、現在ではバックアップ用ソフトウェアやバックアップアプライアンスが標準でレプリケーション機能を持つようになり、低コストに利用できるようになった。また複製元と複製先の機器は同一構成とするのがこれまでの常識だったが、現在では異なるOSエディション(EnterpriseとStandardなど)や異ベンダのハードウェア間でもレプリケーションを可能にするツールもある。

■バックアップアプライアンス間のレプリケーション

 バックアップアプライアンスは数TBの機種が多いものの、中には1.7PBまで拡張可能な製品も登場しておりスケーラビリティは十分だ。アプライアンスの長所はソフトウェアライセンス購入などの手間がかからず、導入や運用管理が容易であることだ。遠隔地でのアプライアンス間でレプリケーションが可能で、機種の容量に余裕があればお互いのレプリケーションを持ち合うこともできる。一方の拠点がダウンした場合でも、もう一方の拠点にあるレプリケーションを利用してサーバーを復旧し、業務を引き継ぐことができる。

■サービス停止より有利?「仮想スタンバイ」サーバー構成

 一部のバックアップツールでは、設定された復旧ポイントでのサーバーの状態を丸ごとコピーした仮想サーバーを常に用意しておく「仮想スタンバイ」機能を備えるものがある。これによれば、サーバー障害が起きたら処理を仮想サーバーに切り替えて継続できる。平常時の物理サーバーに比較して性能面が劣る可能性があるのでサービスパフォーマンスは劣る(縮退)かもしれないが、サービスを停止するよりは有利な選択だ。
 バックアップアプライアンスにも同様の機能を持つものがあり、アプライアンス内部で仮想サーバーを構築し、物理サーバーなしでも縮退運用が可能なBCP対策を主眼にした製品も提供されている。

コラム:RLO(Recovery Level Objective:目標復旧レベル)という新しい視点

 仮想サーバーを利用したサービスの縮退運用という選択肢ができて以降、RLOもツール選びのキーワードになってきた。これは一刻も早いサービス再開のために、100%のサービスレベルでなくてもいいから、サービスの完全停止に至るのを避けたい場合に重要な指標だ。例えば完全復旧までに数日かかるとき、仮想サーバーによる縮退運用を数分〜数時間後には開始して細々とでも業務を始めることができる。そのサービス縮退のレベルを数値化するのがRLOだ。


■クラウドストレージの利用

 代表的なクラウドストレージへの対応は、多くのバックアップツールが済ませており、単純にバックアップやレプリケーション先をクラウドストレージに設定するだけで済む。ただしWANを経由するため処理時間が長くなりがちであることと、リストア時の転送料が予想外に高額になりかねないことに注意が必要だ。

■ディスクへのイメージバックアップ

 レプリケーションはツールとしては低コストになったといっても装置の二重化が必要で、ネットワークに常時データが流れるデメリットもある。そこで一般的に広く利用されているのが日次などスケジュールに基づき定期的にデータをコピーする「バックアップ」だ。これにはディスクのシステム領域もデータ領域も含めてコピーする「イメージバックアップ」と、ファイルシステムを利用して必要なファイルだけをコピーする「ファイルバックアップ」とがある。
 今主流になっているのがディスクへのイメージバックアップだ。イメージバックアップをディスク上に作っておけば、システム丸ごとのリストアが簡単で高速になる。また、ファイルを選んでリストアできる製品もある。

図2 イメージバックアップからの各種のリストア
図2 イメージバックアップからの各種のリストア
資料提供:Arcserve

 リストアがシンプルなので、データの転送にかかる時間(数時間から1日以上など)以上の時間と手間がかからず、テープからのリストアよりもはるかに早く復旧できることになる。またディスクにファイルバックアップをした場合でも、テープよりもリストアが速く済むことが多い。

■テープへのバックアップは長期保管、アーカイブ用途に

 かつて主流だったテープへのバックアップは、業務の早期復旧の視点からはリストア時間とテープ入れ替えなどの手間の面から不利な点が多い。基本的には1次バックアップはディスクに、2次以降のバックアップにテープを用いるのが得策だ。データを低コストに長期保管するにはテープに勝るメディアはない。最後の最後の保険としてテープへのバックアップがものを言う。ただし長期といってもテープドライブの世代で互換性が保証されるのは2世代前まで。実質6〜7年以上の長期保管には最新テープドライブ仕様に則ったデータ移行が必要なことには注意しよう。また保管環境によってはテープの劣化により読み出せなくなることもあるのでそのリスクも勘案する必要がある。

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