BYODによるコスト削減でモバイルワーク実現

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

モバイルワーク実現の鍵は「BYODによるコスト削減」

2014/05/22

柔軟なワークスタイルを実現するためには、スマートフォンやタブレットなどを活用したモバイルワーク環境の整備が有力な手段と目されている。ただ、メリットは十分に見込めたとしても、そのためにはまず、導入・運用コストをはじめとする様々な問題があると感じている企業は少なくないだろう。実際にどのような障壁があるのか。そして、それをうまく乗り越えるための取り組み方とは?

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エス・アンド・アイ株式会社:増田隆一氏、村田良成氏

執行役員
ソリューション事業部 事業部長
村田 良成 氏

執行役員
マーケティング本部 本部長
増田 隆一 氏

多くの企業にとって、出発点は「マルチプラットフォームへの対応」になっている

Question

貴社では、スマートフォン対応PBXシステム、シンクライアント端末、オンラインストレージ、そのほか様々なソリューションを扱い、インテグレーション事業や販売事業を行われていますが、モバイルワーク環境の整備、あるいはBYODの実現を目的とした企業からの問い合わせや引き合いなども増えている状況でしょうか?

Answer

エス・アンド・アイ:増田 隆一 氏

モバイルワーク、BYODというよりも、まず、マルチプラットフォームへの対応ということが出発点になっている印象があります。以前は仕事を行うための環境は、極端に言えば、ほとんどすべてがWindows PCという状況でしたが、最近ではWindows XPのサポート終了などを契機に、「メールやWebブラウズ、そして、Webベースのアプリケーションを使う程度なら、必ずしもWindows PCでなくてもよいのではないか」と考える企業も出てきています。更にそれだけではなく、iPhoneやiPad、Androidスマートフォン/タブレットなどの機動力のあるスマートデバイスを活用して、どこでも作業を行えるようにしたいという企業も少なくありません。

ただ、その一方で、企業のインフラ自体に、まだ「Windowsにしか対応していない」部分が多々あるため、なかなかうまくことが運ばない。例えば、iPadを業務に使おうとしたら、プリンタが対応していなくて印刷もできない、などという障壁があるわけです。そのため、多くの企業では最初の段階として、まず「1つのプラットフォームに依存しない業務のあり方」を模索せざるをえない状況になっており、それが結果的に、モバイルワークの拡大などにもつながっていくという流れだと分析しています。

Question

そうした流れを踏まえた上で、貴社ではどのような業務環境の実現を提案されているのでしょうか?

Answer

モバイルワーク実現、あるいはスマートデバイス導入に対する期待については、「情報共有の進展、コミュニケーション活性化」「業務プロセスの改善・効率化」「意思決定の迅速化」に概ね集約されるでしょう。端的にいえば、「ビジネスマンは書類を作成し、商談し、会議する」ものであり、いつでもどこでも連絡が取れ、必要な情報や資料が共有でき、場所を問わず話し合える環境を構築できれば効果は上がるはずだと考えます。まずPCで書類を作成し、それを何らかの媒体、あるいはスマートフォン/タブレットなどの端末で外へ持ち出して商談を行う。そして、商談の”宿題”を持ち帰って関係者で集まって検討する。弊社はそうしたサイクルをスムーズに回したいという企業の期待やニーズに沿うべく、コミュニケーションインフラを中心に様々なサービス/製品を提供しています。

現在、提供しているサービスとして、クラウド上でスムーズに保管・共有可能な容量無制限のビジネス向けオンラインストレージサービス「sactto!ファイリング」があります。安全なクラウドに書類を保管すれば、PCだけではなく、スマートフォン/タブレットも含めた、マルチプラットフォームからのファイルアクセスが可能になります。また、スマートフォンのBYOD促進なども視野に入れた、iPhone/Androidスマートフォンを内線電話として利用可能にするPBXサービス「uniConnect」を提供しています。更に、スマートフォンの紛失などに備えたセキュリティ対策が求められますが、弊社では“セルフリモートワイプ”を提唱しており、ユーザ自身が紛失に気がついたら遠隔からデータ消去を即実行できるセキュリティツールとして「sactto!リモートワイプ」というサービスを展開しています。


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BYODは目的ではなく、あくまでもコスト削減のための手段

Question

モバイルワークに必要なソリューションをひととおり提供されているということですが、企業側ではそれらを一括導入するケースが多いのでしょうか?

Answer

製品としては個別に展開していますが、当初は全体的なインテグレーションでも提案できればと期待していました。実際には情報システム部門などが主導して一括導入するというよりも、ユーザ部門の方々が個々の様々なニーズに合わせて、各々のソリューションを導入いただくケースが多くなっています。特にオンラインストレージサービスなどはそういう傾向が強いと言えます。

Question

貴社では顧客企業向けにソリューションを提供する立場であると同時に、自らもモバイルワークやBYODの実現に積極的に取り組まれているようですね?

Answer

エス・アンド・アイ:村田 良成 氏

取り組みを始めたのは2009年10月のことで、当時抱えていた「PBXの老朽化」「メールサーバのリプレースコスト」「内外線で利用していたPHS端末の販売終了」といった課題の解決を図りたいということが、そもそものきっかけになっています。当時の社内環境ではPHSはかなり重宝な存在でした。各社員のデスクには固定電話機を置かず、内外線の双方をPHS端末1台で済ませていたのです。その利便性を保ちつつ、新たな環境へと移行させたいと考えたものの、実現のための理想的なソリューションが見当たりませんでした。ならば自前で作ってしまえということで、まず基本方針を「脱PHS、iPhone全社導入」と定めた上で、スマートフォンベースのUC(ユニファイドコミュニケーション)システムの開発に着手しました。会社番号での発着信、保留・転送などを実現することで、PHSの利便性に加え、使い勝手や機能を研ぎ澄ませていった結果、製品として完成したのが「uniConnect」というわけです。

ただ、こうした新たなソリューションを社内へ展開していく際には、どの企業でもそうだと思いますが、経営層の理解を得ることがカギであり、利便性を説くよりも、「コストを極力かけない」ことが重要なポイントです。弊社でもスマートフォン移行後の月額基本料の高さが大きな問題として浮上しました。パケット定額サービスを含む月額基本料が約6000円で、PHS利用時はその半分で済んでいましたから、社内の約170台分の差額を計算すると、年間で約600万円ものコスト増となってしまいました。そこで弊社ではBYOD、私物端末の活用に踏み切ることにしました。つまり、弊社ではBYOD自体を目的にしたのではなく、あくまでもコスト削減の手段としてBYODを導入したわけです。

会社と社員がWin-WinにならなければBYODはうまくいかないだろうと考え、私物のiPhoneを業務に使う社員に対しては「BYOD補助金」という名目で月額3000円を支給しています。これにより、会社側は月間約3000円のコスト削減が図れますし、社員も得をするというわけです。ただし、その代わりに会社のルールに従ってもらうことも必要ですから、会社のセキュリティルールを厳守する旨の誓約書を交わし、「紛失時には即時ワイプすること!」という同意も得ています。その代償として、当社が提供している容量無制限のオンラインストレージサービスを社員にも開放し、端末内の私的データもバックアップが取れるように配慮しています。


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利便性の追求だけではなく、労使管理の視点も不可欠

Question

「uniConnect」は貴社が提供するソリューションであると同時に、貴社自身のモバイルワークも支えているということですが、どのような点がポイントだと考えていますでしょうか?

Answer

エス・アンド・アイ:増田 隆一 氏、村田 良成 氏

「uniConnect」では会社番号でのスマートフォンアプリからの発着信を実現しています。発信時には社内PBX(uniConnectサーバ)を経由して会社番号で発信でき、更に独自の特許取得技術により、会社番号への着信を受ける際にも発信元番号の表示が可能です。もちろん、発着信のいずれにおいても、社内のuniConnectサーバからのコールを受けるかたちになるので、スマートフォン側では通話料は発生しません。こうした工夫により、BYODへの対応が可能になっており、だからこそ前述のように、コスト削減の実現にもつながっています。また、モバイルワークをより強化していくためには、「会社のアドレスを利用可能なメール機能」「電話会議機能」「共有アドレス帳」「リモートロック/ワイプ」「災害時安否確認」なども必須だと考え、それらの実装も図ってきました。

ただ、このシステムを製品化し、企業へ提案を行っていく段において、単にモバイルワークを実現するソリューションではダメで、利便性向上やコスト削減だけを担保できればいいわけではないということを学びました。いつでも会社の電話を使えて、深夜や休日まで電話を受けられることは非常に便利であると同時に、労務管理の問題も生じさせるということです。そのため、「uniConnect」ではバージョン2をリリースする際に、転送設定とボイスメール機能を強化しました。例えば、定時勤務が終了する17時以降はすべて代表番号に転送する、電話に出られない場合は呼び出し音の回数に応じて指定した同僚に転送する、あるいはボイスメールに着信させるなど、多様な条件設定が可能になっています。しかも、こうした転送設定をユーザ自身がスマートフォンからいつでも簡単に行えるという点が大きな特長と言えます。

商談時や出張時、休暇時など、その場その時ごとに適切な設定を随時行うことが可能で、しかも、システム管理者などに負担をかけることもありません。ユーザ個々で判断して設定変更できるようにすることで、利便性を高めつつ、時間外の業務通話の対応に裁量を設け、同時に残業の自発的な抑制にもつなげられると考えたわけです。もちろん、企業によっては、会社側ですべての転送設定、あるいは一部を管理したいというケースもありますから、個人で変更できないようなロック項目を設けることも可能にしてあります。特にモバイルワークや時間外勤務のあり方というのは、企業文化や経営者の考え方が大きく反映されると言えますから、それぞれの事情に応じていかようにも対応できるよう、高い柔軟性を持たせています。


●ありがとうございました。


取材協力

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1987年、日本アイ・ビー・エム株式会社と住友電気工業株式会社との38%ずつの出資により、「ネットワーク専業インテグレータ」として設立。現在はユニアデックス株式会社の子会社として、高度なネットワーク技術を背景に、設計から構築、保守運用までトータルな基盤ソリューションを顧客企業に提供しつつ、各種クラウドサービスの展開にも取り組んでいる。


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