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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

Windows 8タブレットはワークスタイル変革に有効か

2014/04/03

これまでのタブレット市場は、iPadやAndroidタブレットが牽引する状況だったが、最近になってWindows 8/8.1搭載タブレットが急速に存在感を増しつつある。こうした動きはビジネス現場におけるタブレット利用の拡大に一定の影響を与えそうだが、更に、ワークスタイル変革においてWindows 8を活用すれば、どのような恩恵が得られるのか。

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鈴木 敦史 氏

ビジネスプラットフォーム統括本部
マイクロソフトテクノロジーセンター
エバンジェリスト

鈴木 敦史 氏

タブレット導入に取り組んできた企業が直面している“壁”とは?

Question

ビジネス現場におけるタブレット端末の活用に関しては、どのような現状にあると思いますか?

Answer

日本マイクロソフト:鈴木 敦史 氏

ビジネスでタブレット端末を利用しようという動きに関しては、個人の利用をやむなく“許可”し、きわめて限定的な管理を行っていた段階を経て、ここ1〜2年ほどは、企業で本格的に導入したい、情報システム部門が本格的にサポートしていかなければならないという気運が高まっていたかと思います。その際の導入形態としては、従来の流れを受けて、BYODの仕組みを確立するかたちで私物端末を使わせるというケース、そして、企業側で完全に管理した端末を支給するというケースという2パターンが前提になるでしょう。ただ、いずれのケースにおいても、様々な理由から徐々に使われなくなってきている、想定していたほどには利用が広がらないという壁に直面している企業も少なくないようです。

図1 これまでのタブレット導入
図1 これまでのタブレット導入
出典:日本マイクロソフト(2014年4月)

まず、前者のBYODに関しては、全社レベルには広がりにくいということが問題になります。すべての種類の端末を社内の全システムに対応させるには相当なコストがかかってしまいますから、対応端末の面でも、利用システムの面でも、どうしても限定的な範囲に留めざるをえないというわけです。また、仮にBYODで私物端末を使えるようにしたとしても、全社員が「自分の端末をビジネスにも使いたい」というモチベーションを感じるわけではありませんし、本格的に推進していくにしたがって、個人のデバイスをどこまで厳しく管理すべきかという問題も浮上してきます。あくまでも私物端末で、企業に所有権があるわけではないため、ユーザの自由度を犠牲にしてまで、完全に厳密な管理下に置くのは難しいだろうということです。

 その一方で、企業が支給するケースでは、やはり端末購入をはじめとするコストの高さがネックになってきます。導入するタブレットの機種は限定できるため、その分、社内システムにつなぐための環境は比較的整備しやすいとは言えますが、PCではないかぎり、やはり一定のコスト投資は必要になるでしょう。そのため、ここ数年でタブレットの利用を積極的に推進してきた企業でも、プレゼンテーションなどの営業ツール、あるいはマニュアルなどのペーパーレス化など、特定の部門や目的に絞って導入していたのが実状かと思います。

 もちろん、企業としてはすべてのシステムをタブレットで使えるようにできればいいのですが、それは難しいので「このシステムに関してはタブレットが使えます。それ以外は従来のPCを使って下さい」といった使い分けを強要せざるをえないわけです。ユーザからすれば、そうした使い分けに煩わしさを感じてしまい、結局、せっかく一括導入したタブレットが徐々に使われなくなったという企業も出てきています。

Question

そうした課題を解決するものとして、Windows 8.1搭載製品に期待を寄せている企業も多いということでしょうか?

Answer

そうですね。Windows 8をリリースした当時から、「PCとタブレットの両方の要素をきちんと兼ね備えたクライアント端末を提供したい」という思いはありました。その後、8.1を投入したタイミングで多彩なバリエーションの製品が揃ったことで、本当の意味で、「同じ端末を使いながら、PCとして従来の作業環境を継承しつつ、タブレットという新たなファクターを用いて、まったく新しい業務スタイルを両立」できるようになりました。特に、過去にタブレットを導入してみたものの、なかなかうまくいかなかったという企業では、PCとタブレットのよさを併せ持った2 in 1タイプのWindows 8.1搭載製品を使ってみていただきたいと考えています。

図2 Windowsタブレットの位置付け
図2 Windowsタブレットの位置付け
出典:日本マイクロソフト(2014年4月)

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実際にWindows 8タブレットを導入済みの企業における活用例

Question

タブレットのビジネス利用に関しては、特定業務/用途での活用が先行しているイメージがありますが、Windows 8.1搭載タブレットに関しては、現在、どんな業界・業種でどのように利用され始めているのでしょうか?

Answer

日本マイクロソフト:鈴木 敦史 氏

デジタイザーペンなどを入力デバイスとして採用し、タブレットスタイルでの利用に対応したWindows搭載製品は古くから存在し、マイクロソフトでも2002年にWindows XP Tablet PC Editionを発表しています。こうした製品は現在のタブレットのイメージとは少し異なり、Windows Embeddedを搭載した業務端末などと同様に、小売業や製造業の現場で使われるハンディターミナルなど、特定業種の専用端末として多くのシェアを獲得してきました。

 では、Windows 8.1搭載製品はどのような用途が見込まれているかということですが、ここ数ヵ月で導入を決定していただいたお客様が共通のキーワードとして挙げているのは、「フレキシブルワークスタイルの実現」「インフォメーションワークの改革」といったことです。つまり、どこにいても仕事ができるようにするという目的で、タブレット単体ではなく、インフォメーションワーク全体のシステムを再整備したい、その主要なツールとしてタブレットの導入を検討したいというケースが目立ってきているのです。

図3 業務改革におけるタブレット検討の例
図3 業務改革におけるタブレット検討の例
出典:日本マイクロソフト(2014年4月)

Question

具体的な事例をいくつか挙げていただけますでしょうか?

Answer

例えば、人材派遣サービスを手がけるパソナ様は、まさしく、フレキシブルワークスタイルに取り組まれた事例と言えます。同社では女性の従業員が非常に多くなっており、会社側としても、あまり場所や時間にとらわれることなく仕事ができるようにしてあげたいという思いをもともと持たれていたようです。そこで、「グローバル営業力強化」「女性労働者支援強化」「社員間コミュニケーション基盤整備による業務効率向上」といった目標を実現すべく、クラウドサービス「Office 365」とWindows 8タブレットを組み合わせて、情報基盤を構築し、新たなワークスタイル実現のためのプロジェクトを進めてきました。

 これにより、外勤営業や在宅勤務の社員、あるいは外部でプロジェクトに参加する社員などは、移動中や自宅でもタブレットさえ持っていれば、従来のPCを使ったオフィス業務を行えるとともに、「Office 365」のLync Onlineを利用することで、Web会議や音声通話の発着信も可能になっています。決してタブレット単体ではなく、しっかりとした目的のもとにバックエンドのサービスを構築し、それを利用するためのインターフェースの1つとしてWindows 8.1端末を選択されたわけで、前述のとおり、こうしたケースが非常に増えてきています。

 また、先日、ピーチ・ジョン様が新たに展開する新業態店舗「YUMMY MART」において、弊社のタブレット「Surface Pro 2」が採用されたことを発表しましたが、これは店員の方が売り場でお客様と会話しながら在庫確認や商品情報説明を実施したり、お客様自身が店員の方にサイズなどを知らせることなく自ら在庫などを検索・確認できるようにすることを目的としたものです。こうしたアパレル業では、接客などの店舗単体でのコミュニケーションだけではなく、店舗間の横連携というものが非常に重要になってきています。例えば、その店舗に在庫がなければ、他店から速やかに調達するといった柔軟な対応が顧客満足度の維持・向上につながるからです。

図4 ピーチ・ジョン様でのタブレット活用例(アプリ画面)
図4 ピーチ・ジョン様でのタブレット活用例(アプリ画面)
出典:日本マイクロソフト(2014年4月)

更に、お客様への対応をいかに手厚くして、ロイヤルカスタマーに育ってもらうかということも重視されますから、例えば、タブレットを用いて接客を行ったあとに、そのまま簡単な操作でMicrosoft Wordから「お礼状の作成」を自動的に出力できるような、Microsoft Officeを活用した仕組みを実装されるケースも見受けられます。


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BYODの管理をしやすくするWindows 8.1の新機能

Question

Windows XPからの移行に合わせて、Windows 8の導入を検討される企業も出てきているのでしょうか?

Answer

日本マイクロソフト:鈴木 敦史 氏

そうですね。標準PCとしてWindows 8タブレットを全面導入するという事例はまだ少ないと言えますが、Windows XPのサポート終了に合わせて検討を行う際、Windows 7に加えて、Windows 8を選択肢に含めて、用途や好みに応じて、いずれかを選べるようにするという企業は増えてきているようです。また、例えば、鹿島建物総合管理様では標準PCとしてWindows 7を展開済みでしたが、それに加えるかたちで、営業社員向けに2013年10月から100台のWindows 8タブレットを導入し、パンフレットや技術リーフレットなどの文書や資料などを説明しやすいようにアプリ化し、活用されています。

 同社では営業部門への展開の成功を受け、人事部でのリクルート活動など、そのほかの部門での一括導入・活用も検討されているようです。このように、まずは1部門でまとまった数のWindows 8タブレットを導入し、その後、部門単位で活用を広げていくという企業も増えていますが、共通するのは、PCからタブレットへ入れ替えるというよりは、従来からのPCによる作業スタイルはそのままに、タブレットという新たなスタイルを取り入れようという意識でしょう。

Question

そのほかに、ワークスタイル変革にWindows 8タブレットを利用するメリットなどはありますでしょうか?

Answer

やはり、従来のWindowsと同じレベルでのポリシー制御が行えるため、一括導入する際はもちろん、BYODとして個々の端末から社内ネットワークへの接続を許可する場合などでも、非常に管理がしやすいという点でしょう。また、Windows 8.1で新たに搭載されたワーク フォルダーは、まさしくBYODでの利用を想定した機能で、会社の管理下にあるドメインに参加しているマシンのみならず、個人が持ち込んだドメイン非参加のマシンでも、ファイルサーバ(Windows Server 2012 R2)とファイルを同期させて利用することが可能です。

 例えば、社内PCと私物Windows 8タブレットの2台を併用する場合、社内PC側でワーク フォルダーへファイルを保存すれば、自動的にファイルサーバへも同期され、同時にタブレット側にも反映されるため、社内でMicrosoft Officeを用いて作成していた文書を、移動中にタブレットで開いて修正するといったことがセキュアなかたちで行えるようになります。もちろん、修正した文書は逆方向へ同期され、社内PC側へも反映されます。これにより、自宅や外出先で扱うために、社内文書をUSBメモリなどへコピーして持ち出してしまうといった問題を排除可能です。

図5 ワーク フォルダーの利用例
図5 ワーク フォルダーの利用例
出典:日本マイクロソフト(2014年4月)

また、ワーク フォルダーの利用にはメリットがもう1つあります。それは、フォルダの内容が暗号化で保護されており、紛失・盗難時などには“ワイプ”をかけることで、情報漏洩を防げるということです。しかも、端末内のファイルをすべて消去するのではなく、企業のデータが保管されているワーク フォルダーだけをターゲットに消去を行えるという点が大きな特長と言えます。企業にとっては個人の自由を尊重しつつ、管理すべき部分だけを管理することで私物端末からの情報漏洩を防止でき、また、ユーザにとっては私物端末の中で、プライベートとビジネスをしっかり区分けして使うことができるというメリットがあるというわけです。


●ありがとうございました。


取材協力

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「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」というミッションを掲げ、「Windows & Windows Live」「マイクロソフト ビジネス」「サーバー & ツール」「オンライン サービス」「エンターテインメント & デバイス」という5つのビジネス部門で事業を展開している。


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