オルタナティブ・アドレスで業務の効率化を

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

“オルタナティブ・アドレス”で間接部門の業務効率化を

2014/09/11

主に情報機器事業を展開するコニカミノルタでは、オフィス移転を機に、本格的なワークスタイル改革に取り組んでいる。会社にとっても、社員にとっても、更には顧客にとっても、様々な意味で「舞台」として機能しているという「丸の内2丁目舞台化オフィス」の中身とは?

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コニカミノルタ株式会社:持田 啓介 氏

経営戦略部 部長
持田 啓介 氏

新たなオフィスは“モノからコトへ”のビジネス変革を実践する場に

Question

貴社ではどういうきっかけでワークスタイル変革への取り組みを始められたのでしょうか?

Answer

コニカミノルタ株式会社:持田 啓介 氏

コニカミノルタでは、複合機やレーザープリンタなどの情報機器事業を主力としつつ、最近ではドキュメントライフサイクル全般にわたるソリューション事業、あるいはお客様の印刷・ドキュメントにかかわる作業を最適化するようなサービス事業などへとビジネスの幅を広げてきました。また、そういった各種事業を通じて、お客様のワークスタイル変革を支援するパートナーであり続けたいとも考えています。これまで、メーカーという立場で「モノづくりの力」はそれなりに蓄えていると自負していたのですが、現在ではそれだけではなく、「新しい価値をお客様に提供」しなければならない時代になっており、単にきちんとしたモノを作ってお客様に届けるだけではなく、様々なサービスも併せて展開していく必要があります。弊社では「モノからコトへ」と表現していますが、ビジネスの変革が求められているというわけです。

そうした状況の中で、丸の内2丁目JPタワーへの本社移転が持ち上がりました。もともとの理由としては、本社人員増加によるオフィスの狭隘化の解消でした。しかし、ただ単なる引越しにとどめるのではなく、同時に、前述のような会社自身に求められていた「モノからコトへ」の変革、更にはそれを支えるための社員個々の働き方の変革、つまり、「新しい価値創造のためのワークスタイル」を実践する場にすべきだというトップ指示が下されたのです。

Question

「新しい価値創造のためのワークスタイル」とはどういうことを意味しているのでしょうか?

Answer

知的創造性・生産性の向上を目指すワークスタイルを実現できるよう、知識共有の仕組みを構築し、クロスファンクショナルなコミュニケーション・コラボレーションが活発に行われるようにする。単純にフリーということではなく、1人ひとりが自己の責任において最適な場所を選択できるようにして、偶然の出会いや会話から生まれるアイデアを活かせるワークスタイルを作り出す。社員自身が自社製品・サービスを活用・評価することで、お客様をより深く理解する。また、お客様が来社された際には、社員が働く姿とともに、「場」を体感いただくことで、お客様と刺激し合いながら、新たなコラボレーションやビジネスを創出する。新しいオフィスはそういったワークスタイルを実践するための場だと位置づけ、「丸の内2丁目舞台化オフィス」と名づけました。会社にとっては、様々なお客様との交流を深め、ビジネスを創出する「舞台」であり、社員にとっては、ダイナミックで創造的な働き方の実践の「舞台」、そして、お客様にとっては、コニカミノルタが提案する新しいワークスタイルを体感する「舞台」というわけです。


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その日の働き方に合わせて、社員1人ひとりが自ら場所を選択

Question

現在、どのようなワークスタイルやオフィススペースを実現されているのでしょうか?

Answer

コニカミノルタ株式会社:持田 啓介 氏

部門ごとの境界や壁のない完全フリー・アドレス制をベースにしつつ、1人ひとりがその日の働き方に合わせて場所を選択するようにしており、自己の責任において選択するという意味で、「オルタナティブ・アドレス」と呼んでいます。また、営業部門の方々が多いオフィスでのフリー・アドレスはよく見かけると思いますが、実はこの「丸の内2丁目舞台化オフィス」は約340名の本社間接部門を主な対象としたものです。本社機能ですから、決して外出が多いわけではなく、むしろ、1日中このオフィスの中で仕事をしています。そうした中で、いかに知的創造性・生産性の向上にチャレンジしているかという点も特長的かと思います。

Question

そういったデスクを固定しないケースでは、チーム内でのコミュニケーションをどう図るかという課題もあるかと存じますが、貴社ではどのように工夫されているのでしょうか?

Answer

固定電話を携帯電話に置き換えるとともに、ユニファイド・コミュニケーションツールを活用することで、自分たちのチームの人間が各々どこにいるのかはPCのデスクトップ上で把握できるようにしています。また、部門・グループの仕切りが全くないフラットな空間、多様な座席配置や“ゾーン”の設置といったオフィススペースの構造自体にこそ、コミュニケーションを促進させる役割が委ねられていると言えます。

オルタナティブ・アドレスによって、必要に応じて、意図的に様々な部署のメンバーが1個所に集まって仕事をすることもありますし、あるいは、特に意図して場所を選んだわけではない時にも思わぬ情報を入手したり、ちょっとした発展的な議論につながったというケースも見受けられるのです。また、コンパクトにまとまってタイムリーにミーティングを行える「ファミレス席」では、テーブル奥に1台のモニタを配置して、カジュアルな雰囲気の中で、全員で同じ画面を見ながらスムーズに意見交換や情報共有ができるようにするなど、会議やミーティングの生産性を向上させる機器や設備も積極的に取り入れました。更に、逆に集中してアイデアを練りたいといった社員のために、窓際にはシンキングゾーンという座席も用意しています。また、自らの主力製品であるMFP機器をコアとし、オフィスの中心に「視線と動線が交わる」「自然と人が集まる」コミュニケーションゾーンを設置した点も弊社ならではのこだわりと言えるでしょう。

図1 コニカミノルタ「丸の内2丁目舞台化オフィス」
図1 コニカミノルタ「丸の内2丁目舞台化オフィス」
完全なフリー・アドレスを導入した上で、カジュアルにミーティングを行える「ファミレス席」、MFP機器を中心にした「コミュニケーションゾーン」などを用意。更に、同社では海外の販売比率が高く、海外とのコミュニケーションが非常に多いため、社外とのテレビ会議を行うためのブースも、すぐにアクセス可能な場所に設置している。

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ペーパーストックレスの実践でオフィススペースを確保

Question

そうした様々なゾーンを用意するためには、一定の面積が必要になるかと思いますが、今回の場合は引越しと同時に実施したため、スペースに余裕があったということでしょうか?

Answer

コニカミノルタ株式会社:持田 啓介 氏

決してそうではありません。スペースにはコストが発生しますし、ご存じのとおり、この「丸の内2丁目」は非常に地価の高い場所でもあります。そのため、紙保管スペースを従業員の執務スペースにあてられるよう、大幅に紙保有量を削減し、モビリティの向上に寄与させました。弊社のビジネスはコピーやプリントアウトなど、「紙への出力」ありきという部分もあるのですが、ただ、やみくもに紙に出力して保存してほしいと望んでいるわけではありません。ドキュメントライフサイクルを生業とする企業だからこそ、自ら範を示すべきだと考え、紙情報の良さは活用した上で「ペーパーストックレス」に取り組みました。

もちろん、法的に紙文書で保管しなければならない書類も存在しますが、割合で言えば、ごくわずかなはずです。電子ファイルなどで保存されていれば、ストックする必要はないものが大部分ではないでしょうか。それらをどんどん排除していくことで、結果として、紙資料の72%を削減できました。それにともない、個人キャビネットや袖机を完全に廃止することで、大幅なスペース節約が実現できたというわけです。また、紙保存から電子保存への移行によって、社員の利便性を損なわないよう、先進的な検索エンジンの導入なども行っています。実際、社内のファイルサーバやデータベースを横断的に検索できるようになったことで、情報を探す時間が17%短縮されたという結果も出ています。

Question

オルタナティブ・アドレスなどの新たなワークスタイルは、社員の方々にすぐに受け入れられたのでしょうか?

Answer

プロジェクトメンバーだけで推進したのではなく、オフィスで働く社員たち1人ひとりが自分ゴトとして認識して変革していくことが必要です。そのために、各部門から数名ずつ参加してもらい、「ワークショップ」を開催しました。新しいオフィスでどのように働くのかをストーリーで考えてもらい、そのために必要な環境や設備を施策として抽出しました。また、プロジェクトがどこまで進んだか、どんな取り組みをしているかを紹介するために、週1〜2回の「丸の内2丁目通信」というニュースレターを発行し、情報提供を行いました。このような取り組みにより、なぜ今、変革する必要があるのかを、オフィスで働く社員みんなに理解してもらったのです。

移転時の意識改革や、様々なミーティングスペースなどの場を作ることで、現在ではフリーアドレスを活用できるようになりました。社内アンケート調査でも、移転後は他部署とのコミュニケーションが活性化したという回答が80%を占めているのです。また、それ以上に手応えを感じているのは、自分たちの「働き方に誇りを持っている社員」の割合が増加したという点です。以前は2割にも満たなかったのに対し、現在では8割近くの社員が「オフィス環境が非常に快適だ」と実感するとともに、「誇りを感じる」ようになっており、大きな成果だととらえています。


●ありがとうございました。


取材協力

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2003年に、コニカとミノルタが統合した「コニカミノルタホールディングス株式会社」として誕生。2013年には経営体制を再編し、社名を「コニカミノルタ株式会社」に変更した。複合機(MFP)を扱うオフィス分野と、商業印刷や企業内印刷で展開するプロダクションプリント分野、産業用インクジェット分野で構成される情報機器事業を主力に、産業用材料・機器事業、ヘルスケア事業などの幅広い事業を展開している。


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