事業継続の観点から見るワークスタイル変革

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

事業継続の観点から見るワークスタイル変革

2014/07/03

ワークスタイル変革には業務効率向上や生産性のアップ、従業員のワーク・ライフ・バランスの整備など、様々なメリットがあるが、特に日本においてはBCP対策の観点での検討も欠かせないと言える。ワークスタイル変革とBCP対策はどのような関係性でとらえるべきか。TIS株式会社 IT基盤サービス本部の坂口憲一氏にお話を伺った。

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TIS株式会社:坂口 憲一 氏

IT基盤サービス本部 IT基盤サービス第1事業部
IT基盤サービス第1営業部シニアエキスパート
坂口 憲一 氏

「ITは必ずしも所有する必要はない」という意識は想像以上のスピードで広まっている

Question

ITベンダという立場から見て、最近の企業が抱えている課題や意識については、どのように感じていますか?

Answer

TIS株式会社:坂口 憲一 氏

弊社はシステムインテグレータとして、お客様のビジネス上の課題をITの力を使って解決する、そのことによってお客様に対して価値を提供するということに取り組んでいます。そういう立場において、これまではアプリケーションからインフラ構築、そして、それをお預かりする自社運用データセンターまでをセットとし、システムのライフサイクルをワンストップで支えるということを一番の強みとしていました。

ただ、昨今ではやはり、お客様の意識は「ITは必ずしも持つものではなく、利用して価値を得るもの」という観点に移りつつあり、しかも、当初想定していた以上のスピードで進んでいると実感しています。もちろん、こうした状況は弊社でも2009年あたりから予測しており、いち早くクラウドサービスの提供に取り組むことで備えてきました。

エンタープライズにフォーカスしたクラウドサービスであるIaaS基盤「TIS ENTERPRISE ONDEMAND Service」を筆頭に、自社でパブリッククラウドも展開した上で、「どうしてもオンプレミスに残さなければいけないシステムがあり、クラウドと連携させたい」「パブリッククラウドをクローズドな環境として使いたい」といったお客様の様々な要望に応えるかたちで、次々とサービスを追加してきたわけです。

そして現在では、こうしたお客様の経営課題解決を目的に開発・提供してきたサービス群を改めて体系化したものとして、クラウド「3+1(スリープラスワン)」を事業の核として展開しています。今後、企業のITシステムが、いわゆるパブリッククラウドへと完全に移行することにはおそらくならないでしょうし、その残る部分、例えば、お客様の理想と現実の隙間を埋めていこうというのが基本的な考え方です。そして、そこにどれだけの付加価値を乗せられるかが、弊社にとって非常に重要な命題だと思っています。

Question

日本企業は様々な課題に直面していますが、その中でもBCP対策に関しては、どのような意識になっていると言えますでしょうか?

Answer

やはり震災直後は顕著で、実際に業務ができない状況を身をもって経験されたお客様から「有事に備えたい」という相談や引き合いを非常に多くいただきました。その際によく申し上げていたのが、「有事のためのシステムを作っても、いざという時に使えなければ意味がありません」ということです。本番環境とバックアップ環境を用意しても有事にきちんと切り替えられるのか、そして、動くのかといった、様々な懸念が生じるものです。つまり、最も望ましいのは、普段利用している仕組みが有事の際にも使えることだと考えます。実現する方法はいくつかありますが、業務基盤がクラウド上に置かれており、しかも、そのクラウドがしっかりと安全が確保されたものであれば、普段の利用だけではなく、何かあってもネットワークさえつながれば使えるので、最も現実的かつ理想的な答えだと言えるのではないでしょうか。


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ワークスタイル変革も「普段も有事の際にも使える仕組み」として実施することが望ましい

Question

実際、当時のBCP対策に関連した問い合わせや引き合いとしては、データセンターやクラウドへの移行を検討したいという企業が多かったのでしょうか?

Answer

TIS株式会社:坂口 憲一 氏

そうですね。今後もずっと社内にシステムを置いたままいいのだろうか、災害でダウンしてしまったらどうするのか、より安全性を確保するためにはどうすべきかなどを真剣に検討していく中で、「信頼性の高い事業者が提供するデータセンター」という答えにたどり着く方が多かったのではないかと思います。また、印象的だったのは、オペレーション込みで任せたいという要望が目立ったことです。システムを社内ではなく離れた場所へ置くこと自体はもはや仕方ないものの、その運用管理はどうしたらいいのか。普段はリモートでもいいだろうが、何かあった時のことを考えれば、やはり運用管理の担当者はいつでもシステムを直接オペレーションできるような体制にすべきではないか。そうした「システムと人をいかに紐付けるか」という課題についても、震災を機に見直す企業が多かったようです。

Question

昨今、社員の生産性向上を目的、ワークスタイル変革に取り組もうという企業も増えつつありますが、モバイルワーク環境やテレワーク環境の整備は、BCP対策にも有効だと考えられますよね?

Answer

弊社でもお客様のワークスタイル変革を支援する機会がありますが、基本としては「VDI+ユニファイドコミュニケーション」の提案というかたちになります。具体的な製品やサービスは幅広く取り扱っていますから、その中からお客様の環境やニーズに合わせてピックアップして組み合わせることになりますが、インフラ的にはこの2つを柱として支えていくという点は変わらないと思います。私自身はバーチャル・ワークスペース・インフラストラクチャと呼んでいますが、いつでもどこでもセキュアに仕事ができる環境を構築していくわけです。そして、こうした環境は、先ほどの「普段も有事の際にも使える仕組み」に等しいと言えます。


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ワークスタイル変革の副次的なメリットとして「BCP対策」に注目すべき

Question

BCP対策も踏まえて、ワークスタイル変革を進めようという企業ではどのような考え方で取り組んでいくべきだと考えますか?

Answer

TIS株式会社:坂口 憲一 氏

どの企業においても同様だと思いますが、情報システム部門あるいは業務部門で「このソリューションを導入すれば、自社にメリットがある」と判断したとしても、明確な費用対効果を出せなければ、なかなか稟議は通らない状況になっています。特にVDIに関しては、単純に既存のクライアントPCとのコスト比較になってしまうと不利ですから、2の矢、3の矢のようなかたちで、1つの効果だけではなく、いくつもの効果を並べ立てることが不可欠でしょう。実際、私たちもお客様の上申資料の作成などをお手伝いさせていただくケースがあるのですが、やはり、そのようなかたちで「個別に投資するより明らかに価値があります」と示すようにしています。

先ほどワークスタイル変革を支えるITインフラとして、VDIやユニファイドコミュニケーションを挙げましたが、いずれも全社レベル、あるいは部門単位で導入するとしても、それなりにコストがかかるものです。理解のない人から見れば、なぜPCや電話のリプレースと等しいことにそんなにお金をかけるのかと思われるかもしれませんが、そうではないことを理解してもらう必要があるかと思います。

例えば、ワークスタイル変革を目的にVDIを導入するのであれば、社内ではなく、信頼性の高い事業者が提供するデータセンターに構築すれば、先ほどお話したような「普段も有事の際にも使える」システムとして、BCP対策にもなるわけです。また、デスクトップがクライアント端末から分離されることで、いつも自分が使っているデスクトップへマルチデバイスでアクセスできるようになりますから、将来的にタブレット端末を併用、あるいは完全に移行する場合にも、スムーズかつ低コストで済みます。

更に、デスクトップ環境を外に置くのであれば、そこからアクセスする業務システムなどもすべてを同じ場所、つまり、データセンターに置いて、ネットワークを直結するようにすればレスポンス、そして、セキュリティの面でもメリットがより大きくなるでしょう。このように様々な要素を絡み合わせて、検討していくことが、結果的にはワークスタイル変革の成功にもつながっていくのではないかと思います。


●ありがとうございました。


取材協力

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約2万人、50社からなるIT企業グループ「ITホールディングスグループ」の一員として、SI・受託開発に加え、データセンターやクラウドなどサービス型のITソリューションを多数提供。中国・ASEAN地域を中心としたグローバルサポート体制も整え、金融、製造、流通/サービス、公共、通信など様々な業界の3000社以上のビジネスパートナーとして、顧客企業の事業の成長を支援している。


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