ワークスタイル変革のための時間活用術

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

ワークスタイル変革のための時間活用術

2014/02/27

 ワークスタイル変革は「労働時間の短縮」「業務の効率性・生産性の向上」を目的とする場合が多いが、モバイルワーク環境の整備などのIT活用に加えて、時間管理・時間活用といった効率化の概念を個人/グループ単位で定着させていく手段も有効だと思われる。これらは連携して推進できるものなのか、それともあくまでも個別に取り組むべきものなのか。「時間を活用する」ための考え方やスキルを専門とする研修講師・コンサルタントであり、有限会社ビズアーク代表を努める水口和彦氏にお話を伺った。

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水口 和彦 氏

取締役
水口 和彦 氏

時間管理の基本的な考え方

Question

貴社では、時間管理の考え方を中心に様々な活動を行っていますが、その概念とはどのようなものなのでしょうか?

Answer

有限会社ビズアーク:水口 和彦 氏

時間管理、あるいはタイムマネジメントと聞くと、時間に対して非常に細かく管理を行うものだと認識される方が多いかもしれません。しかし、朝から夕方までスケジュールを細かく立てて、そのとおりに行動しようとしても、ほとんどの人はできません。なぜなら、ビジネスでは予定していなかったことが必ず起きるものであり、そういった部分も含めて対処をしていくことが必要だからです。

 基本的に、ビジネスで日常的に行う仕事は3つに分類可能です。まず1つめはアポイントメントなど、時間が厳密に決まっている仕事。そして、もう1つがデスクワークなど、いつまでに終わらせるべきかは定まっているけれども、今日済ませるのか明日に回すのかは、ある程度自分の裁量で自由にできるもの。この2つはともに計画できる仕事ですが、最後の1つが計画できない仕事、つまり、予定外に急に発生する仕事ということになります。ビジネスにおいては、この3タイプの仕事をいかに上手に実行していくかを検討すべきなのですが、特に重要なのが2番目、つまり、タスクの管理だと考えています。一般的に、1番目のアポイントメントなどはたいていの方が効率的に管理できていますが、タスクの管理に関してはなかなかうまくいっていないと感じている方が多いようです。そのタスクの部分を中心に、どのように時間管理を行えば、無理なく、しかも効果的に行えるかといったことを、弊社ではセミナーなどを通じて様々な企業の方に伝えています。

Question

そういった時間管理は、まず個人の単位で効率化を図るもので、その結果として、グループ、あるいは企業全体の効率化へとつながっていくものなのでしょうか?

Answer

有効な対象としては、まず個人と言えるのですが、同時に、個人の時間管理を行うためには、チーム内のコミュニケーションの改善も必要になってきます。「自分の仕事を管理する」とひと口に言っても、実際には自分の中だけで括れるはずはなく、人に依頼したり、人から依頼されたりして、仕事を進めることも少なくないでしょう。更に、部下から報告が遅れる、上司からの指示が的確でないといった問題も、個人の時間管理に大きな支障をきたすわけですから、コミュニケーションの改善は不可欠と言えます。

 ただ、個人の中で括れない、チーム全体で取り組むべきだと言っても、トップダウンで全員の時間管理を行うのはなかなか難しいですから、やはり、セルフマネジメントの要素がかなり大きくなります。企業の業務全体という枠組みでとらえた場合には、各部門の業務内容があり、それを各社員が役割分担しているというかたちになりますが、それを個人個人で見ていくと、もっと小さな単位のタスクが膨大に積み重なっているのが実際の姿ではないでしょうか。それこそ、誰かにメールを返信しなければいけない、書類を作成、あるいは修正しないといけない、といった細かな作業が毎日多く発生しているわけです。それらを隅々まで完全に把握しているのは自分自身ですし、やはり、個人が自分でうまく管理していくのが望ましいと言えるでしょう。実際に企業の方に時間管理をレクチャーする際などでも、まずは個々のセルフマネジメントを図った上で、次に「チームとして見た場合に、効率を落としている問題点がないか」をグループ内でディスカッションをし、その結果を改善につなげていくという進め方をとることが多いのですが、こうした流れが労働時間短縮や業務効率化を図る際に有効なアプローチの1つだと思います。


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モバイルワーク導入などで、便利さゆえに生じる問題とは?

Question

時間管理などによる個人/グループ単位でのオフィスワークの改善は、昨今のワークスタイル変革と連携して推進していくべきなのでしょうか、それとも個別に取り組むべきだと言えますでしょうか?

Answer

有限会社ビズアーク:水口 和彦 氏

元来、労働時間短縮、業務効率化に取り組む際には、様々な要素が影響するものです。その中には、先ほどのような、個人的な効率化への取り組み、チーム内のコミュニケーションの改善はもちろん、社内のルールをどうしていくか、どんなシステムで運用していくか、更には経営陣はどのような方針を打ち出すのかということまで含まれます。時間管理も、ワークスタイル変革も、そうした要素の1つ、もしくは要素の集合体と言え、相互に重なり合う部分もあれば、独立している部分もあるのです。

 例えば、仕事のやり方自体はまったく変えなかったとしても、単にモバイルワーク環境を整備し、効果的に活用することで、労働時間短縮や業務効率化を実現できるというケースは多々あるでしょう。特に外出の多い営業担当者の方などは、報告などの社内でしかできなかった作業をモバイルでも行えるようにするだけでも労働時間短縮につながります。ただ、それだけで最大限に効果を出せるとも限りませんから、効果が出ている部分、あまり効果につながっていない部分、逆に社員の負担が増えてしまっている部分などを見極めつつ、場合によっては、オフィスワークの効率化なども併せて検討する必要はあるかと思います。

Question

時間管理、ワークスタイル変革にかかわらず、企業全体での改善に取り組む際には、どのような考え方で進めていけばよいのでしょうか?

Answer

根本的に見直すということであれば、少し前に話題になった「ビジネスプロセス・リエンジニアリング」を展開するようなものですから、本当にきちんと取り組もうとすれば、かなり大々的なものになってしまうと思います。ただ基本的には、実際に仕事をしていく上での問題点をどう改善していくかに主眼を置くべきではないでしょうか。そのためには、先ほどのようなチーム内でのディスカッションで、個々が効率が悪いと感じている点を話し合うといったことが有効です。当たり前のように感じるかもしれませんが、最初はそういう認識を持っていたとしても、取り組みを進めていく中で、ともすると「管理する側に都合のいいシステム」になってしまいがちですから、その点には十分な注意が必要でしょう。

 例えば、先ほどのモバイルワークの導入など、ツール側が便利になると、いわゆるマイクロマネジメントに陥りやすいという懸念があります。つまり、部下を細かく管理してしまいがちだということですが、そういう状態では部下が無駄に多くの報告や指示対応などに追われるばかりでなく、上司側の負担も大きくなります。全体的に見て、かえって仕事の効率が悪くなったということも起こりかねないわけです。業務の効率化においては、部下に仕事を任せるということも不可分なものですから、ツールの整備だけではなく、使い方のルールを定めるなど、むやみに負担を増やさないよう配慮したほうがよいと思います。


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業務効率化などの取り組みを長続きさせるためのコツ

Question

業務効率化に関しては様々なアプローチがあり、これまでも実践してきたものの、なかなか定着せずに、結局は頓挫してしまったというケースも少なくないかと思いますが、長続きさせるためには何が重要なのでしょうか?

Answer

有限会社ビズアーク:水口 和彦 氏

個人の時間管理で例えると、タスクの管理が最も重要だという話をしましたが、長く続けていくためには、タスクを日付別に入れていくという習慣が基本になります。それを実際の仕事の中でいかにまめに書き込むか(あるいは入力するか)。そして、それをいかにまめに見ながら仕事を進めていけるかということが、定着するか否かを分ける大きなポイントになってくるのです。タスクが少なければ、出社時にその日のタスクを計画して、それを実行していくというかたちでも対応できますが、現在のビジネス現場ではタスクの数そのものが非常に多くなっています。

 そのため、タスクが完了したら書き留める、新しいタスクが発生したらそれを書き留めるというふうに、実行をしながら常に計画のほうにも追記していくという流れで進めていくのがベストなのです。逆に言えば、本来の運用の決まりごとから外れてしまい、書くタスクもあれば書かないタスクもあるとか、結果的には同じだから憶えておいてあとでまとめて書き込もうとかいった油断が生じてくると、それがつまずきのもととなり、継続できなくなってしまいます。ですから、例えば、タスクの記入や管理がしやすく設計されたシートを用いるなど、各個人がなるべく負担に感じることなく、日々の運用をきちんと正しくできるように、配慮することが不可欠です。そして、これは決してタスク管理に限った話ではなく、様々な業務効率化のアプローチにおいても、同様のことが言えるのではないでしょうか。


●ありがとうございました。


取材協力

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時間管理・労働時間短縮・業務効率改善についての出張講演、社内研修、手帳レフィルのオーダーメイドサービスなどを実施。同社取締役社長である水口和彦氏は「時間を活用する」ための考え方やスキルを専門とする、日本に数少ない研修講師・コンサルタントとして、9冊の著書をはじめとする執筆活動なども行っている。


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