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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

企業のクライアント戦略指南〜VDI/タブレットはこう使う

2014/02/28

 ワークスタイル変革にはクライアント環境の再構築が不可欠だと言えるが、その一方で、ワークスタイル変革には様々な目的があり、どこに重点を置くかは企業によって異なる。また、各企業の置かれているビジネス環境なども考慮する必要があるだろう。こうした様々な要素を踏まえた上で、いかにクライアント整備の戦略を練っていくべきか、その基本的な考え方や取り組み方を伺った。

株式会社シーエーシー 企業サイトへ

鈴木 美邦 氏

ソーシャルICT営業本部 サービスプロデューサー
鈴木 美邦 氏

「いつでもどこでも」というニーズはどの企業でも共通だが…

Question

ワークスタイル変革というものを成功させるためには、いかにクライアント整備の戦略を練っていくべきか、まずはその基本的な考え方や取り組み方をお教えいただけますでしょうか?

Answer

株式会社シーエーシー:鈴木 美邦 氏

ワークスタイル変革に関しては、弊社内でも実践していますし、ワークスタイル変革ソリューション「フリキタス」の提供を通じて、様々なお客様における取り組みを支援しています。そうした中で、共通のニーズとして挙がってくるのは、やはり「いつでもどこでも」ということです。ただ、そのキーワードは同じだとしても、はたしてどういう状態が「いつでもどこでも」を指すのかは、企業ごと、更には職種ごとに大きく異なってきます。

 例えば、営業担当者にとってベストな「いつでもどこでも」を実現するためにはどんなクライアント環境を構築すべきか、あるいは、プロジェクトマネージャだったらどうなのか。まずは、そういった企業や職種ごとに異なる最適解を分析し、どういう状態を目指せば、自社にとって理想的か、メリットが得られるのかを考えた上で、取り組みを始めることが重要ではないでしょうか。ワークスタイル変革に関しては、「やるか」「やらないか」というゼロイチの議論になることもあるようですが、決してそうではないと考えます。

Question

それに加えて、ワークスタイル変革を実施する目的は、「企業競争力を高めること」だという企業もあれば、「むしろ福利厚生の一環にすぎない」という企業もあるかもしれませんが、それぞれに取り組み方は違ってくると言えますでしょうか?

Answer

個人的にはそこはあまり違わないのではないかと思います。言い方を変えれば、「売上や生産性を最大化したい」「優秀な人材を確保したい」といった目的は、いずれも企業経営において永遠の命題であり、これからもずっと取り組んでいく課題だと認識しています。そして、それらに対する1つの有効な答えとして、「働き方自体を変えていこう」という考え方が浮上してきました。旧来はできなかった働き方が、仮想デスクトップなどのIT技術の発達によって可能になったばかりではなく、最近になってようやく、様々な制約やコストの壁が取り払われ、誰にでもどの企業でも容易に実現できる可能性が出てきたわけです。

 ワークスタイル変革はともすると話が大きくなりがちですが、むしろ、まずはシンプルに、技術変革をチャンスとして活かし、働き方自体を変えることに取り組もうという経営判断を下すことが必要であり、その結果が様々な経営課題の根本的な解決につながっていくのではないかと思います。具体的な目的は、各企業でどこに重きを置くかで異なってくるでしょうが、本質的な部分では大きな違いはないと考えています。

 当然ながら、経営層が働き方自体を変えていくという判断を下しただけで、ある日を境にすべてが変わるわけではありません。また、その方針のもとに全社的な取り組みを行うにしても、ある日を境に、すべての部署が一斉に働き方を変えることは現実的に不可能です。そのため、通常は段階的に進めていくことになりますが、ここで先ほどの「職種ごとに異なる最適解を」という考え方が重要になってきます。つまり、各々の最適解を探っていけば、その過程で、どういうグルーピングで進めていくべきか、そして、どのグループからどう取り組めばやりやすいかも見極められるはずです。

 例えば、外部への営業活動を主に行う社員であれば、外出先で容易に作業できるデスクトップ環境を提供する一方で、同時に、業務整理を行って、本当に社内でしかできない作業は何かを確認してみる。結果として、その企業では営業社員はほとんど社外で業務が遂行できるということになれば、オフィスコスト削減を目的にフリーアドレスを導入するということも、比較的容易かもしれません。このように、職種・部署ごとの最適解をもとに、段階的導入の様々なパターンを検討し、ワークスタイル変革のマイルストーンを決定していくことが必要だと思います。

図1 ワークスタイル変革後のイメージ
図1 ワークスタイル変革後のイメージ
出典:シーエーシー、2014年2月

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すべてのクライアント環境を共通化すべきか、個別のニーズに応えるべきか

Question

職種などによって最適解は異なるというのは確かだと思うのですが、その一方で、全社で解を統一したほうが管理しやすく、コストメリットも高いというジレンマはありますよね?

Answer

株式会社シーエーシー:鈴木 美邦 氏

そうですね。例えば、仮想デスクトップを導入する際にも、可能な限り、1つの雛型に統一するということは、非常に大事な取り組みと言えます。部署ごと、あるいは社員ごとに様々なバリエーションを作って、それをそのままずっと維持していくというかたちでは、運用管理が大変ですし、セキュリティの徹底という点でもデメリットになりえます。そういう意味では、基本的には雛形を1つにするか、そうでなくとも、なるべく少ない数に集約する必要があるのですが、やはり、それは管理する側の都合であり、実際に業務を遂行する現場レベルでは、それぞれに個別のニーズがありますから、1つひとつ対応していく必要はあるでしょう。業務が回らないと意味がないわけですから。

 ただ、1つの環境に集約しつつ、個別のニーズに応えていくことも、工夫次第で可能だと思います。実際、弊社でも仮想デスクトップに関しては、会社の方針として「雛形は1種類」と決めてしまった上で、アプリケーション仮想化などの導入により、各々の現場レベルや社員レベルで本当に必要なツールがあれば、それも使えるようにしています。つまり、アプリケーションレベルで柔軟性を持たせているわけです。また、仮想デスクトップによるクライアント環境の再構築を推進する際にも、「この部署・職種に関しては、クライアント環境を変えてもメリットがない」といった理由から、既存デスクトップPCを残すと判断するケースも大いにありえます。この場合も、無理にすべて仮想デスクトップに統一するのではなく、いろいろと工夫を凝らしつつ、うまく共存を図る必要があるでしょう。

図2 仮想デスクトップ導入のメリット
図2 仮想デスクトップ導入のメリット
出典:シーエーシー、2014年2月

Question

そうしたクライアント環境の整理については、使う側にどこまで妥協してもらうかなど、なかなか難しい判断がともなうのではないでしょうか?

Answer

もちろん、社員1人ひとりの意見に応えて、それぞれに作業をしやすい環境を確保してあげるということができないわけではありません。ただ、コストメリットや管理性などとの兼ね合いを考えて、やはり、企業全体としてどういう形態が望ましいかを追求しなければならないということです。企業におけるクライアントPCというものは、仕事の遂行に必要なツールの1つとして貸与されているにすぎない。そういう基本的な考えのもとに判断を下せば、特に難しいことはないと思います。先ほどの「個別のニーズにも1つひとつ対応する」という話に関しても、あくまでも「仕事上必要であれば」ということであり、個人的な好みに合わせたり、PCを好き勝手に使えるようにするというわけではありません。


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タブレット端末を活用する際の課題を乗り越えるためには?

Question

必要に応じて、様々なクライアント環境を共存させるという点では、今後はタブレット端末をどう活用するかも重要な課題になりそうですよね?

Answer

株式会社シーエーシー:鈴木 美邦 氏

メインのクライアント環境としてタブレット端末を活用する際の課題は、アプリケーションと端末管理という2点に集約されます。まず、従来はPCで利用していたアプリケーション、特にOfficeアプリケーションや業務アプリケーション、あるいはPC向けブラウザ上での動作のみを想定しているWebアプリケーションなどを、どういうかたちで動かすかという点で、多くの企業は悩まれます。アプリケーション自体を変えたほうがいいのか、それとも、システム面を変えるべきなのかという問題です。

 また、端末管理に関しては、携帯電話からの流れで、スマートフォンはもちろん、タブレット端末についても、総務部で管理しているということも実はめずらしくありません。ただ、本格的にクライアント環境として活用するのであれば、情報システム部門の管理下に置くべきで、そのためには既存のPCと同様に管理が可能であることが望ましいでしょう。そうしたタブレット端末における課題を解決する手段としては、仮想デスクトップの利用、あるいは、Windows 8.1搭載タブレットの導入など、いくつかの選択肢が存在しますから、十分に検討を行った上で判断を下すことで、障壁は回避可能だと言えるでしょう。

 いずれにせよ、ワークスタイル変革は多くの企業にとって重要な検討課題になっています。そのためには前述のとおり、必ず経営のコミットが不可欠であり、その方針を受けて、具体的な手段・導入形態を定めていく必要があります。その際には、職種の分類や業務の棚卸しを行いつつ、最適解を導き出す。更に、それを各々の社員のニーズとマッチングさせ、不都合な部分があれば解消させていく。そういう流れが失敗しない取り組み方だと言えるのではないでしょうか。

 また、実はワークスタイル変革とひと口に言ってもいくつかの段階があり、テレワークなどを活用する初期のレベルから、最終的には、取引先といった自社の顧客と連携するレベルまで、非常に幅広くなっています。自社が今必要としているワークスタイル変革のレベルを明確化した上で目標として定め、それが達成できたら、また次の目標を立てる。そういうかたちで地道にステップアップしていくのが望ましいと思います。


●ありがとうございました。


取材協力

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1966年に独立系ソフトウェア専門会社、コンピュータ アプリケーションズ(CAC)として発足。コンピュータ・メーカーなどの特定企業から「独立・中立」の立場を堅持する、情報システム構築のプロフェッショナルとして、企業の情報化戦略・計画に関するコンサルティングからシステムの設計・構築・導入、さらには運用管理・保守に至るまで、情報システムに関する一貫したサービスを提供している。


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