数理モデルのビジネス化でグローバル進出を

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アナタに代わって聞いてきました!ザ・キーマンインタビュー

数理解析モデルのビジネス化でグローバル進出を狙う

2014/04/23

ERP製品を主軸にICTコンサルティング/SI事業を展開するテクノスジャパンでは、データ分析を主なビジネスとするテクノスデータサイエンス・マーケティングを設立するなど、ビッグデータ関連ビジネスへ積極的に取り組んでいる。その狙いを代表取締役(最高経営責任者)である城谷直彦氏に伺った。

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城谷 直彦 氏

代表取締役(最高経営責任者)
城谷 直彦 氏

「過去データ」と「未来データ」をミックスした分析に取り組んでいく

Question

企業へのERPパッケージの導入を主に手がけてきた貴社では、ビッグデータ活用については、どのような方針でビジネスを展開されているのでしょうか?

Answer

株式会社テクノスジャパン:城谷 直彦 氏

弊社では、主要事業として基幹業務システムのコンサルティングサービスや導入サービスを展開しており、SAP、オラクル、インフォア、東洋ビジネスエンジニアリング(b-en-g)などのベンダ各社が提供するERPパッケージを、特定製品に偏ることなく幅広く提供しています。そうしたERPパッケージを導入していただいたお客様企業においては、既にデータベース上に実績データが大量に蓄積されている状況にあります。また、ERPベンダ各社側ではこれらを分析するための器として、ビッグデータ分析・活用ソリューションの提供に注力している状況です。そうした実績データを私は「過去データ」と呼んでいますが、これに加えて「未来データ」、つまり、ソーシャルネットワークなどで発信されるコメントやつぶやきなどの大量な情報をうまくミックスしつつ、それぞれのお客様企業の経営手法に合ったかたちで分析できるようにしていくということに、弊社では積極的に取り組んでいきたいと考えています。

Question

 これまで培ってきたITソリューション提供・構築のノウハウをもとに、そうした新たなビジネスに取り組んでいくということになりますでしょうか?

Answer

分析・解析を行うためには、その前の段階として、データを収集した上で管理しなければなりません。非定型データを含めた様々なデータを統一化しつつ、1つの箱に収めていくわけです。その手間はかなりのものになり、ともすれば、データ分析全体で必要となる労力の半分程度を占めるのではないかと考えられますが、こうした部分は弊社が手がけてきたITビジネスの一環として難なく実現できるものです。また、それが終われば、ようやく分析・解析の段階に移り、更にその結果をビジネスインテリジェンスとして見える化していくわけですが、ここも同様に、従来のITビジネスの範囲内でカバーできる部分です。しかし、これまで展開してきた基幹業務システムのビジネスを発展させるかたちで、今度は過去データと未来データを活用して、お客様企業が将来の経営をどう動かすべきかというお手伝いもしなければならない。日々の経営だけではなく、ビッグデータの活用によって、未来の経営も支えなければならない。そうした一連の流れをすべて実行するにあたっては、統合したデータ管理、分析ツール、そして、分析者、つまり、データサイエンティストを合わせた「データ分析の統合管理」が必要だと弊社では考えました。そのため、弊社では昨年10月に子会社であるテクノスデータサイエンス・マーケティングを設立し、40名程度のデータサイエンティストを集めたのです。


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データの分析・解析に次ぐ柱とするのが「数理解析モデルのビジネス化」

Question

具体的には、どのようなビッグデータ活用関連事業を展開されているのでしょうか?

Answer

株式会社テクノスジャパン:城谷 直彦 氏

テクノスデータサイエンス・マーケティングでは、エンタープライズ領域でのビッグデータ分析ソリューション提供を目的として、米国トレジャーデータと業務提携も行っています。トレジャーデータのクラウド型ワンストップ・ビッグデータサービス「トレジャーデータサービス(Treasure Data Service)」を使ったビッグデータ活用DWHの構築、データ解析などのソリューションをトータルで展開していくというものです。例えば、過去データ・未来データのすべてをいったんクラウド上のトレジャーデータサービスに蓄積し、前捌きを行った上で、必要なデータのみをインメモリデータベースである「SAP HANA」へ放り込んで分析を行うことで、コストを大幅に抑えつつ、超高速分析を可能にするというわけです。ただ、そのためにはSAPとトレジャーデータサービスがつながっている必要がありますから、SAPベースのERPから簡単にデータを収集できるコネクタの開発を弊社では手がけており、その販売もビジネスの1つとなります。

ただ、これはあくまでもコネクタビジネスであり、ある意味では付随的なものにすぎません。テクノスデータサイエンス・マーケティングの最も主要なビジネスは、やはり、データベースに蓄積されたデータの分析・解析となります。そして、それに次ぐ柱となるのが、数理解析モデルのビジネス化です。データサイエンティストがお客様の目的やニーズに応じて分析を行う際には、既存の様々な数式を組み合わせた上で、独自の数理解析モデルとして先鋭化していくことになります。そうして作り出された数理解析モデルをビジネス化していくというわけです。しかも、数式・数学というものは、いわば世界共通語となりますから、最初からWorld-Wideでの展開を視野に入れており、その受け皿となるよう、昨年5月には米国シリコンバレー地区でTecnos Research of Americaを設立しました。独自の優れた数理解析モデルを構築することで、弊社のような小規模のSI企業でも本格的なグローバル展開に打って出られると自信を持っています。

Question

グローバルな市場では競合も多くなっていく可能性があるのではないでしょうか?

Answer

本当の意味でビジネスに結びつく数理解析モデル、お客様企業のニーズに直結した数理解析モデルを提供できるかが、腕の見せどころだと考えています。例えば、既に発表したものとしては、コンタクトセンタの構築・運用に役立つ数理解析モデルなどが挙げられ、これらを活用した通話内容のデータマイニングによる自動化、最適人数の算出などのサービス化を検討しています。昔から数理解析モデル自体は様々な現場で無数に作り出されているはずですが、ただ、それぞれの作成者は製品化しようという意識はなく、誰かに依頼されて、あるいは自分のビジネス上で何らかの答えを導き出すために、数理解析モデルを作っていただけでしょう。そうした数理解析モデルを表舞台に引っ張り出すとともに、製品化の道筋を整備していくことが私どもの仕事だと考えているのです。


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産学連携でCRM戦略策定支援につながる消費者行動分析にも取り組む

Question

早稲田大学総合研究機構マーケティング・コミュニケーション研究所との産学連携も発表されましたが、どのようなプロジェクトが進んでいるのでしょうか?

Answer

株式会社テクノスジャパン:城谷 直彦 氏

もともとは生産管理の分野で、ERPパッケージは十分に活用されているのか、よりアカデミックな視点でのとらえ方なども必要なのではないかという意識を持っており、生産管理学を専門とする早稲田大学の片山博教授とお付き合いがありました。そうした経緯があった上で、ビッグデータ活用をビジネス展開するために、マーケティングの研究を行いたいという相談をさせていただいたところ、早稲田大学大学院商学研究科長の守口剛教授をご紹介いただき、今回の産学連携に至ったという流れです。

この連携はテクノスデータサイエンス・マーケティングが所有するビッグデータ解析技術を活かし、早稲田大学総合研究機構マーケティング・コミュニケーション研究所と共同で、CRM戦略策定支援につながる消費者行動分析やモデル構築を進めるというもので、研究所が保有する学術的な知識・ノウハウの連携、定期的な情報交換、主催するイベントへの参画、産業界と関わることによる学生育成の推進などの実施を検討しています。更に、より具体的なものとして、弊社のお客様企業であるクラシエホールディングス様に参画していただいた上で、3社が連携して実際のマーケティング戦略を打ち出していくというプロジェクトもスタートしました。

なぜ、クラシエホールディングス様に参画いただいたかというと、弊社の女性社員が同社の「いち髪」というヘアケアシリーズを愛用しており、成分が優れ、競合製品と比較してコストパフォーマンスが非常に高いにもかかわらず、トップシェアを獲得していないのはおかしいと話していたことがきっかけになっています。だったら、ビッグデータ分析をもとにマーケティング戦略を練っていく題材としては、非常に適しているのではないかということが最初の発想です。TVCMの打ち方、店頭での商品の陳列、容器の色合いなど、それらすべての要素がマーケティングの対象だと思いますが、過去のデータだけでは売れ行きしかとらえられませんから、やはり、未来データ、つまりソーシャルデータの活用が鍵になってくると思います。

Question

貴社と大学との共同研究で得られた結果は、今後のビジネス展開に活かしていくことになるのでしょうか?

Answer

そうです。まず、国内の企業に対しては、数理解析モデルと業務を合わせて、アプリケーションのテンプレート化を行い、同じような課題を持つお客様に展開していくことを考えています。また、その一方で、World-Wideの市場では、先ほどお話したとおり、シリコンバレーのTecnos Research of Americaから、数理解析モデルそのものを製品として販売していくつもりです。


●ありがとうございました。


取材協力

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1994年の設立と同時に、ERPビジネスの成長性に着目し、SAPジャパンのERP製品を取扱開始。その後、基幹業務に関する豊富な経験と知識を活かし、様々なソリューションを提供している。2013年には、米国における最新のICT技術動向リサーチのため、Tecnos Research of America, Inc.を設立。更に同年、ビッグデータ市場への参入のため、テクノスデータサイエンス・マーケティング株式会社を設立した。


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