国際標準を目指す広域SDN O3プロジェクト

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流行りモノから新技術まで! 5分でわかる最新キーワード解説

国際標準を目指す広域SDN O3プロジェクト

2014/04/02


 日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは、利用回線やネットワーク機器設定のことなど何も考えなくても、欲しいネットワークをオーダーすれば、ソフトウェアが世界のネットワークから最適回線と経路をすぐさま用意してくれる「広域SDN(Software-Defined Networking)」。実現に向け活動中の「O3プロジェクト」はスタートから1年、どんな成果を上げているのでしょうか?

未定

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「O3プロジェクト」とは?

 ネットワークの専門知識がなくても、帯域や遅延の度合い、セキュリティレベルや冗長性、価格などの条件を指定すれば、遠隔地間で最適なネットワークがわずか数分で構築でき、運用管理・制御、変更などがソフトウェア上で簡単に行えるような、新しい「広域SDN」の基本技術研究開発を行う、国内大手ICT企業5社による世界初の共同プロジェクト。従来はデータセンタや企業内で閉じていたSDNを拡張し、複数のデータセンタ間でも単一のソフトウェアで管理・制御可能なインフラ実現を目指している。図1に、広域SDNが目指すサービスの特徴を示す。

図1 O3プロジェクトが目指す広域SDNサービス
図1 O3プロジェクトが目指す広域SDNサービス
資料提供:O3プロジェクト
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従来の広域ネットワークの課題とは

 O3プロジェクトは昨年6月、日本電気株式会社(代表研究機関)、日本電信電話株式会社、NTTコミュニケーションズ株式会社、富士通株式会社、株式会社日立製作所の共同で、2015年までの3年間で60億円規模の投資を行う一大プロジェクトだ。その仕事を理解するために、まずSDNの意義から考えてみよう。

■ハードウェアを意識せずにネットワーク設計・構築・運用管理が行えるのがSDN

 PCを利用するとき、CPUやメモリ、HDDなどのハードウェアを自分で直接管理・制御しようとは誰も思わない。それらの仕事はOSなどのソフトウェアが行ってくれるからだ。そのおかげで人間はハードウェア構造を知らなくても、処理に応じたリソース割当を行い、回路上のデータの行き来を制御して、高度な業務処理を行うことができている。しかしコンピュータの外のネットワークではこうはいかない。
 ネットワーク構築の際には、人間が構成図を描き、利用できる通信業者の回線を選び、現地でネットワーク機器を設置し、個別に設定を行い、テストをして、初めて運用開始に至る。これに要する時間は、単一業者があらかじめ用意したメニューを選ぶ場合でも最低数時間、複数業者のネットワークを経由する場合は数日〜数週間、海外とのネットワークなら数ヵ月かかることもある。今後、クラウドサービスがますます普及し、モバイルコンピューティングが急速に拡大していくことを見越すと、これでは将来のニーズが満たせないことが明らかだ。
 そこで、あたかもPCがOSによってハードウェアレイヤを管理・制御するように、ネットワーク回線や機器を意識せずにソフトウェアで設計・制御・管理しようというのがSDNの考え方だ。SDNソフトウェアとそれに対応する(例えばOpenflow対応の)ネットワーク機器を利用すれば、物理的な機器設置状況や接続状態を人間が意識する必要がなくなり、障害や負荷状況に応じて柔軟に構成を変化させてサービスの品質を落とさない仕組みが出来上がる。その仕組みはすでに実用段階にあり、国内では日本通運のプライベートクラウドや金沢大学付属病院の院内ネットワークなどで大幅な運用管理コスト削減効果が見え始めている。グローバルな商用SDNサービスも世界に先んじて提供を始めた業者もある。学術ネットワークや大手データセンタを中心に海外でも適用事例が続々出てきている状況だ。
 しかし問題は、今のところSDNがデータセンタや企業内で閉じていること。様々なネットワーク、例えば無線や光ネットワークを含むネットワークや複数の事業者にわたるネットワークが介在する広域ネットワークを想定すると、利用する装置がそれぞれのネットワークで異なり、またネットワークの各レイヤで個別の運用管理システムが存在するため、設計・構築・運用のどのフェーズでも人手をかけて機器設置と設定を行わなければならず、回線・機器障害やサービスレベルの低下、サービスそのものの変更時などには技術者が個別に対応する必要がある。
 データセンタ内がいくら効率化しても、データセンタがそれぞれ個別の管理・運用を行っている限り、広域ネットワークの合理化・効率化は限定的だ。これを根本から変革するのがO3プロジェクトが開発する広域SDNだ。

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