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製品の基礎から選び方までをサポート! IT導入完全ガイド

「テープ vs HDD」メリデメ徹底解説!

2014/02/10

 可搬性のあるメディアとしてバックアップを行う際に有効なバックアップテープ(磁気テープ)。NASをはじめとした安価なHDDにその地位を奪われたかに見えたものの、扱うデータ量が増大するにつれ再び磁気テープが脚光を浴び始めている。なぜ“国産”の磁気テープが復権しつつあるのか、磁気テープの最新動向を交えながら改めてHDDとの違いを明確にし、そのメリットを詳しく解説していこう。

バックアップ

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1磁気テープ VS HDDの行方

1-1バックアップテープの基礎

■バックアップテープとは

 バックアップテープ(=磁気テープ)は、磁性体と呼ばれる無数の微粒子とバインダと呼ばれる接着剤を溶剤に混ぜた塗料(ペンキのようなもの)を磁性体の向きを揃えながらフィルムに塗布したものや磁性体をフィルムに蒸着したもので、記録はこの磁性体を磁化することで行われる。
 元々は1951年にUNIVAC(現ユニシス)社から世界初となる巨大なオープンリール型の商用データ記録磁気テープが発売されたのが始まりだが、現在はLTO(Linear Tape-Open)と呼ばれる規格がほぼ市場の中心となっている。また、ローエンド領域ではDDS/DATが、エンタープライズ領域ではOracleやIBMが提供しているベンダ固有の磁気テープが現在でも利用されている。LTOについてはGeneration6(LTO-6:非圧縮時2.5TB、圧縮時6.25TB)がすでに市販されており、ロードマップとしてはGeneration8(LTO-8:非圧縮時12.8TB、圧縮時32TB)まで明らかになっている状況だ。

図1 テープフォーマットの歴史
図1 テープフォーマットの歴史
※各メーカーの非公式情報を含むデータを元に作成したもので、出荷時期、仕様などは予定や予想されるものであり、保証するものではない。
資料提供:JIETA テープストレージ専門委員会

 なお、磁気テープを利用するためには、単体ドライブ製品をはじめ、ドライブ1台に複数のカートリッジが格納できるオートローダ、複数のドライブに複数カートリッジが収容できるテープライブラリなどの装置が必要になる。

図2 テープライブラリとその構造
図2 テープライブラリとその構造
資料提供:日本ヒューレット・パッカード

■日本を救う?バックアップテープが見直されるワケ

 以前よりバックアップ用途に用いられてきた磁気テープだが、ここにきてその位置付けが変化しつつある。バックアップはリカバリを必ずセットで考える必要があるが、RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)やRPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)などを考慮すると、ビジネススピードが加速している昨今では“迅速に復旧できること”が前提となる。そのため、ランダムアクセス可能で復旧させやすいHDDを利用するケースが増えている。
 しかし、頻繁にアクセスしないアーカイブデータなどについては、GB単価当たりのコストが安く高い信頼性が保証されているメディアに保管することが最良の選択肢だろう。この場面では磁気テープが有効だ。また、災害時やシステム障害などからの復旧を考慮し、オフラインメディアとしてBCP対策に貢献する磁気テープが改めて重要視されている。2011年3月に発生したGmailのデータ消失障害では、磁気テープを用いて復旧にこぎ着けたことが話題となった。データ保護の最後の砦としてオフラインメディアの有効性が明らかになった実例だろう。
 ちなみに、磁気テープの総出荷容量は未だに伸び続けているという現実があり、“国産”技術を施したバックアップテープはまだまだ有効な記録メディアとして期待されている。

図3 テープメディア出荷容量
図3 テープメディア出荷容量
資料提供:JIETA テープストレージ専門委員会

 なお、最近ではクラウド間でのデータ輸送にも磁気テープが利用されており、例えば10TBのデータを10Mb/sのネットワークで転送すると90日以上も費やしてしまうが、テープであれば既存サイトでの準備で1日、データ移送で2日、クラウドストレージへの展開で1日と4日前後で輸送が完了し、コストもわずか1/3以下という試算が出ている。

コラム:データセンタ全体の消費電力は日本の総電力量を超える!?テープで省エネ対策

 ある調査によると、データセンタの消費電力について興味深いデータが示されている。なんと世界中にあるデータセンタ全体の消費電力は、実は中国、アメリカ、ロシア、インドに次いで5番目の規模と試算されており、日本全体で使う消費電力よりも大きな電力量が費やされているという。アクセス頻度の少ないデータを通電を必要としない磁気テープに保管しておくことは、グローバルなエネルギー効率の観点からも重要な視点だと言える。


■テープを新たな領域に高める「LTFS」

 磁気テープに関連した技術で注目したいのが、LTO-5より実装された「LTFS(Linear Tape File System)」と呼ばれる技術だ。LTFSはテープをファイルシステム化することで、あたかもHDDであるかのようなアクセスや管理、さらにはファイル共有環境を提供する。USBドライブなどを利用することでプラットフォームを超えたデータ共有も可能となる。具体的には、テープ内にインデックス用のパーティションとデータ用のパーティションを用意し、ドラッグ&ドロップでファイルの読み書きが行えるようになる。
 このLTFSがサポートされたおかげで、テープ内にあるメタデータを参照することで長期保管した場合でもそのデータが何なのかが素早く確認でき、またベンダ独自の技術ではないために様々な機器から参照、利用できるようになった。

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