設備のオープンソース化へ向けた「OCP」

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流行りモノから新技術まで! 5分でわかる最新キーワード解説

設備のオープンソース化へ向けた「OCP」

2014/01/22


 日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは、サーバやストレージなどをはじめデータセンタ設備のハード仕様をオープン化する「OCP(Open Compute Project)」。来たるべきコンピューティング環境をユーザ視点で定義する1つの試みです。巨大データセンタを念頭にした最高効率のハードウェアとはどんなものか、気になりますね!

OCP

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OCPとは?

 2011年にフェイスブック社の提唱でスタートした、仕様をオープンにしながら高効率で経済性が高く、環境負荷が少ないデータセンタファシリティ設計と提供を目指すプロジェクト。ITインフラ関連エンジニアのためのコミュニティにもなっている。日本でも2013年1月に「Open Compute Japan(オープンコンピュートジャパン/OCPJ)」が発足した。ITユーザの立場からデータセンタファシリティを考え直すオープンソースプロジェクトとして注目されている。

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OCPの背景と目的

 Facebookはご存知のとおりグローバルメジャーなSNS。現在では約10億1900万のアクティブユーザが利用し、写真やビデオなどの保管量は100ペタバイト超にも及ぶ超巨大事業だ(2013年9月時点)。しかし巨大な規模のIT機器の調達コストと電力コスト、発電の環境負荷、運用管理負荷は常に同社の課題だった。これがOCP発足の背景にある。

■巨大データセンタの環境負荷に対する「Unfriend Coal」キャンペーン

 2010年2月にフェイスブック社は米国オレゴン州Prinevilleへの巨大データセンタ建設計画を発表した。これに対し、国際環境NGOであるグリーンピースが抗議の声を上げた。同センタが必要とする巨大な電力を化石燃料による火力発電でまかなうことが環境破壊につながると主張し、「100%の自然エネルギー」を使うよう求める「Unfriend Coal(石炭と友達にならないで)」キャンペーンを開始したのだ。このキャンペーンは2011年4月にFacebook史上最高(当時)の1日あたり8万件のコメント数を記録、キャンペーン参加者は世界で70万人にのぼった。フェイスブック社はこの声に機敏に反応し、同年12月に「自社のすべてのエネルギーを自然エネルギーでまかなうことを目標とする」と発表するに至った。

■環境負荷とコストの両面で革新的な設計を施したPrinevilleデータセンタ

 このキャンペーンの最中の2011年4月にオープンしたのがPrinevilleのデータセンタ(図1)だ。環境負荷軽減を大きな目標の1つにして、大胆な外気導入システムと徹底的な省電力設計を施した。その結果、データセンタのPUE(エネルギー効率の指標/関連するキーワードの項参照)は当初1.08、現在では1.07という驚異的なものとなった。このデータセンタを外部に積極的に公開したことが、同社の環境対策を世界にアピールすることにつながった。

図1 フェイスブック社の米国オレゴン州Prinevilleデータセンタの外観
図1 フェイスブック社の米国オレゴン州Prinevilleデータセンタの外観
資料提供:OCPJ

 これは同社による施設・設備の省エネ設計が、電力コスト抑制にも大きく貢献することも同時に実証した。世界中のデータセンタや大規模ITユーザが悩んでいるのが電力コストの削減だ。ネットワークやサーバ、建物のコストは年々低下しているのに、電力料金だけは増加傾向にある。そのネックを施設・設備の最適設計により解消できる道が示されたことになる。

■高効率・低環境負荷・低コストな設計仕様のオープン化

 Prinevilleデータセンタのお披露目で耳目を集めてからひと月も経たないうちに、フェイスブック社はさらに画期的な一手を投じた。それが前代未聞の「ハードウェアとデータセンタのオープンソース化」構想だ。
 これは、ソフトウェアの世界にオープンソースコミュニティがあるように、ハードウェアの世界にも国や企業の壁を越えてエンジニアが議論・協働できる場を作り、知的資産を共有しようという提案だった。データセンタの内部はたいてい秘密であり、カスタム仕様を明らかにするケースは極めて稀だ。しかしフェイスブック社はシステムベンダでもデータセンタ事業者でもない。インフラを秘密にしなければならない理由は少ないのだろう、自前の仕様をオープンにし、誰でもがそれをモデルとして利用できるようにした。
 その狙いは2つあるようだ。1つはシステム調達コストのさらなる低減だ。もともと同社は直接台湾などのメーカーにカスタム仕様のシステムを発注し、中間業者をなくしてコスト削減に努めていた。オープン標準に則ることでメーカーの参入機会を増やしてコスト最適化が図れる可能性がある。またもう1つは各機器のファームウェアアップデートなどのメンテナンスを単純化し、運用管理工数の削減をめざすことだ。
 しかし仕様公開による利益を自社で独占するのではなく、世界のITユーザやベンダで共有しようとしたところがポイントだ。同社は高効率なハードウェアやデータセンタのベストプラクティスをオープンコミュニティに提供する代償に、技術改善や追加に世界のエンジニアの知恵を集めて価値を高め、得られる利益も業界で共有したいと考えた。この考えにインテルやラックスペース、HP、デルなどの企業や個人のITインフラエンジニアが賛同し、2011年10月にオープンコミュニティであるOCPが発足することになった。

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