エニグマに薩摩弁まで!暗号化と認証の基礎

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IT担当者の必須知識が身につく 初級ネットワーク講座

エニグマに薩摩弁まで!暗号化と認証の基礎

2013/12/17


 情報通信の進化に伴い、経済性・操作性・性能などが一段と向上。利用者にとって利便性が増す一方で、企業の情報資産の危険性も増している昨今、企業の情報資産を守るために情報セキュリティ対策が必要不可欠となってきている。情報セキュリティには技術的対策・物理的対策・人的対策があるが、このうち技術的対策の最も代表的なものとして“暗号化技術”がある。暗号化技術は単に機密性だけでなく、認証、改ざんの有無の検出にも用いられており、情報セキュリティの基礎である。今回は暗号化技術の基本について、詳細を解説する。

暗号化

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暗号化の仕組み

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暗号の歴史

 暗号とは「通信の内容が当事者以外には解読できないように、普通の文字や記号を一定の約束で他の記号に置き換えたもの」である。ここでの“一定の約束”とは「アルゴリズム」をさす。
 ここからは簡単に、暗号の歴史を振り返ってみよう。

図1 暗号化の仕組み
図1 暗号化の仕組み
■シーザー暗号

 暗号の起源については諸説あるが、紀元前のジュリアス・シーザーが用いた「シーザー暗号」までさかのぼることができそうだ。シーザー暗号は、アルファベットの並びを数文字ずらして文字を置き換えて暗号文とした。
 例えば、「RECRUIT」のそれぞれの文字をアルファベット3文字ずらすと「UHFUXLW」と意味のない綴りとなる。 3文字の「3」が鍵となり、「UHFUXLW」が暗号文となる。

 ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ→DEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZABC

 しかしアルファベットは26種しかないので、26回試行すれば平文がわかってしまう。

■拡張シーザー暗号

 拡張シーザー暗号では、単に並べてずらすのではなく、置き換える文字をランダムに配置した“変換表”を用い、通信相手と共有した。
 変換表の例

 ABCDEFGHIJKLMNOPQRSTUVWXYZ→JDGKOSALFNQVZRTIWMHUBCEPYX
 
 変換表を複数用意する(多表式暗号)ことで、「鍵」が変換表番号がとなり、変換表の数だけ「鍵」の種類が増す。また、多重変換することによって暗号強度が増すことになる。

■エグニマ暗号

 時代は第二次世界大戦のころ、暗号機械が登場した。暗号機械は、タイプライターに打ち込んだ文字列を自動的に暗号文へ変換し、紙テープに印刷して打ち出すという仕組みを持っており、人間のミスの入る余地を大幅に少なくした。かのナチスドイツ軍は、このエニグマを改良して使用した。当時は、鍵の種類が100億以上あったため、エニグマは解読不可能と言われたがイギリス諜報局が解読に成功、ノルマンディー上陸作戦の大成功へとつながった。エニグマ解読に関わったメンバーの中心人物として、コンピュータの祖といわれるアラン・チューリングがいた。ここでの教訓として、非常に強力だと言われる暗号でも、いつ新手の暗号解読法が考案されるか分からないことが世界中に知れ渡った。

コラム:難解!国産の強力暗号…“薩摩弁暗号”とは?

 日本にも様々な暗号方式があるのだが、その中でも秀逸だったのが「薩摩弁暗号」である。これは関ヶ原の合戦以降に薩摩藩が幕府の隠密対策として開発した暗号方式だ。第二次世界大戦においても、旧薩摩弁を早口で喋ることで、暗号通信をした。日本の暗号文をことごとく解読したアメリカ軍でも、薩摩弁暗号だけはなかなか解読できず、当初はどこの言語かすらわからなかったと言われる。潜水艦U-511の出航に関する機密情報を、出航の前後に何度も国際電話でやりとりしたというから恐れ入るほかない。


 暗号化の歴史から言えることは、解読不可能と言われたエニグマ暗号さえも解読されたように、いずれ暗号は解読されるということだ。しかし、暗号が解読される頃には平文の価値がなくなっていればいいので、解読されるまでの時間を稼げればいい。
 つまり、「解読までの時間の長さ」=「暗号(アルゴリズム)の安全性」ということになる。

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