21世紀のエジソンなるか?木材を電池にした技術が世界で話題に

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載日 2013/07/04

21世紀のエジソンなるか? 木材を電池にした技術が世界で話題に

木の薄片をスズで覆ったものを利用した試作電池が、驚きの長寿命を実現した。木質繊維は柔軟で、しかも電池の電解液に相当する水分を多く含む。だから安くて長持ちな蓄電池となり得ることが、研究で裏付けられた。

***

 木材が電池の材料になる――にわかには信じがたい話だが、かつてエジソンが日本の竹を白熱電球のフィラメントに用いたように、自然素材がその安価さと耐久性から電気機器に使われるというのは決して荒唐無稽ではない話だ。

世研究チームリーダーLiangbing Hu助教授による解説動画
 メリーランド大学で進められているこの研究でも、アイデアの元になったのは木材の性質だった。木質繊維はもともとミネラル分豊富な水分を多く含んでいたもので、電解液を蓄えるのにある意味理想的な素材である。だから電池にも利用できるのではないかという着想から研究がスタートしたのだと、材料科学助教授のLiangbing Hu氏は語る。

 おまけに木材は柔軟な素材だ。蓄電池は充放電とともにわずかに膨脹する。現状で多く使われている硬質な素材は、そのせいで少しずつ損なわれていき、結果的に短命となる。それもまた、研究者たちが木材に目を向けた理由のひとつだ。

 樹木の薄片にスズをコーティングしたものを材料につくられたこの電池は、400回の充放電サイクルに耐えることが実験で証明された。ナトリウムイオン蓄電池は、50回の充放電サイクルを経た時点で容量が50%程度に低下するのが常であるから、これは画期的な長寿命だ。

 ナトリウムイオン電池には、リチウムイオン電池の性能を大幅に上回る次世代蓄電池の有力候補としてトヨタも注目している。ナトリウムは海水に大量に含まれることから原料が安い上に、新しい正極材料を開発することで電池容量も大幅に高められるというのだ。電気自動車に搭載した場合、1回の走行距離をハイブリッド車並みの500〜1000キロメートルに伸ばせる可能性があるという。

 理想的な素材である上に、ローコスト。そこまで聞けば、木材というのが決して突飛な選択ではないことがわかる。研究者たちはコストの低さに着目し、大規模な蓄電に活用できるのではないかと考えている。

 しかし記事へのコメントで目立つのは、木という素材への不安感。従来の木材のイメージを考えれば、まあやむを得ないところか。

 ちなみに説明動画に出演しているLiangbing Hu助教授はおそらく中国系なのだが、その英語の発音のまずさを揶揄するコメントも一部あった。

 中国系というバックグラウンドにことさらに反応したのはインド人だ。どうせすぐに中国にコピーされるというニュアンスのそのコメントから、ぎくしゃくした関係にある隣国を揶揄して溜飲を下げたいという気持ちを読み取ったのは、筆者だけではないだろう。
  • 「彼女のように才能ある移民がこうした研究に取り組むってすばらしいことだね。でも、あの英語での講義を受けろと言われたら、それはちょっと勘弁だな」(不明)
  • 「木でできたものが長持ちするとは思えないがなあ」(米・カリフォルニア州)
  • 「築150年なんて納屋がアメリカ中にごろごろしてるし、ヨーロッパには築200年クラスの木造建築もある。だから、30〜40年くらいは持つんじゃないかなあ」(米・オハイオ州)
  • 「“バッテリー”の部分を、どうしてだか“バクテリア”と勘違いしてた。でも、いいニュースだね」(ポーランド)
  • 「で、中国も同じことをやろうとしてるんだぜ。きっと」(インド)
  • 「でもさ、木質繊維を使ったリチウムイオン電池じゃあ、どうあがいてもプラスチックとgraphene(訳注:ナノテク素材)を使ったものに、蓄電量で太刀打ちできないと思うんだけどな」(スウェーデン)
  • 「木の弱点は熱じゃないかな。でも、電解液に浸けたgrapheneのメッシュに木を組み込むってのは面白い技術だね」(不明)

※上記枠内はすべて編集部訳

(執筆者:待兼 音二郎)
おすすめ記事

バックナンバーをまとめて読むなら右のボタンから! 一覧へ


Myリストへ 印刷用ページへ

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加


この記事に掲載している情報は、掲載日時点のものです。変更となる場合がございますのでご了承下さい。 また、「世界のRe:アクション」の記事は、インターネット上に配信されているニュース内容をもとに、キーマンズネットが編集して掲載しており、ニュース内容の正確性、真実性等を保証するものではありません。


30006220


IT・IT製品TOP > オフィス機器 > その他オフィス機器関連 > その他オフィス機器関連のIT特集 > 特集詳細

このページの先頭へ
噂のIT都市伝説

キーマンズネットとは

ページトップへ