ビジネス重視のHPビッグデータ教育コース

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掲載日 2013/08/28

ザ・キーマンインタビュー ビジネス観点で“攻める”HPのビッグデータ教育コース

日本ヒューレット・パッカードでは、ITトレーニングや教育コンサルティングを行う「HP教育サービス」を提供しているが、新たなコースとして、ビッグデータ活用を扱う「ビッグデータ技術と分析概要」を開設した。その意外な内容とは?

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日本ヒューレット・パッカード:浅川 貴史 氏、東谷 美佳

テクノロジーコンサルティング統括本部
教育サービス本部 担当部長
東谷 美佳 氏

テクノロジーコンサルティング統括本部
教育サービス本部 担当部長
浅川 貴史 氏

システム系だけではなく、ビジネス系の観点からも攻められる内容に

Question

HP教育サービスの新コース「ビッグデータ技術と分析概要」は、どのような経緯で開設されたものなのでしょうか?

Answer

日本ヒューレット・パッカード株式会社:東谷 美佳 氏

【東谷】 私自身、前職でインフラ系のシステム構築に従事していたため、ずいぶん昔から、より大規模なデータ分析や統計が重要になる、社内に専門家が必要だといった話は少なからず出ていたと記憶しています。ただ、当時は技術的にそうしたニーズに応えられなかったのですが、最近になって、ITが追いついてきて、更にFacebookやTwitterなどの普及によって、データ分析の流れにエンドユーザまでが関係してくるようになりました。そうした変化によって、データのビジネス活用というものに、“ようやく”スポットが当たるようになったという印象があります。

 また、このビッグデータ活用も含めて、従来は企業側が必要なサービスなどを提供していたのに対して、ユーザ側から「こういう仕組みが求められる」と提案される時代になっているのではないかと思います。そうした状況の中で、IT部門の方々もこれまでと同様に、単に必要な技術を提供しているだけでよいかというと、決してそうではないと言えるでしょう。そうした思いこそが、コース開設の発端になっています。今回の「ビッグデータ技術と分析概要」は教育サービスのスタッフだけで手がけたものではなく、実際に社内でデータ分析に従事する社員の協力を得て作成しました。そのやりとりの中で、システム系、そして、ビジネス系という2つの観点から攻めつつ、しかも、双方のバランスをうまく保ちつつ、ビッグデータの知識や活用方法を身につけられるコースに仕上がっています。

Question

今回のコースはグローバルでのサービス展開に沿ったものではなく、日本独自での取り組みということになりますでしょうか?

Answer

【東谷】 そうです。ワールドワイドのエデュケーションサービスでは、Hadoopを習得するコースのみを提供しています。ただ、ビッグデータというテーマにおいては、やはり技術面だけではなく、ビジネス面での理解も重要となりますから、日本独自で作成しました。

Question

いわゆるITスキルの習得だけにとどまらないという点では、HP教育サービスの中でもめずらしいものだと言えますでしょうか?

Answer

日本ヒューレット・パッカード株式会社:浅川 貴史 氏

【浅川】 HP教育サービスは、「テクニカル・トレーニング」「ITマネージメント・トレーニング」「エデュケーション・コンサルティング」「コラボレーション・ツール」という4つのカテゴリで展開するとともに、お客様が必要とされるトレーニングを包括的なラインナップによって、ワンストップで提供するものです。そのうち、「テクニカル・トレーニング」「ITマネージメント・トレーニング」は主に定期開催コースとして運営しており、HP製品のみならず、Windowsや各種パートナー製品のトレーニング、更には前述のHadoopやLinuxなどのオープンソース(OSS)トレーニングといったIT技術トレーニング、そして、ITIL/ITSMなどのITサービスマネジメント、データセンタやクラウドなどのITマネジメントに関わるトレーニングなどを実施しています。

 その一方で、お客様のご要望に応じて顧客企業に伺って実施する「エデュケーション・コンサルティング」も拡大しています。つまり、1社向け研修として提供する形態ですが、こちらはITソリューション、ITスキルに加えて、対人関係やグローバル化、企業環境、人的資質などの側面からスキル向上を支援するビジネススキルのトレーニングも用意しています。「ビッグデータ技術と分析概要」は、日本独自で作成したコースであり、しかも、ビジネスの観点も持たせている、更に、多くのITスキル系のコースのように資格取得を目的としたものではないという点では、こちらに近いと言えるかもしれません。ちなみに、「ビッグデータ技術と分析概要」に関しては、定期開催コースとしても、1社向け研修としても提供しています。


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標準で用意しているのは、5日間の概要トレーニングだが…

Question

「ビッグデータ技術と分析概要」コースは、具体的にはどのような内容や流れで進められるのでしょうか?

Answer

【浅川】 標準的な形態としては、5日間の日程で概要トレーニングを実施する構成をとっています。座学で知識を獲得いただくだけでなく、実際に簡易プロトタイプシステムを構築し動かすという内容で、要件定義、設計・構築、導入、運用というプロセスを演習を通して実体験してもらい、より具体的なイメージをつかんでいただくことを目的としています。1日目は「目的と全体像の理解」「ビッグデータ概論」「ビッグデータ技術」、2日目は「データ活用シナリオ演習」「IT製品選定の勘所」「アーキテクチャ設計&導入」、3日目は「データ活用推進プロセス」「統計とデータモデリング」「データ準備(演習)」、そして、4日目は「データモデリング演習」、5日目は「テキスト処理概論」「ノウハウ抽出演習」という流れです。

図1 Hyper-Vネットワーク設計のベストプラクティス〜3つの視点での考慮が必要
図1 「ビッグデータ概要トレーニング」の日程表
出典:日本ヒューレット・パッカード、2013年8月

Question

現時点での反響などはいかがでしょうか?

Answer

【東谷】 まだ開設したばかりということもあって、実際のところ、定期開催コースとしてのお問い合わせは「0」です。ただ、こうした新しいトレンドが出てきた際には、例えば「Webサイトを開設することに決めたが、とりあえず、運営は総務にやってもらう」というふうに、社内の誰かに投げればいいという感もあったかもしれませんが、ビッグデータ活用に関しては、そういうレベルではないことは皆さん理解されているようです。そのため、統計やデータ分析の専門家が足りないと焦りを感じている企業は多く、「貴社の教育コースは専門家を育成するものですか?」「すぐにでも専門家を育成したい」といったお問い合わせはよくいただきます。

 そして、お問い合わせやコースに関する詳しい質問に答えて、やりとりしているうちに、「なぜ、ビッグデータ活用に取り組まないといけないのか」「データで何がしたいのか」というスタート地点に戻ってしまう、あるいは、「そもそも、どの部署から参加させるべきなのか」「自社では何が足りないのか」といった深堀りが進むといった、カウンセリングに近い状態になってしまうケースがほとんどなのです。その結果、そうしたお客様に対して、先ほどの5日間のコースのうちの一部を取り出して、ワークショップとして実施するといったかたちでの提供が、現時点では大部分になっています。


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どういう立場の社員がビッグデータ活用のコースに参加すべきか

Question

コースの一部だけを実施することが多いということですが、それは入り口の部分だけを入門編として切り出すということなのでしょうか?

Answer

【東谷】 いちおう5日間という括りにしているのですが、実はもともと、1日ごとに独立したものとしても提供できる内容になっています。いわゆる入門編に関しては、ほかのベンダさんでも提供されているため、むしろ、2日目、3日目にあたる部分など、その先の段階のほうがニーズは多いですね。例えば、売上の改善、解約率の増加抑止など、具体的な目的を定めた上で、どういったデータが必要なのか、それが社内にあるものなのか、それともどこかから集めるべきものなのかといったことを検討するという、シナリオ・戦略作りの部分などです。

Question

このコースを受講しようとされるのは、情報システム部門、あるいはマーケティング部門の方のいずれかという感じなのでしょうか?

Answer

日本ヒューレット・パッカード株式会社:東谷 美佳 氏

【東谷】 もともとは、データサイエンティストの基礎を学ぶことを目指したコースなので、データベース関連の経験をある程度持った情報システム担当者の方を主体に考えていました。そうした方々にビジネスの考え方を習得していただこうと。しかし、先ほどお話ししたとおり、実際には少し違う方向性での利用のされ方が中心になっているため、双方の部門の方が一緒に参加されるケースがほとんどです。最初にいずれかの部門だけでやりとりが始まったとしても、自然ともう片方の部門も参加されるようになります。

 本来、ビッグデータ活用に関しては、全社的な取り組みが必要なはずなのですが、実際には情報システム部門の中にビッグデータ推進チームなどを設置される企業も少なくありません。そうすると、マーケティング部門、事業部門などからすれば「情報システムがまた何かやっているよ」というかたちにしか見えず、一歩引かれてしまうため、せっかくビッグデータ推進チームを作ったにもかかわらず、思うように動きがとれないというケースも多いようです。情報システム部門だけではなく、マーケティング部門などを含めた、全社体制で進めるべきものだという認識は浸透しているにもかかわらず、組織が阻害してしまっているわけで、実際、そうした企業の情報システム部門から「どうすればいいのか」という引き合いもあります。

Question

ほかに、業務において自己流でデータ分析を行ってきたという人材は社内にいるものの、どうやって育てればいいのか分からないという声を聞くこともありますが、そういうケースにも今回のコースは有効だと言えますでしょうか?

Answer

【東谷】 そういう人材を見つけるところまではいいのですが、問題はそのあとというわけですよね。大学などで統計学の基礎を本格的に学ばせようという考え方をされる企業もあるようですが、個人的にはそういうアプローチではなく、実践的な経験を更に積み重ねる、その裏づけとしての理論を身につけられるような方向性で支援すべきだと感じます。例えば経験上で仮説が立てられるなら、それが正しいかどうかを分析できるようにするということです。もちろん、統計学をベースとして身につけるに越したことはないのですが、一から始める必要はなく、しかも、それによってその人が混乱してしまっては意味がないでしょうから。


●ありがとうございました。


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