ロボットの新機軸「クラウドロボティクス」

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流行りモノから新技術まで! 5分でわかる最新キーワード解説

ロボットの新機軸「クラウドロボティクス」

2013/08/07


 日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは介護などの生活支援などへの貢献が期待されている「サービスロボット」を小型化・高性能化するとともにマルチサービスに対応させて低コストに実現する「クラウドロボティクス」。欧米や新興国に急追される日本のお家芸「ロボット」技術の未来を開くカギになりそうです!

クラウド

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クラウドロボティクスとは

 クラウドが持つ膨大な計算能力とそこに蓄積された知識をベースにロボットを制御して各種のサービスを実現する仕組みが「クラウドロボティクス」だ。

■クラウドロボティックスの一端を理解するための具体例:買い物支援ロボット

 クラウドロボティクスの本格実用はまだ少し先の話なので、国内で行われた「買い物支援ロボット」実験を例に考え方の一端を紹介しよう。この実験では、お年寄りがスムーズに買い物できるよう、複数のロボットが役割を分担して支援する仕組みが検証された。まずお年寄りが自宅のIT端末の中の「バーチャルロボット」と対話して品物を注文する。するとその人の情報が街頭に設置されたロボットに伝わり、お年寄りが外出すると本人を識別、位置情報を買い物をガイドするためのロボットに伝達する。ガイド用のロボットはお年寄りのいるところまで自分で出向き、声をかけて店舗へと誘導する。店舗内でも「不足している買い物はないか」を確認したり、注文したもの以外の買い物があればその売場へと案内したりする。買い物中はロボットとお年寄りが楽しく会話でき、買い物カゴなどはロボットが運搬する。一連のサービスはオペレータが遠隔監視し、必要があれば補助的に遠隔制御を行うこともできるようにした。
 この実験では、3種類のロボットが利用されており、それぞれがネットワークを介して接続し、互いの情報を交換しながら、役割に応じた自動制御を行うことで一連の買い物支援を実現した(この実験は2010年に総務省の研究委託を受けてATR知能ロボティクス研究所が実施)。肝心なのは、一連の仕事がネットワークで連携していることだ。この例のように、ロボットが単体でサービスを提供する以外に、外部のシステムとネットワークで接続して何らかのサービスをより合理的に、かつ低コストに提供できるようにしようというのが「クラウドロボティクス」の根幹の考え方だ。

図1 買い物支援ロボットの実験風景
図1 買い物支援ロボットの実験風景
資料提供:国際電気通信基礎技術研究所
ATR 知能ロボティクス研究所
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クラウドロボティクスが注目される背景は?

■世界のリーダーとしての地位が危うい日本のロボット分野

 「ロボット」と言えば「鉄腕アトム」のような人型ロボットか、自動車などの生産現場で利用されている産業用ロボットのどちらかをイメージされる人が多いだろう。国内では前者は「ASIMO」や「アクトロイド」といった実験的でエンターテインメントの要素が強い製品として実現しており、後者は古くから工場の生産効率に大きな貢献をしてきた。こうした実績からロボット技術は日本のお家芸と思ってきた私たちだが、福島の原発事故対応で初期に投入された調査用ロボットが国産ではなかったことに首をかしげた人も多かったのではないだろうか。また、火星を走り回り映像撮影した火星探査用ロボットやGoogleが開発中の自動運転自動車はアメリカ製、今年3月に公開された「Rapyuta」と呼ばれるオープンソースのロボット用クラウドプラットフォームはヨーロッパ発祥だ。国産ロボットは低コストな新興国の製品に押されて徐々にシェアを減らしてきており、実は日本は既にロボット先進国としての地位から滑り落ちかかっているのだ。

■状況打開の策として注目される「クラウド」との連携

 この状況を打開するために、産官学が一体となって推進しているのが「クラウド」連携だ。折しも「スマートグリッド」というキーワードで進められている電力流通の最適化構想が、クラウドによる情報伝達と処理技術を中心に物流や交通、上下水道、廃棄物処理など様々な領域にまで敷えんして考えられるようになり、「スマートコミュニティ」や「スマートシティ」という新しいキーワードでくくられるようになってきた。社会活動の全般をITによって最適に制御しようというこの大きな潮流の中でロボットもその一部に組み込まれ、クラウドを前提に新しくとらえ直されるようになった。

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