ペタビット光通信へ!マルチコア光ファイバ

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流行りモノから新技術まで! 5分でわかる最新キーワード解説

ペタビット光通信へ!マルチコア光ファイバ

2013/07/03


 日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは、昨年の秋に光ファイバ1本で世界最高速の1.05Pbps(約1000兆ビット/秒)伝送実験を達成したマルチコア光ファイバの基礎技術。日本が世界をリードしているこの技術、いったいどんなものなのでしょうか。

通信

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マルチコア光ファイバとは?

 1本の光ファイバでどれだけ多くの情報が伝送できるのか? その技術開発に世界の研究者がしのぎを削る中、昨年9月にNTTの研究所などが1本の光ファイバで1秒あたり1.01Pbpsという超高速での長距離(52.4km)伝送に成功した。これが「1ペタビット超え長距離伝送」の世界初の事例になった。その驚きも覚めやらぬ同年10月には、アメリカにあるNECの研究所などが1.05Pbpsでのデータ伝送実験に成功したというニュースが聞こえてきた(こちらは3km)。これが現時点での1本の光ファイバによる世界最高速度になっている。1Pbpsと言えば、2時間のハイビジョン映画約5000本を1秒で伝送できる速さだ。
 矢継ぎ早の世界記録更新の原動力になったのは、日本が世界の最先端を走る光ファイバのマルチコア化技術だ。NTTの事例では1本のファイバに12コア、NECのほうは14コアを備えていたが、どちらも元を正せば日本のNICT(独立行政法人情報通信研究機構)が続けてきた「マルチコア光ファイバ」技術開発に端を発している。
 昨年NICTが発表した19コア光ファイバは、NICT、古河電気工業、オプトクエストの共同開発によるもので、図1に示すように、1本の光ファイバの中に19本の光の通路(コアと呼ぶ)を備えるものだった。NICTではこの光ファイバで合計305Tbpsのデータを10kmの距離で同時伝送することに成功した。このマルチコア光ファイバが現在のところコア数密度では最大で、かつ長距離伝送が実証された光ファイバの世界記録になっている。

図1 19コア光ファイバの断面形状
図1 19コア光ファイバの断面形状
資料提供:情報通信研究機構

 この前年にはやはりNICTが7コア光ファイバによる毎秒109Tbpsでの16.8km伝送実験に成功している。それが図1の右側上の写真だ(右側下は海外事例)。それから1年をかけてこの7コアの外側を取り囲むように更に12コアを追加して19コア光ファイバを実現した。それまでマルチコア化の実質的な限界が7コアと考えられてきたところに、それ以上のコア数の多重化が可能なことを示した点に大きな意義がある。この成功に導かれながら、弱点だったコア間の光の干渉(クロストーク)による損失などを抑えるようにコアを間引いたのが、12コア、14コア光ファイバだと考えてよい。

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ペタビット・レベルのネットワークの必要性

 光ファイバネットワークの大容量化は今後ますます増大する一方の通信トラフィック量に対応するために、迅速に進めていかなければならない課題だ。現状でもブロードバンドの一般化やモバイルデバイスの普及などにより国内で前年比20%、世界で40%という勢いでトラフィック量は拡大している。今後ますます普及が予想されるユビキタスセンサーネットワークやリアルタイムデータベース検索、超臨場感(五感)通信のためのテラビットアプリケーションなどにより、更に増大傾向が加速するだろう。
 こうした傾向に対応して基幹中継網は1987年の最大容量だった1.6Gbpsから、20年をかけて1.6Tbps(3ケタ向上)にまで発展した。しかしこれではやがて不足することが目に見えている。ところがこれまでの技術では、さらなる容量向上は頭打ちになることが明らかなのだ。 NICTによれば2030年には情報量は3000倍(年率1.5倍)〜1万倍になることを想定しなければならず、現在の遠距離光ファイバネットワークは「容量危機」に直面しているという。そこで、産学官オールジャパン体制で開発が推進されているのが「毎秒ペタビットが伝送できる光ファイバ」だ。

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