バックアップベンダから見た最新OSの実力

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掲載日 2013/05/13

ザ・キーマンインタビュー バックアップベンダから見た最新サーバOSの実力

Windows Server 2012はサーバOSとしての完成形を極めつつ、仮想化をベースに、レプリケーションやオンラインバックアップなどの周辺機能にも力を入れている。バックアップ製品ベンダはこうした機能に対して、どのように評価しているのか。また、Windows Server 2012とバックアップ製品を組み合わせた場合、ユーザにもたらされるメリットとは?

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日本CA:中田 皓介 氏

データマネジメント事業部 営業統括部
プロダクトソリューション部 シニアコンサルタント
中田 皓介 氏

「3月対応」を明確に示すことで、企業の導入判断を支援

Question

貴社のデータ保護ソリューション「CA ARCserve r16.5シリーズ」では、Windows Server 2012への対応が大きな特長となっていますが、最新OSへの対応を重視した狙いはどのようなところにあるのでしょうか?

Answer

日本CA:中田 皓介 氏

もともと弊社では常に、新しいプラットフォームに対して迅速に対応できるよう取り組んでおり、特にWindows Server 2012に限って「いち早い対応」を意図したわけではありません。ただ、今回のバージョンアップに関しては、例えば、新しいファイルシステムとして「ReFS(Resilent File System)」が追加され、更には従来のNTFSに関しても重複除去機能が利用可能になるなど、根本的な変更も少なくないため、ソフトウェアベンダ、特に“バックアップ製品ベンダ泣かせ”という印象はあります。ただ、弊社ではWindows Server 2012が発売された昨年9月の時点で、「2013年3月までに対応」という宣言をしていますから、その公約を守れるように作業を進め、無事に3月14日に出荷開始することができました。

 お客様にとっては、Windows Server 2012発売後、初めての年度末を迎えるにあたって、2013年度に移行のための予算を盛り込むかどうかの判断が難しいという事情があったかと思います。また、予算を計上し、いざ実際に移行作業に入ろうかという段階で、バックアップなどのソフトウェア側の対応がついてこないようでは困ってしまうでしょう。そのため、弊社としては明確な対応時期を示し、しかも、それをしっかりと守ることにこだわったというわけです。

Question

最新OSであるWindows Server 2012上で「CA ARCserve r16.5シリーズ」を稼働させた場合、具体的にどのようなことがメリットが得られるのでしょうか?

Answer

分かりやすいのは、やはりNTFS重複除去機能の活用でしょう。例えば、イメージバックアップ製品「CA ARCserve D2D r16.5」では、バックアップ元、バックアップ先ともにNTFS重複除去が適用されたドライブに対応していますから、お客様のファイルサーバ上で重複除去機能を用いて、最初から容量を圧縮した状態で保存しておけば、そのままイメージバックアップが可能です。これにより、バックアップの時間も短くなりますし、当然ながら、バックアップ元、バックアップ先ともに容量が少なくなり、いわば2重の容量節約を実現できます。また、バックアップソフトウェア「CA ARCserve Backup r16.5」のバックアップ先に、Windows Storage Server 2012搭載NASを使うというパターンもあるでしょう。「CA ARCserve Backup」には以前から重複排除機能を搭載していますが、バックアップを実行するサーバ側のCPUで処理を行うため、そこでボトルネックが生じているようであれば、その負荷をNAS側に逃がしてやればいいというわけです。

 弊社の調査では、「CA ARCserve Backup r16.5」からNTFS重複除去機能を適用したドライブへフルバックアップを行った場合、74%のデータを削減できたという結果も得られています。この重複除去はリアルタイム実行ではなく、1つのファイルを継ぎ足し継ぎ足しで更新していくような場合は、そのたびに展開・圧縮を繰り返すことになるため、CPUのリソースを無駄に浪費する可能性はありますが、アーカイブ的にデータをどんどん放り込むようなサーバであれば、利用に適していると思います。また、速度面については、弊社では「CA ARCserve Backup」の新旧バージョンの比較を行うベンチマークを実施済みで、約43%のパフォーマンス向上という結果を得ています。この「43%向上」には弊社製品の処理部分の違いはもちろん、Windows Server 2012の性能向上も少なからず影響していると見ています。

図1 ディスク バックアップの高速化
図1 ディスク バックアップの高速化
出典:日本CA、2013年4月

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OSの機能強化が図られたが、依然として有償製品を導入する意味はある

Question

“ベンダ泣かせ”という点で言えば、Windows Server 2012のバックアップ機能の強化に関しては、どのような印象をお持ちでしょうか?

Answer

日本CA:中田 皓介 氏

専業ベンダとしては、背中を押されていると言いますか、より上を行くかたちでお客様にメリットを提供できるよう取り組まなければいけないとは感じます。ただ、Windows Server 2012では、事業継続オプションとして「Hyper-V レプリカ」「Microsoft オンライン バックアップ サービス」といった機能が追加されており、お客様にも「CA ARCserveはどうするの?」というご心配をいただくこともあるのですが、実は逆で、弊社製品の引き合いが強まっているという状況です。こうしたHyper-Vのレプリケーション、あるいはクラウド上へのデータバックアップといった機能に関しては、ずっと以前から取り組んできたのですが、改めて、Windows Serverが、つまりマイクロソフトが、こうした分野への注目を集めていただいた格好になっているのは、ありがたいことだと思っています。

 また、Windows Server 2012にバックアップ機能が搭載されているのに「わざわざ有償製品を使う意味があるのか?」と考える方も当然いらっしゃるかと思います。これに関しては、確実に「意味がある」と言えます。例えば、「CA ARCserve Replication/HA r16.51」の場合であれば、DNSの書き換えなど必要な処理を自動で実行するため、本番サーバと複製サーバとの切替をボタン1つで誰でも簡単に行えるという点が異なります。ハンズオンセミナーなどで実際に使っていただいたお客様には、この「誰にでも切替が可能」という点を評価いただき、実際に導入を検討したいという引き合いがかなり増えています。災害時などには管理者の方が現場に行けない状況も大いにありえますから。また、転送時の帯域制御や遅延の大きなネットワーク利用時の高速転送など、WAN越えに有用な機能を備えていますし、サーバに負荷をかけずにリアルタイム複製が可能な仕組みも実現しています。このあたりはメリットという範疇を越えて、実際の運用に乗るか乗らないかという点に関わる話だと考えます。

Question

ただ、導入の流れとしては、一旦はWindows Server 2012の標準機能でバックアップを運用し、実用的ではないとか、性能不足だという評価を下した場合に、有償製品の導入を検討するというケースも増えてきそうですよね?

Answer

そういう流れでも特に問題はないと思います。少し次元は異なるのですが、「CA ARCserve Replication/HA」を利用いただくお客様の中には、Windows Server 2003 R2から搭載されていた、サーバ間の自動同期を行う「DFSレプリケーション(DFS-R)」機能からリプレースを図りたいという方もかなり多いのです。ただ、いずれにせよ、バックアップやレプリケーションは企業にとって必要なものだと思いますから、むしろ初めから、OSの標準機能と有償製品を比較検討して、標準機能でも十分だ、あるいは、コストをかけてでも必要な機能があるといった判断を下していただくのが、最善の取り組み方だとも言えるのではないでしょうか。


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VDI普及を機に、クライアント環境のデータ保護にもいっそう力を入れたい

Question

「CA ARCserve」では、以前からクラウドストレージへのバックアップに対応していますが、Windows Server 2012のクラウド連携に関しては、どのように受け止めていますでしょうか?

Answer

日本CA:中田 皓介 氏

弊社でもハイブリッドバックアップという考え方で、オンプレミス環境もクラウド環境も等しく、従来どおりのバックアップ機能を提供していこうという取り組みを進めてきましたから、クラウドに軸足を移していこうというWindows Server 2012の方向性自体は特に違和感なくとらえています。お客様の現場を回っていて感じるのは、単純に新しいOSがリリースされたというイメージですが、Windows Azureが今後どのように機能拡張を図っていくのかということに注目されている方は多く、その延長線上でWindows Server 2012との連携がどうなっていくのかという関心も少なからずあるようです。

 ただ、クラウド連携にも様々なかたちがあるかと思います。弊社製品ではクラウドストレージを2次バックアップとして利用するというスタンスをとっており、この場合、オンプレミス環境のD2D(Drive to Drive)によるバックアップ構成を特に変更しなくとも、クラウドストレージの契約だけ行えば、D2D2C(to Cloud)の体制を構築可能です。そのため、分かりやすく、低コストで済むという点で、幅広い企業の方に興味を持っていただけているようです。

 また、クラウドとは直接関係はありませんが、Windows Server 2012に対しては、VDIの普及を牽引してくれるのではないかという期待も寄せています。弊社ではクライアント環境向けのバックアップ製品も展開していますが、主力と言いますか、より得意としているのはサーバ向け製品となります。その点、VDIではクライアントがサーバに集約されることになりますから、弊社が最も得意とするサーバのバックアップにおける技術やノウハウを活かしつつ、サーバと同様に重要性が高くなっているクライアント環境のデータ保護にも取り組んでいきたいと考えています。


●ありがとうございました。

図2 クラウドストレージのサポート
図2 クラウドストレージのサポート
出典:日本CA、2013年4月

取材協力

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