クラウドとのデータ連携は極力シンプルに

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掲載日 2013/06/11

ザ・キーマンインタビュー クラウドとのデータ連携は極力「シンプル」に

企業のITシステムにおけるクラウド利用が拡大する中で、オンプレミスとのハイブリッドクラウド環境においてはデータ連携が課題になると言われている。クラウドとオンプレミスの連携は、既存のシステム間連携と異なるのだろうか。また、どのような点に配慮しつつ、解決を図っていくべきなのか。

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セゾン情報システムズ:西川 信次 氏

取締役
西川 信次 氏

ファイル転送をベースに、オンプレミスとクラウドをシームレスに連携

Question

貴社では、企業内・企業間の様々なデータ連携を実現する製品を提供されていますが、クラウドの普及などにより、顧客企業が抱えているニーズにも変化が生じていると言えますでしょうか?

Answer

セゾン情報システムズ:西川 信次 氏

弊社では「HULFT」をはじめとするファイル転送ツールを展開しており、従来からオンプレミス上の様々なデータ連携の課題を抱えるお客様にご利用いただいています。「HULFT」はもともと汎用機による集中処理から分散処理へとIT環境が変化する中で、マルチベンダ環境におけるデータ連携の問題を解決すべく開発されたものです。つまり、OSやデータ形式、プロトコル、システム基盤の違いを超えて、企業内外に存在する様々なシステムをデータ連携させるソリューションであり、最近ではクラウドとの連携に用いたいというお客様も多くなっています。オンプレミス、プライベートクラウド、パブリッククラウドなどを自社にとって最適なパターンで組み合わせることで、様々なメリットが期待できる一方で、それぞれの環境に構築された各種業務アプリケーションで発生する大量データをいかに連携させるかという新たな課題に直面する企業が増えているのです。

 もちろん、クラウドサービス側でもファイル出力やAPIなどの連携手段は提供されていますが、実際問題としては、Web画面上でデータをダウンロードして、Excelなどに読み込んで加工した上で目的のシステムやデータベースに渡す、あるいはその逆にExcelでデータを用意してアップロードするというように、手作業での連携を行わなければならないというのが現状です。その一連の流れを自動化したい、なるべく人手をかけないで済むようにしたいというニーズが生じているわけです。

 また同様に、ビッグデータ活用のためにデータ連携を利用したいというお客様も出てきています。ERP アプリケーションサーバやデータベースサーバなどに格納されている基幹系のデータリソースなどをHadoopに連携させたいというものです。

Question

そうしたニーズに応えるべく、貴社ではどのような取り組みを行っているのでしょうか?

Answer

弊社が2011年5月にリリースしたデータ連携基盤製品「iDIVO」では、クラウド接続、データ転送、データ蓄積、データ加工、DBアクセス、管理といった各機能をカートリッジ化しており、必要に応じて段階的に導入することが可能になっています。この仕組みを活用し、2012年2月にはSalesforceに対応したクラウド接続アダプタをオプション機能として提供開始し、更に2012年7月にはAmazon Web Services、ニフティクラウドへも対応しています。また、2012年12月には「ビッグデータ連携 for Hadoop」も追加しました。

 「iDIVO」はジョブをコントロールするための仕組みを持っていますから、クラウド接続アダプタを追加するだけで、オンプレミスとクラウドサービスとのシームレスなデータ連携を実現できるというわけです。例えば、社内の基幹データをスケジューラでSalesforceへアップデートしたり、逆にSalesforceに入力したデータを抽出し、社内システムに連携させることが可能というわけです。更に、オンプレミス側ではなく、クラウド側に「iDIVO」を入れていただければ、クラウド上のアプリケーションを起動することなども可能ですから、より高度な自動化が実現できます。


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複雑化しがちなデータ連携をシンプルに運用するには?

Question

クラウドとのデータ連携を実現するためには、ほかにも様々な手段が考えられるかと思いますが、ファイル転送を用いるメリットはどのような点にあると言えますでしょうか?

Answer

セゾン情報システムズ:西川 信次 氏

特に弊社の製品を用いて既に社内システムなどのデータ連携を実現されているお客様であれば、新たにクラウドとの連携を行う際にも、既存のフローを変えることなく運用できるという利点はあるかと思います。また、ファイル転送を用いるメリットとしては、最も楽と言いますか、とかく複雑化しがちなデータ連携をシンプルに運用できるという点が挙げられます。統合運用基盤製品を導入する方法も有効ですが、コスト、つまり費用対効果を問題に感じる企業もあるかもしれません。また、クラウドサービス側で用意しているAPIなどを利用して、自前で連携の仕組みを構築することも考えられますが、開発コストがかかるのはもちろんのこと、いったんそうしたものを作り上げてしまうと、維持が大変だと感じることもあるでしょう。クラウドサービスやシステム環境は今後も変化していきますし、それらに追従しながら、連携の仕組みを維持していくという手間を考えれば、弊社が提供するようなファイル転送製品を使っていただいたほうが結果的に安く済む可能性は高いのではないでしょうか。

 いずれにしても、どういう業務アプリケーションをクラウド上で動かしていて、オンプレミスとクラウドとの間でどのようなレベルの連携が必要なのかを考えた上で判断すべきです。例えば、常に最新のデータを反映しておくことが求められるのであれば、多少のコストがかかったとしても、リアルタイムでのデータ連携が可能な仕組みを構築せざるをえないでしょうし、そうではなくて、一定のスケジュールに沿って、データをいったんクローズして1日に数回送る程度で十分だということであれば、ファイル転送が適していると思います。


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様々な方向性でデータ連携にイノベーションを起こしたい

Question

今後もデータ連携のニーズは更に増していくかと思いますが、貴社ではどのようなスタンスで事業展開を行っていくことになるのでしょうか?

Answer

セゾン情報システムズ:西川 信次 氏

クラウド普及、ビッグデータ活用といった流れはもちろんのこと、スマートデバイスの普及なども含めて、企業のIT環境は大きな変化を迎えつつありますが、弊社では常にそうした変化に追随しつつ、データ連携にイノベーションを起こす製品を提供し続けたいと考えています。前述のようにクラウドとの接続にもかなり早い時期から対応していますし、プライベートクラウド環境に設置することで、安全に大容量ファイルのアップロード/ダウンロードを行えるようにする、セキュアWebデータ連携ミドルウェア「HULFTクラウド」なども提供しています。同様に、インターネットを介して拠点間や取引先とのファイル交換を行えるようにするSaaS型データ連携サービスとして、「HULFTクラウドサービス」も展開済みです。

 そのほかの方向性としては、クラウドとオンプレミスとの連携を実現するためのSaaSの提供などもありえるでしょうが、こうした部分に関しては、弊社の製品を利用してデータ連携サービスを構築可能な仕組みを用意することで、クラウドサービス事業者様がSaaSとして提供できるような体制を整えていくのが最適ではないかと考えています。また、クラウドサービスどうしの連携も今後の課題になってくるでしょう。例えば、1つの企業でAmazon Web Servicesとニフティクラウドの両方を利用し、各々で別の業務システムを稼働させるといったケースでは、現状でもファイル転送を中継して行うことでデータ連携は可能です。しかし、将来的にはやはり、セキュリティやデータの保全性といった点を確保しつつ、クラウド間での直接的な連携も実現できるようにし、更にすべてのデータのやりとりを一元的に管理できるような仕組みを提供するのが理想的だと考えています。


●ありがとうございました。


取材協力

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通信ミドルウェア「HULFT」、人事・給与業務トータルアウトソーシングサービス「Bulas」などの提供に加えて、流通小売業、クレジットカードビジネスをはじめとする幅広い分野で顧客企業の情報システムの構築・運用に携わっている。


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