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掲載日 2013/04/09

ザ・キーマンインタビュー 最新バックアップは「原点回帰」が鍵

急速なクラウド利用の拡大、あるいはDRへの意識の高まりなどといった昨今の事情を受け、バックアップに対する企業のニーズも変化している。それらに対応すべくバックアック製品ベンダはどのような取り組みを進めているのか。バックアップが複雑化する中で押えておくべきポイントを探る。

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日本CA:中田 皓介 氏

データマネジメント事業部 営業統括部
プロダクトソリューション部 シニアコンサルタント
中田 皓介 氏

どんな環境でもデータを確実に「運んで」「保管する」

Question

バックアップに対する企業の意識はどのように変化しているととらえていますでしょうか?

Answer

日本CA:中田 皓介 氏

バックアップには様々な観点があり、いずれも以前から重視されていましたが、やはり、ここ数年でディザスタリカバリ(DR)というテーマが大きくなっていく中で、「ネットワークをどう越えていくか」が鍵になっています。抜本的な対策として、地理的に離れた場所にバックアップ先を自前で用意する場合、あるいは、従来のオンプレミス環境のバックアップ先としてクラウドサービスを利用する際にも、基本的にはネットワーク経由でデータを送ることになるでしょう。また、パブリッククラウドを利用する企業、社内システムをプライベートクラウド化している企業、あるいはハイブリッドクラウド環境を構築しつつある企業など、それぞれの企業でコストや様々な社内制約のバランスをとるかたちで、システムは非常に多様化しつつあります。そうした状況の中で、どんな環境に対しても、データを確実に「運んで」「保管する」という手段を提供することが、バックアップツールには求められていると感じています。

Question

DRへの取り組みに関しては、震災後には多くの企業で真剣に検討されたものの、その後、やや落ち着きつつあると言えますでしょうか?

Answer

弊社の売上傾向を分析すると、DR用途で使われるレプリケーション製品は震災直後にニーズが急速に高まったことは事実ですが、2012年度はそれを越える伸びを見せており、更に2013年度の導入に関しても既に多くの相談をいただいています。2011年度には、急いで構築したいという案件も多少ありましたが、大部分は情報集段階の企業が多く、それをもとに2012年度の予算を確保して実施するという流れになりました。ただ、それ以外のパターンとして、DR導入をいつ行うのかという単独の問題としてとらえるのではなく、企業システム全体を視野に入れて、例えば、サーバリプレースやクラウド移行に合わせて実施しようというお客様もいらっしゃいます。そのため、DR分野へのIT投資に関しては、今後数年間にわたって継続していくのではないでしょうか。もともと震災以前からソリューションとしては注目されていた分野であり、実際の売上傾向を見ても、のど元過ぎればということではなく、既に定着しつつあると感じています。

Question

クラウドの普及にともなって浮上してきた新たなニーズなどもありますでしょうか?

Answer

パブリッククラウドはもちろんのこと、既存の社内システムをプライベートクラウド化する際にも、データセンタのサービスを利用するケースが出てきており、資産を持たない企業が増えています。そうした状況の中で、実際に大手企業のお客様から、バックアップ製品に関しても買い切りではなく、月額課金などのサブスクリプションで提供できないかという声もいただいていました。ソリューションベンダとしては、そうしたニーズにも応えていく必要がありますから、先日発表した弊社のデータ保護ソリューション「CA ARCserve」の最新版(r16.5)では、年間サポートとメンテナンス込みのキャパシティベースのライセンスも用意しています。実は製品として発表させていただく以前から、同様のご要望をいただいたお客様には提供を進めており、着実に実績を積んでいる状況です。


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いざというときに「簡単に戻せる」ようにするために

Question

バックアップの対象としては、業務データはもちろんのこと、それ以外にも広がっているのではないでしょうか?

Answer

日本CA:中田 皓介 氏

DRにおいては、業務継続にはデータだけではなく、システム自体のバックアップも必要になりますから、以前からイメージバックアップ製品などが使われるようになっています。ただ、ここで重要なのが、業務データやシステムをバックアップして終わりでは意味がなく、いざというときに「簡単に戻せる」ようにすべきという意識が高まっていることです。弊社でも、ディスク・トゥ・ディスクのシステム保護ソリューション「CA ARCserve D2D」など、簡単にシステムイメージのバックアップとリストアが可能な製品を提供しており、多くのお客様に満足いただいていますが、それでもリカバリの部分でまだまだ苦労されているというお話を伺うことはあります。もちろん、機能としてきちんと動作しないということではなく、システムが故障した場合には部品交換や代替機の確保が必要なわけですが、そうした部分を想定していなかった、もしくは投資が確保できなかったという理由で、想定以上に時間がかかってしまうといったケースです。

 また、すぐに部品交換や代替機が調達できたとしても、リカバリの全工程にはそれなりの時間が必要になります。数時間であればまだしも、1日、2日かかってしまう可能性もあるかもしれません。その間は使えないわけですが、少しの時間でもシステムを止めたくないといった要求が高まっていることを反映し、イメージバックアップにレプリケーションやバックアップスタンバイなどのオプション機能を追加されるお客様が増えています。例えば、「CA ARCserve D2D」では異なるサーバへのベアメタル復旧を標準機能でサポートしていますから、「CA ARCserve Replication」と組み合わせて、自動で遠隔地の災害対策サイトへのレプリケーションを行い、本番サイトが復旧するまでの間は遠隔地でベアメタル復旧した暫定システムを稼働させることが可能です。同様に、仮想スタンバイを遠隔地に作成できるリモート バーチャル スタンバイ機能も利用できます。

Question

データの保管という部分においては、容量の大規模化なども新たな課題になっているのでしょうか?

Answer

大容量を扱うようになっているのは事実ですが、その一方で「長期保管」がバックアップ分野の重要なテーマになっていると考えます。例えば、公共工事を請け負う建築業の方からは、役所から過去に手がけた工事の図面や現場写真などを請求されたが、データが壊れていて大問題になったという話も伺います。あるいは、製造業でも設計図などを長期保管する必要があるでしょう。そうしたデータの長期保管をいかに確実にしていくかという点は、重要な要素になってくるのではないかと感じています。


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最新バックアップ製品で「原点回帰」に重きを置いた理由

Question

先ほど「CA ARCserve r16.5」のお話が出ましたが、今回のバージョンアップではどのようなテーマで取り組まれたのでしょうか?

Answer

日本CA:中田 皓介 氏

もちろん、様々な新機能も搭載したのですが、それ以上に「原点回帰」に重点を置いたものになっています。バックアップ製品においては、トレンドを追いかけて次々に新機能を追加していくことが多くなっており、もちろん、それも重要なのですが、それだけではなく、やはり普遍的に大事なものがあるという考えです。つまり、冒頭でも述べさせていただいたように、データをきちんと「運んで」「保管」し、更にスムーズに「戻せる」ということを、本当に当たり前に使える機能にしていこうということです。そこには、先ほどの「データの長期保管」も含まれるでしょう。「バックアップとして根本の部分にしっかり取り組み、そして、それをお客様にもきちんと伝えていこう」。これを今年度の弊社のテーマとして掲げているのです。

 例えば、「ARCserve Backup」では、クラウドサービスとの連携に対応しており、既に対応済みのMicrosoft Windows Azure、Amazon Web Services(S3)、富士通「グローバル・クラウド・プラットフォーム」に加えて、Cloudianを採用するニフティ「ニフティクラウドストレージ」、NTTコミュニケーションズ「Biz ホスティング・クラウド・エヌ Object Storage」など、多くのクラウドストレージサービスに対応しました。ただ、先ほどのような弊社のこだわりを反映し、直接クラウド上にバックアップを実施するのではなく、一旦ローカルでバックアップを行い、それを丸ごと、あるいはそこから一部を抜き出してクラウドへ送るというかたちをとっています。そうすることで、ネットワークの問題でバックアップが完了しないという事態も回避できますし、いざというときには、ローカルのバックアップが使えれば短時間で復旧可能で、損傷していたらクラウドから戻せるというわけです。「クラウドのほかに、ローカルにもバックアップをとらないといけないの?」と思われるお客様もいらっしゃるかもしれませんが、そこは逆にきちんと理由を挙げて、「お客様のために、1次バックアップはローカルにとるべきなんです」ということを伝えるようにしています。


●ありがとうございました。


取材協力

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メインフレームから分散、仮想化、クラウド環境まで、ハードウェアに依存することなく、複雑なIT環境を管理し、セキュアに保つことで、IT全体にわたって最適化するマネジメント/セキュリティ・ソリューションを展開している。


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