今こそ理解!HAクラスタリングソフトの実力

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製品の基礎から選び方までをサポート! IT導入完全ガイド

今こそ理解!HAクラスタリングソフトの実力

2013/06/17


 自然災害やテロなど予期せぬ事態によってITシステムがダウンすると、巨額な損失の発生や信用の失墜を招く恐れがあることから、企業としては即座にシステムを復旧させることが求められている。また、クラウド利用や仮想化の導入が進みシステム環境がより複雑化する中で、企業システムの高可用性ソリューションに対する関心も高まっており、今、「HAクラスタリングソフトウェア」市場に注目が集まり始めている。しかし一方で、「高可用性を実現する他製品との違いが分からない」「取り扱いに専門知識が必要で敷居が高い」などの声も聞こえ、まだ十分な製品理解がされていない状況も見て取れる。そこで今回の特集では、「HAクラスタリングソフトウェア」の基礎知識をおさらいするとともに、ユーザからよく挙げられる疑問とその解決法を紹介しながら、昨今のHAクラスタリングソフト事情を解説する。

HAクラスタリングソフト

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HAクラスタリングソフトとは?

  HAクラスタリングソフトの説明に入る前に、HAソリューションについて概観しておこう。HAとは「High Availability」の略で、日本語にすると「高可用性」という意味だ。つまり、コンピュータシステムが正常に稼働し続けることができる能力(稼働率が高いこと)を表すときに使う言葉である。
  HAというと、以前は金融機関系などのミッションクリティカルな分野の業務システムに限定された関心事であったが、あらゆる企業活動の中にコンピュータシステムが組み込まれるようになった今、一般企業の間でもHAは重要なテーマとして注目され始めている。なぜなら、一般企業においても、コンピュータシステムが故障などで止まった場合、以下のようなリスクが発生するようになってきたからである。

会社の事業そのものが停止してしまう。

その結果、損益・利益率が悪化する。

そして、ブランドイメージの低下を引き起こす。

 そこで、コンピュータベンダ各社では、いろいろな形でシステムの稼働率を高めるためのHAソリューション(表1参照)を提供しており、その中の1つが「HAクラスタリングソフト」という位置づけになっている。

表1 主なHAソリューション
表1 主なHAソリューション

 HAクラスタリングソフトはHAソリューションの中核をなすツールの1つであり、予備のサーバを設置し、稼働中のサーバに障害が生じた場合にサーバの自動切替を行うことで、復旧時間の短縮を可能にするソフトウェアだ。一定間隔で稼働中のサーバを監視し、反応が無くなればシステムダウンとみなし、システム管理者が介入することなく、予備のサーバへの切り替え(この動作を「フェイルオーバ」という)を行う。そして、アプリケーションは予備のサーバで再起動される。その結果、ユーザはサービスへのアクセスを継続して行うことができ、サービスが予備のサーバから提供されるようになったことにほとんど気付かない。

■導入メリット

 ここで、HAクラスタリングソフトの導入メリットを以下に列挙してみよう。

ビジネスの継続性を実現

 システムの可用性が向上することで、業務や取引が中断するリスクを小さくすることができる。

障害が発生しても迅速な復旧が可能

 待機系サーバへのサービス引継ぎにより、ダウンタイムを大幅に短縮できる。また、メンテナンスのための計画停止時間も削減または解消することができる。

システムの運用コスト削減に役立つ

 システムの障害対策を自動化することができるので、運用管理の手間も大幅に削減できる。

災害対策に役立つ

 遠隔地にあるサーバでクラスタシステムを構築することで、被災地から離れた場所で業務を継続することができる。

■目的や用途の違いで構成は多種多様…“2つ”の基本的なシステム構成をおさえよう!

  HAクラスタリングソフトの場合、目的や用途の違いにより、実にさまざまなシステム構成を取ることができるが、まず、最も基本的な2つのシステム構成を図1に紹介しよう。
 図の左側は外部ストレージを共有ディスクとして用いる一般的なHAクラスタリング構成である。図の右側は外部ストレージを使わずに安価にクラスタシステムを構成するスタイル。サーバ毎に接続されているローカルディスクをレプリケーションすることで、ミラーボリュームを作成する。この場合、遠隔地へのフェイルオーバも可能となる。
 なお、クラスタリングを構成するサーバには2つ以上のネットワーク・インターフェース・カードが必要になる。1つはパブリック・ネットワーク用、もう1つはプライベートネットワーク用で、プライベートネットワークは、インターコネクトと呼ばれている。インターコネクトネットワークは、クラスタ内のサーバのみがアクセスできる。

図1 HAクラスタリングの基本構成例
図1 HAクラスタリングの基本構成例
資料提供:サイオステクノロジー

 また、サーバが実行しているサービスの引継ぎ方法にもいろいろなパターンがあり、その代表例を図2に示す。スタンバイ方式は、稼働系が稼働できなくなった際、待機系サーバにてサービスの引き継ぎを実行する。相互スタンバイ方式は、2台のサーバでそれぞれ違うサービスを実行。通常、待機系の利用率を上げるため、アクティブ/アクティブ(相互スタンバイ)の構成を組むことが可能だ。N対1スタンバイ方式は、N台のサーバでそれぞれサービスを実行。障害が起きた場合、待機系のサーバによるサービス引き継ぎを実行する。アクティブ/アクティブ(相互スタンバイ)とN対1を組み合わせたN対Nも構成可能だ。

図2 サービスの引継ぎパターン
図2 サービスの引継ぎパターン
資料提供:サイオステクノロジー
■わずか“1分”前後でフェイルオーバも!HAクラスタリングソフトの主な機能とは?

 次に、HAクラスタリングソフトが搭載している主な機能を紹介しよう。

フェイルオーバ機能

 HAクラスタリングソフトは、障害を検出した場合、図3に示すように稼働系から待機系へすべての動作を短時間で切り替えることができる。また、検出した異常を“障害”と断定するまでの内部リトライ回数およびタイムアウト時間を調整することにより、わずか“1分”前後でフェイルオーバさせることも可能だ。

図3 フェイルオーバ機能の例
図3 フェイルオーバ機能の例
資料提供:日本電気
障害監視機能

  HAクラスタリングソフトでは、フェイルオーバが迅速に働くようにするために、常にサーバの稼働状態をチェックする障害監視機能(図4)が搭載されている。この機能では、ハードウェア障害、OS障害、アプリケーション障害など、広範囲の障害を監視することが可能で、稼働系だけでなく待機系も常に監視を行うことができる製品もあり、フェイルオーバの失敗を予防できる。
 例えば、次のような項目をチェックできる。

サーバのシャットダウン/電源ダウン

OSの障害(ディスクI/Oのハングアップなど)

アプリケーションあるいはサービスの停止・ハングアップ

NICやパブリックLANの異常検出

図4 障害監視機能の例
図4 障害監視機能の例
(1)サーバのシャットダウン/電源ダウン
(2)OSのパニック
(3)OSの部分的な障害(ディスクI/Oのハングアップ)
(4)アプリケーションあるいはサービスの停止
(5)サービスのハングアップ
(6)NICやパブリックLANの異常検出
(7)CLUSTERPRO Xサーバモジュール自体の異常
(8)カスタム監視によるアプリケーションの監視
資料提供:日本電気
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システム障害の誤判断で“切り替え失敗”の悲劇…!どう回避する!?

【本当にあった悲劇 〜その1〜】 アプリケーションの操作ができなくなる障害が発生したが、フェイルオーバがされなかった!
 「マウスやキーボードが認識されない」といったOSの部分的な障害が発生したが、OS自体は正常に稼動し、死活監視のハートビートパケットも届いていたのでフェイルオーバされなかった。また、アプリケーションあるいはサービスの「プロセスは残っているが、正常に動いていない」といったケースでも障害と判断できず、フェイルオーバされず、データが喪失した。

【事前対策】 特定のアプリケーション障害を検出するためのオプションを導入しよう!
 HAクラスタリングソフトは万能な機能がそろっている製品ではなく、システムが認識する障害と、人間が認識する障害との間にはズレがある。そこで、HAクラスタリングソフトの中には、このズレを解消するために特定アプリケーションの障害検出が可能なオプションを提供している製品がある。この監視オプションを使用すれば、上記のようなケースもフェイルオーバが可能になる。つまり、監視オプション(エージェント)が特定アプリケーションの状態を定期的に監視し、異常応答・ハングアップを検出してくれる。また、運用管理ソフトからHAクラスタリングソフトのフェイルオーバ開始コマンドをキックして、任意のエラー発生時にフェイルオーバさせることも可能だ。


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