トレンド予測で異業種ビジネスマッチングを

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掲載日 2013/02/20

ザ・キーマンインタビュー トレンド予測で“異業種のビジネスマッチング”を生み出す

ビッグデータでよく例に挙がるのが「ソーシャルデータの活用・分析」だ。手軽に導入可能なクラウド系サービスも登場しているが、どのように活用すれば、自社のビジネスにメリットをもたらすことができるのだろうか。そこで、今年2月に「ソーシャルデータ活用・分析サービス」を発表したばかりの、日立システムズの藤木孝紀氏と宗晃生氏にお話を伺った。

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株式会社日立システムズ:藤木 孝紀 氏、宗 晃生 氏

スマートビジネス推進プロジェクト
副本部長
藤木 孝紀 氏

スマートビジネス推進プロジェクト
第一営業部 担当部長
宗 晃生 氏

異なる企業どうしのデータのブレンドによって生じる新たな付加価値

Question

ソーシャルデータ活用・分析に関して、貴社から一連の発表がありましたが、どのような経緯で取り組みを始められたものなのでしょうか?

Answer

株式会社日立システムズ:藤木 孝紀 氏

【藤木】 ビッグデータへの関心が高まっており、また、企業内にはまだ活用されていないデータがあるともよく言われますが、その中でも「単独ではなかなか活かし切れないデータ」があるということが発端となっています。つまり、弊社では中堅・中小規模の企業を中心に、幅広い業種の顧客に対して業務システムやITインフラなどを提供していますが、各企業が蓄積したデータには、他のデータと組み合わせることで更なる付加価値を生むものがあるという点に着目したわけです。そこでまずは、企業間のデータ流通・相互活用を活性化するための基盤として「Smart Business Gateway」を開発しました。これは、顧客やビジネスパートナーが持っているデータを、高セキュリティな弊社データセンタで安全に保管した上で、データ正規化、匿名化、フォーマット変換といった独自のデータブレンド技術を活用し、データの相互活用や、新サービスの創出、ビジネスマッチングを支援するというものです。

 その具体的なサービス化を模索する中で、特に食品業界などでは「世の中の動きをタイムリーに反映することを目的とした情報収集・分析」といったニーズが非常に高いため、ソーシャルデータなども取り込んで、うまく活用していく必要があると判断しました。そこで、まず最初の取り組みとして、2012年12月にはTwitterやブログなどのソーシャルメディア分析技術を有するホットリンクとの協業を発表し、更に2013年2月14日には、食品業界に対してクラウド型販売促進情報プラットフォームの提供を手がけるインフォライズとも協業した上で、「ソーシャルデータ活用・分析サービス」を発表させていただいたわけです。

 【宗】 弊社では約50年間にわたって事業を行っており、その実績として、現在では全国の2万5000社の顧客企業に対してサービスを提供しています。その業種は多岐にわたりますから、徐々にサービスの幅も広げていくつもりです。その中でも食品業界を最初の取り組み対象として選んだのは、メーカーから卸企業、小売、更には外食、中食といったかたちで、「食」というキーワードを通じて、きっちりとしたサプライチェーンが成り立っているからです。しかも、素材や商品、あるいは外食メニューなども含めて、アイテム数が非常に多い上、非常に流行に敏感な世界ゆえに商品の開発サイクルも非常に短くなっています。そういう環境には情報の流通にも大きなニーズがあると言えるでしょう。

 そうした判断のもとで、昨年夏あたりから多数の食品業界のお客様にご協力をいただき、ヒアリングなどを実施し、その意見やニーズを反映しつつ開発したのが、「ソーシャルデータ活用・分析サービス」というわけです。ただ、実際のサービスとしてのかたちが出来上がってくるにつれ、食品業界に従事する方々に限らず、ヘルスケアや医療、あるいはスポーツなど、様々な業界のお客様に使っていただけるものになったと感じています。


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「何にでも使えます」ではなく、業務の切り口でサービスを構築

Question

今回のサービスを構築するにあたり、まずホットリンクとの協業を選択されたのには何か理由がありますでしょうか?

Answer

株式会社日立システムズ:宗 晃生 氏

【宗】 ソーシャルデータをビジネスに活用する流れはできつつあるものの、クローリングして勝手に収集したデータを使うという手法は通用しない時代になりつつあるのではないでしょうか。是か非かはともかく、いずれにせよ、弊社としては顧客に対してビジネスを展開するにあたっては、グレーゾーンですらもしっかりと排除しておく必要があります。その点、ホットリンクでは「Twitter」や「2ちゃんねる」のデータを公式に取得されており、データの出所がはっきりしています。また、弊社としては、この「ソーシャルデータ活用・分析サービス」をはじめとする各種サービスを、将来的にはグローバルで展開していきたいと考えており、Twitterについては多言語対応されているという点も、ホットリンクとの協業を決断する大きな決め手となりました。

Question

そのほかに、特に工夫された点などはありますでしょうか?

Answer

【宗】 ソーシャルデータを活用するためのサービス、いわゆる、ソーシャルリスニングツールは既に多く登場していますが、弊社ではあまりそれらを意識せずに、業務の切り口でどのような情報が必要か、どういう業務課題に活用できるかということを念頭に置きつつ、機能や操作性を考えていきました。ともすると、こういったツールは「何にでも使えます」という漠然としたものになりがちなのですが、それではお客様は「何に使えばいいのか?」という段階からなかなか抜け出せないと思います。そこで、機能を「気になるワード検索」「おすすめワードランキング」「フリーワード検索」の3つに絞った上で、それぞれの活用シーンについてもご説明させていただくようにしています。商品企画・開発、販売促進、マーケティング・広報、あるいはサポートなど、それぞれの業務の切り口で、どのように使えばよいかという、いくつかのパターンを用意して具体的に紹介するとともに、価格に関しても、1ユーザあたり月額10万5000円(税込)に設定し、全社や事業部単位での導入だけではなく、業務ごとに気軽に使っていただけるようにしました。

 また、発言に影響力のあるTwitterユーザやアルファブロガーなど、いわゆるインフルエンサーの情報活用に関しても特長を持たせています。ソーシャルデータにおいては、情報が拡散していくという過程の中で、どうしても、信憑性が低い情報、あるいはまったく無関係な情報なども入り込んできます。母数が膨大というメリットはあるものの、逆にそれがデメリットにもなってしまうのです。そこでインフルエンサーが発信した情報のみに限定するなど、いわばインフルエンサーをフィルタとして用いることで、大量のソーシャルデータの中から必要なデータだけを抜粋し、内容の精度を高められるようにしました。その上で、関連するカテゴリ情報やマスタデータと組み合わせ、効率的にデータを分析できるような仕組みになっています。

図1 ソーシャルデータ活用・分析サービスの操作画面
図1 ソーシャルデータ活用・分析サービスの操作画面
出典:日立システムズ、2013年2月

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異業種の企業どうしを様々な切り口でマッチングしていきたい

Question

今回のサービスを皮切りに、今後は様々な展開を考えられているということですが、具体的にはどのような展望をお持ちでしょうか?

Answer

株式会社日立システムズ:藤木 孝紀 氏、宗 晃生 氏

【藤木】 「ソーシャルデータ活用・分析サービス」に関しては、「Smart Business Gateway」を活用し、企業とソーシャルデータをつなぐということを実現していますが、サービスとしては1企業を対象としたものになっています。ただ、もともとは顧客企業どうしをつなげたいという発想から始まったものですから、やはり今後は、異業種の企業どうしを様々な切り口でマッチングして、顧客企業間でデータをうまく使えるような方向性を広げていきたいと考えています。例えば、20代の女性消費者であれば、美容やファッションにも興味があり、旅行も好きという方が多いと言えるかもしれません。つまり、異業種で共通のお客様を抱えているという状況があるわけですから、相互にうまくCRMを展開できるような仕組みを構築するというようなかたちです。

 【宗】 異業種間のビジネスマッチングというのは、結構意外な組み合わせもあると考えています。例えば、「Smart Business Gateway」の活用ケースとして、「いかなご」「竹かご」「ビール」で共同企画をマッチングするという例を挙げているのですが、これも実は「ソーシャルデータ活用・分析サービス」を使って、実際に出てきた組み合わせです。つまり、「敬老の日」というキーワードで分析すると、そのつぶやきやブログの中では「いかなご」「竹かご」という言葉が一緒に使われていることが多いという結果が出てきたわけです。「ソーシャルデータ活用・分析サービス」では、その組み合わせが実際に使われている文章も簡単に呼び出せるようになっていますので、それらを見ていくと、敬老の日のプレゼントとして、竹かごにお年寄りの好きな食材を入れて贈るのがブームになっていることが分かります。ですから、例えば、ビール会社で販売促進を目的に「ソーシャルデータ活用・分析サービス」をご利用いただければ、「いかなご」「竹かご」メーカーとの共同企画につながりますよという例を示したわけです。こうした企画的なマッチングを第1のステップとしつつ、今後は藤木からもお話しさせていただいたように、本格的に異業種どうしのアライアンスを促進するというステップへと進むことを目指しています。


●ありがとうございました。


取材協力

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日立グループの情報・通信システム事業における中核企業であり、幅広い規模・業種にわたる業務システムの構築と、データセンタやコンタクトセンタ、ネットワークなどの多彩なITインフラを生かしたシステム運用・監視・保守が強み。システムの構築から、導入、運用・保守まで、ITライフサイクルの全領域をカバーしたワンストップサービスを提供している。


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