クラウド利用者の安心のためになすべきこと

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掲載日 2013/03/26

ザ・キーマンインタビュー クラウド利用者の安心のために事業者がなすべきこと

MM総研が実施した「第1回 ビジネスクラウド総合評価調査」では、NTTコミュニケーションズの「Bizホスティング」が全体を通しての最高得点を獲得するとともに、「基本機能」「サービス実装」「ネットワーク」「信頼性」「運用サポート」という5分野での最高評価も獲得した。NTTコミュニケーションズではクラウド事業に対して、どのような方針のもとで取り組みを行ってきたのか。そして、今後のクラウド利用拡大に向けた新たな展開とは?

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NTTコミュニケーションズ:大住 泰三 氏(左)、和泉 雅彦 氏(右)

クラウドサービス部
ホスティング&プラットフォームサービス部門
担当部長  和泉 雅彦 氏

クラウドサービス部
ホスティング&プラットフォームサービス部門
担当課長  大住 泰三 氏

キャリアとして“当然こうあるべき”という世界を実現してきた

Question

先日、「第1回 ビジネスクラウド総合評価調査」の結果が発表され、貴社の「Bizホスティング」が全体を通しての最高得点を獲得しましたが、その結果について、貴社ではどのように受け止めていますでしょうか?

Answer

NTTコミュニケーションズ:和泉 雅彦 氏

【和泉】 弊社では法人市場におけるICTシステムのクラウド化ニーズに応えるべく、2011年10月に新たなサービスビジョン「グローバルクラウドビジョン」を策定し、エンタープライズ向けの「Bizホスティング Enterprise Cloud」、パブリッククラウド「Bizホスティング Cloudn(クラウド・エヌ)」などをリリースしてきました。その中で取り組んできたのは、通信事業者としての強みを活かしたクラウドサービスを提供するということです。グローバルTier 1プロバイダだからこそ実現できる高品質なバックボーンや多彩なネットワークサービスとの組み合わせ、世界145拠点に広がるデータセンタ基盤や運用サポートの品質など、長年にわたりキャリアとして培ってきたインフラとしての総合力が評価につながったのではないでしょうか。また、とかく不安になりがちなクラウド利用へとお客様が安心して踏み出していただけるよう、高いSLA(99.99%)を実現するとともに、サイバー攻撃のリスクに対する豊富なセキュリティオプションの提供やセキュリティマネジメントを含めた24時間365日の充実したサポートなど、信頼性という面でもキャリアとしては“当然こうあるべき”という世界を実現してきたという自負はあります。

 その上で、SDN(Software Defined Networking)への対応など、新しい技術にも積極的に取り組んできた点も評価されたと感じています。実際、「Bizホスティング Enterprise Cloud」ではネットワーク仮想化技術を活用することで、サーバだけでなくネットワークリソースまで含めたセルフマネジメントを実現しました。お客様自身がカスタマポータル画面から簡単に、リソースの変更・確保といったシステム構成の管理、ファイアウォールやロードバランサなどのオンデマンドな変更が実行可能です。更に、グローバルに展開するデータセンタ上のリソースを1つのインターフェースでコントロールできます。全世界のシステム構築・運用に関わる作業を網羅的に柔軟かつ迅速に行えるというわけです。こうした部分も多くのお客様に受け入れられています。

 【大住】 また、コンピューティングリソースの提供形態についても、VM単位ではなく、CPUやメモリ、ストレージといったICTリソースそのものを提供し、しかも、CPUであれば1GHzごと、メモリは1GBごと、ストレージも50GBごとと分単位での従量課金での利用が可能です。更に、ファイアウォールやロードバランサ、インターネット接続に関しても、必要な帯域(リソース)をお選びいただけます。必要なリソースだけを契約していただき、そのICTリソース上でお客様が自由にVMを作成できるというかたちにすることで、コストを徹底的に削減できるというユーザメリットを実現しています。

 もともと弊社では、法人向けのICT基盤に関するアウトソース事業に長年取り組んできました。そこから仮想化技術を活用したクラウドサービスへと移行する際には、今まで作り上げてきた従来のシステムマネジメント、セキュリティなどに関する豊富なメニューも提供し続けたいという思いがありました。そういった背景から、弊社のクラウドサービスは、法人のお客様の多彩なニーズに応えられる様々なオプションメニューを提供しています。そこから自社に必要なものだけを選択して利用いただけるという点で、本当に実用的な法人向けサービスに仕上がっていると言えるのではないかと思います。

図1 仮想ネットワーク技術の活用
図1 仮想ネットワーク技術の活用
出典:NTTコミュニケーションズ、2013年3月

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低価格でデベロッパセントリックなパブリッククラウドも展開

Question

クラウドコンピューティングの利用が広まる中、ユーザ企業はクラウド事業者に対して、どのような要件を求めていると考えますか?

Answer

【和泉】 当初は、「クラウドでどれくらい安くなるの?」とか「システム投資の変動費化による経営改善」といった、いわゆるTCO削減の観点が多かったのですが、昨今は、クラウドを利用することでビジネスのリードタイムを短縮したい、経営のスピードアップにつなげたいという意識が強いのではないでしょうか。特に、海外へ進出される企業などでは、オフィス立ち上げやM&A企業とのシステム統合などの準備に何ヵ月もかかるようではビジネスの商機を逃してしまいます。そのため、クラウドをうまく使って、必要なシステム構築や拡張をスピーディかつ柔軟に行えるようにしたいというご相談をいただくことが多くなっています。あるいは、セキュリティガバナンスという観点で、現地のシステムリソースなども国内本社から一元管理・制御したいと考える企業も増えています。

 このようなニーズに対応すべく、弊社では既にサービス提供中の日本、香港、米国、シンガポール、英国に加えて、更にマレーシア、オーストラリア、タイと、2012年度中に世界8ヵ国・9拠点にクラウド基盤を展開します。グローバルで均質なクラウドサービスをシームレスに提供することで、企業の海外進出を強力にサポートしていきます。また、最近では、特に東日本大震災以降は、BCP対策やデータの保全性を重視されるお客様も多いですが、弊社クラウドは、BCPの観点でも活用できます。グローバルのデータセンタ間で重要なデータをバックアップするサービス「グローバルデータバックアップ」をオプションで利用することができ、データセンタ間のネットワーク帯域をお客様自身で必要な時に変更することで、効率的なBCPが実現できます。

 更に今後、ニーズとして盛り上がってくるのは、クラウドという「ITの知見」を、いかに経営戦略に結びつけられるかということではないでしょうか。ビッグデータ活用という言葉が巷を賑わしていますが、弊社でも今後は、Hadoopを利用したデータ解析基盤の提供や、クラスタ構成にも対応できるようなDB基盤の整備など、より企業の高度なアウトソーシングの要望に応えていくメニューを追加予定です。

図2 グローバルデータバックアップ
図2 グローバルデータバックアップ
出典:NTTコミュニケーションズ、2013年3月

Question

そうした、いわゆる法人向けと言いますか、一定規模以上の企業が抱えるニーズを確実に押さえつつも、それだけではなく、少し毛色の異なるパブリッククラウド「Bizホスティング Cloudn」なども提供しているのは、どのような狙いからなのでしょうか?

Answer

NTTコミュニケーションズ:大住 泰三 氏

【大住】 「Bizホスティング Cloudn」の場合は、先ほど説明した企業のICTアウトソース基盤としてのプライベートクラウドではなく、アマゾン互換も含めた豊富なAPIを備えた、デベロッパセントリックなパブリッククラウドです。低価格かつシンプルな料金体系で提供することで、ネットビジネス向けのインターネットサーバや開発環境としての利用に最適で、日・米からデータロケーションを選択できます。ラインアップを揃えることで、弊社がこれまで主な対象としていたお客様にとどまらず、顧客の幅や裾野をより広げてあらゆるお客様のご要望にお応えしていきたいという目的のもとで取り組んでいます。

 今後は、この2つのクラウドサービスを、パートナーやSIer向けのインフラ基盤として提供するビジネスも積極的に展開します。いわゆるホワイトラベルの提供です。使い勝手のいいポータルを含めたクラウド基盤をOEM提供し、その事業者の持っているアプリケーションや運用サービスと組み合わせ、より高い付加価値を実現できればと考えています。こういった活動を通じて、最終的にはクラウド市場全体を盛り上げていくことができればよいのではないかと思います。


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クラウドをどう選ぶべきかを企業が真剣に考えるきっかけに

Question

今回、こうした第三者の国内調査機関による評価調査が実施されたことに関しては、今後、クラウドサービスを普及させていく中で、どのような意味があるとお考えでしょうか?

Answer

NTTコミュニケーションズ:和泉 雅彦 氏、大住 泰三 氏

【和泉】 今後、ビジネス領域におけるクラウド利用が本格化する中で、どの事業者がどれだけ優れているかにとどまらず、これからクラウドサービスの導入・検討に着手するお客様が、どんな基準で、どのようなチェックポイントをもって選ぶべきかということを真剣に考えるきっかけになると期待しています。現状のお客様ICT環境に関しても、オンプレミスだけではなく、ホスティング/コロケーションなど多様な組み合わせでハイブリッドに利用されているケースも少なくないでしょうし、それらすべてをまとめてクラウドサービスへ移行できるわけではないでしょうから、どの部分を既存のまま継続させて、どの部分をクラウドサービスへと切り替えるかといった、非常に複雑な選択・検討が企業側には求められます。その上、クラウドサービス事業者側も、われわれのような通信事業者系だけではなく、データセンタ事業者、ネットサービス事業者、あるいはITハードウェア/ソフトウェアベンダ、SIerなども含めて、多種多様になってきており、それぞれに異なる特色を持っています。

 このように非常に幅広い選択肢が存在する状況の中で、クラウドサービスがより多くの企業へ広がっていくためには、やはりこうした第三者評価機関による指標が、ますます重要な役割を果たすに違いありません。「真のエンタープライズ用途」に適したクラウドサービスを見極める上で、そうした指標を参考にしつつ、何を基準にクラウドを選ぶべきか、ユーザがしっかりと自主的に絞り込んでいくことで、いわゆるベンダロックインの回避などにもつながるでしょう。また、事業者側では結果に一喜一憂するだけではなく、評価の中で得られたフィードバックを真摯に受け止め、常にサービスの改善に取り組むべきだと言えます。このようなサイクルが回っていくことで、総合的に見れば、ユーザ側にも、事業者側にも、相互にメリットがあるのではないかと思います。そういった意味でも、評価調査は1回限りで終わりではなく、常に定点観測的に、継続的に実施していただくことが大事ではないでしょうか。クラウド普及のスピード感も高まっていますから、できれば、半年に1回程度は実施していただけるとありがたいですね。


●ありがとうございました。


取材協力

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1999年にNTT(日本電信電話株式会社)の分社化により誕生した電気通信事業者。日本国内のみならず、世界中の顧客を対象に、多彩な音声・データ通信、IPサービスなどを提供している。


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