コスト削減?クラウドを選んだ真の理由とは

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掲載日 2013/02/26

ザ・キーマンインタビュー コスト削減効果は未知数…それでもクラウド型を選んだ理由とは?

国内に9院、海外に1院を展開する聖心美容外科では、各拠点にコールセンタを設置し、独自CRMと連携を図っていたが、システム老朽化にともなうリプレース検討の結果、クラウド型コールセンタシステムへの移行を決断した。なぜ、クラウド型を選んだのか。また、導入に障壁はなかったのか。同院の情報システムを担当する株式会社メディクルードの齋藤智一氏にお話を伺った。

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株式会社メディクルード:齋藤 智一 氏

運営支援部 情報システム マネージャー
齋藤 智一 氏

クラウド移行は特に意識していなかったが、結果的に最適だと判断

Question

今回、聖心美容外科グループの情報システム担当として、同社拠点(クリニック)に属するコールセンタのクラウド化を推進したということですが、どういったきっかけによるものなのでしょうか?

Answer

株式会社メディクルード:齋藤 智一 氏

実は特にクラウド移行を考えていたわけではなく、むしろ、既存CTIシステムの入れ替えが必要な時期が近づいており、その対策を検討していたところ、結果的に最適だと判断したのがクラウド型コールセンタシステムである「BIZTEL コールセンター」だったということになります。従来のコールセンタシステムでは、カスタマイズしたUnPBXを各拠点に配置し、自社で独自に構築したCRMとの連携を行っていました。第一の目的としては、老朽化していたCTIのリプレースでしたから、既存システムと同じ機能を継承できれば、システム形態は何でもいいと考えていたのです。要件としては、電話の発信元を識別した上で最寄りのクリニックへ転送する機能、着信番号の振り分けによる広告効果測定、そして独自CRMとの連携ですが、これがなかなか難しく、いくつかのCTIベンダに提案してもらったものの、一部の機能を妥協しなければいけなかったり、コストが高くついたりと、すべての要件を満たすものが見つからなかったのです。

Question

たしかに、そのあたりは「クラウド型の導入で解決しよう」と帰結する課題ではありませんよね?

Answer

そうです。ただ、聖心美容外科グループではISO9001認証取得にともなうサービス品質の維持、あるいは拠点間テレビ会議システムの構築といったことを目的に、既にVPNで各拠点を結んでおり、帯域にも十分な余裕がありました。そのVPNとクラウド型コールセンタシステムを組み合わせることでインフラ部分のコストが抑えられ、しかも、クラウドサービスでありながら、弊社独自の要件もカスタマイズで対応可能で、その部分の追加コストも最小限で済むというお話をいただいたので、トータルで考えて「それならば」と決断したわけです。

Question

クラウド利用に関する懸念などは特になかったのでしょうか?

Answer

実は「BIZTEL コールセンター」はあまりクラウドだということを意識させないサービスだと感じています。もちろん、データセンタに設置されたサーバを利用していますし、各拠点から見れば、まさしくクラウドだというかたちにはなっているとは思います。ただ、各拠点とデータセンタを結ぶ回線にVPNを利用できたため、通話の機密性や品質といった面での不安もほとんど生じていません。こうした部分も含めて、事前に想定していたクラウドのイメージとは異なるところが、逆に弊社にとっては功を奏しており、だからこそ、すんなり受け入れられたと言えるかもしれません。

Question

では、あまりクラウドゆえのメリットというものは感じていないということでしょうか?

Answer

いえ、そういうわけではなく、クラウドの恩恵にも十分に預かっています。例えば、全拠点を一元管理可能で、更にどこかの拠点で障害が生じた際にも、迅速に対応したり、一時的に別の拠点へ機能を移すといったことが容易に実現できるようになりました。もちろん、以前のようにUnPBXをハードウェアとして持っているがゆえの、運用管理や定期的なリプレースに関しても、もう気にしなくて済むだろうと思います。また、昨年10月には新たに大宮院がオープンしたのですが、拠点を新設・移転する際にも、最小限のコストや手間で容易に拡張できるというのは、やはり大きなメリットです。実はそういったクラウドのメリットを実感することで、自社で独自に構築していたCRMに関しても、結局のところ、CTIのあとを追うかたちでクラウドサービスの利用へと移行することになりました。


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コールセンタは患者様との一番の接点だと、現場も経営者も認識

Question

先ほど通話品質や可用性に関しても問題はないという話がありましたが、移行する際に、こういったところはやはり妥協できないという部分だったのでしょうか?

Answer

株式会社メディクルード:齋藤 智一 氏

通話品質に関しては、美容外科の場合は特に重要だと考えています。一般の病院でも同様でしょうが、美容外科の場合は、何らかのコンプレックスを抱えていらっしゃる方から相談が寄せられることも多いわけで、かなりデリケートな内容になることも少なくありませんから、聞き取りづらくて何度も聞きなおすというのは失礼ですし、何より行き違いが生じてしまうと大きな問題につながる可能性もあります。

 また、可用性に関しては、新しいお客様からの問い合わせが受けられないと機会損失につながるということもありますが、それにもまして、既存のお客様からの連絡を確実に受けるという意味合いが大きいと言えます。何らかの緊急事態がその方に発生していることもありえるわけですから、そのときに電話がつながらないと意味がないでしょう。

 もちろん、多くの場合はオペレータが対応しますので、医療行為に属するやりとりなどはできないのですが、それでも、コールセンタというものは患者様との一番の接点とも言えるわけですから、重要性は非常に高いと考えています。聖心美容外科では「高品質美容医療を通して、患者様の“より良く生きる”(Quality of Life=QoL)を応援する」ということを理念として掲げていますから、どんなときにでも確実に相談や悩みをお伝えいただけるCTI環境を作り上げるとともに、お客様が安心して快適にご利用いただけるよう、過去の対応履歴データなどもきちんとCRMとして活用し、QoLをサポートしていくことが大事だと思います。

Question

そういう意味では、コールセンタに対する聖心美容外科の経営陣の理解も高かったと言えるのでしょうが、一方で、クラウド利用に対する意識はどうだったのでしょうか?

Answer

システムを購入して減価償却し、また買い換えるという形式ではなく、サービスとして利用し、月額料金を支払うということに関しては、むしろコストが明瞭に把握できるという反応を得ています。

Question

クラウド利用ということで、コスト削減の期待もあったのでしょうか?

Answer

たしかに、ハードウェアを購入しなくて済むという点で、ある程度のコストダウンを見込めるのではないかという意見もありましたが、導入前に実際に計算してみたところ、さほど変わらないという結果が出ています。ただ、今回の目的はコスト削減ではありませんから、特に導入の障壁とはなりませんでした。また、そのコスト比較は導入後3年間のスパンのみで算出したものですし、それ以上の期間にわたって使い続ければ、また評価が違ってくる可能性は高いでしょう。


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サービス提供者側のカジュアルな対応があってこそ、クラウドの柔軟性が発揮される

Question

クラウドサービスでありながら、貴社の要件をカスタマイズ対応可能だったというお話がありましたが、ここは非常に重要なポイントだったわけですよね?

Answer

株式会社メディクルード:齋藤 智一 氏

このあたりは今回のサービス提供元であるリンクさんならではと言えるのかもしれませんが、サービスに関しても、システム面についても、「カジュアルに対応をしてくれる」いった感じの印象を受けました。当初から要件に挙げていた機能の対応はもちろんのこと、そのほかにも導入・利用を進めているうちにいくつか要望を出したのですが、各々を丁寧に検討していただきました。こうしたやりとりがなければ、弊社に関してはクラウドサービスへの移行を途中で断念していたかもしれません。

 ただ、こうした柔軟な対応は決して「クラウドらしくない」部分ではないと思います。要望の大半はほかのユーザの方にも有用だという判断をして採用していただいたものですし、そうではない弊社独自の要件に関しても、いずれは何らかのかたちで全体的なサービス向上や底上げに活きてくるだろうという考えで対応いただいたのだと思います。事業者にこうした、ユーザの声に耳を傾け、常にサービスを向上していこう姿勢があってこそ、クラウドサービスの特長の1つである「サービスが常に最新に保たれる」という利点が発揮され、われわれユーザも安心して利用できるのではないでしょうか。


●ありがとうございました。


取材協力

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国内に9院、海外に1院を展開する「聖心美容外科」をはじめとする医療機関の非医療分野の運営業務全般をサポート。

聖心美容外科 企業サイトへ

東京・札幌・大宮・横浜・熱海・名古屋・大阪・広島・福岡、及び、中国(上海市)の10院を展開。「再生医療」を取り入れた若返り・アンチエイジング施術や豊胸術の分野を中心に、美容外科全般の施術を行っている。


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