クラウドの力を得て、Web会議が目指す境地

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掲載日 2013/01/29

ザ・キーマンインタビュー クラウドの力を得て、Web会議が目指す境地とは?

Web会議、テレビ会議といった遠隔会議は、ネットワークを介して利用するものだけに、クラウドサービスとの相性はよく、実際、古くからASPの形態でも提供されてきた。しかし、一方で、様々な理由により、オンプレミスで導入してきた企業も少なくない。クラウドサービスの普及により、こうした状況は変わりつつあるのか。また、今後はどのような方向へ進んでいくのか。ブイキューブの代表取締役社長兼CEOである間下直晃氏に伺った。

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株式会社ブイキューブ:間下 直晃 氏

代表取締役社長 兼 CEO
間下 直晃 氏

「導入が容易」なだけでなく、「他サービスとの連携」もクラウドの醍醐味に

Question

Web会議は以前からASPの形態で提供されることも少なくなかったと思いますが、それがクラウドという枠組みへと移行することで、何か変化が生じているということはありますでしょうか?

Answer

株式会社ブイキューブ:間下 直晃 氏

われわれがWeb会議を中心としたビジュアルコミュニケーションのサービスを開始した際も、ASPでの提供からスタートし、「セキュリティポリシーなどの関係で自社のイントラネット上にシステムを構築したい」という企業の要望に応えられるよう、オンプレミス型も用意するというかたちをとりました。なぜ当時、ASPという形態を選んだかというと、システムを一括購入していただくのではなく月額課金の形式にし、更にユーザ企業の側でのメンテナンスを不要とすることで、「導入のハードルを下げられる」ということが主な理由でした。ただ、これがクラウドという考え方へと進化していったことで、メリットは単にコストダウンやメンテナンス不要だけにはとどまらなくなってきています。

 1つはやはり、ただアプリケーションをサービスとして提供する、インターネット経由でどこからでも利用できるというだけでなく、そこに分散という考え方が加わることで、より高い安定性が確保されているという点が挙げられるでしょう。これにより、自社でシステムを所有していただくよりも遥かに安定した、システムダウンがほとんど生じない環境を実現できるようになっています。そして、もう1つは、様々なサービスとの連携です。単に1つのアプリケーションがインターネット上に置かれているというだけではなく、例えば、Web会議の一部の機能と、クラウド上のほかのサービスの一部の機能を組み合わせることで、新しい使い方が生まれてくるといった流れが生じつつあります。弊社の例で言えば、サイボウズさんがクラウドサービスとしても提供しているグループウェア「ガルーン」との連携が挙げられるでしょう。スケジューラからWeb会議の予約や開催を行ったり、あるいは異なるサービス間でシングルサインオンを実現できるというのも、ある意味ではクラウドの醍醐味の1つと言えます。

Question

そうした変化を受けて、Web会議自体も変わっていくことになるのでしょうか?

Answer

広く遠隔会議サービスという枠組みで考えると、目指すべき普遍的な方向性としては、やはり「臨場感の追求」があるかと思います。機器や技術を発展させていくことで、あたかも目の前に座っているような感覚へとより近づけていくという方向です。ただ、それと同時に、われわれがずっと意識しているのは、「どこでもつながる」「誰でも使える」「大規模用途でも安定して稼働できる」というものです。そういう意味で言うと、クラウドだけではなく、タブレットやスマートフォンといったモバイルデバイスの本格普及も併せて、両輪のように回り始めたということが非常に大きいと感じています。これにより、人々がビジュアルコミュニケーションを利用するシーンが格段に広がりつつあるのです。

 もともと遠隔会議というものは、離れた場所にいる人たちが集まる実際の会議の代替として行うことで、拠点間の移動交通費を削減するということが主体でした。しかし現在では、例えば、営業マンが訪問先で、タブレットの画面上で本社にいる技術者を呼び出し、お客様とより詳細な話し合いをするといった、新しい使われ方も生まれてきています。また、よく言われるように、働き方を変えていくという面もあるでしょう。会議というものは、なにも拠点間会議のようないわゆるイベント的なものだけではなく、日々のビジネスの中でも非常に重要なファクターと言えます。自宅にいようが、タクシーに乗っていようが、どこからでも日常的な会議に参加できることで、必要に応じて在宅勤務を行うことも比較的容易になりますし、外回りが業務のほとんどを占めている人も「とりあえずオフィスに戻ろう」という発想をしなくて済むでしょう。


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クラウドを利用し、Web会議の国際利便性の向上も実現

Question

従来のASPからクラウドという概念へと移行し、どこからでも安定して使えるという環境が整ってきたことで、Web会議の導入目的は従来のコスト削減だけではなくなっているということでしょうか?

Answer

株式会社ブイキューブ:間下 直晃 氏

むしろ、うまく活用することで利益を上げていこう、新たなビジネスを生み出そうというケースが増えているという印象を受けています。また、コスト削減という部分においても、少し意味合いが変わってきています。Web会議の利用で実際に会う回数を減らすのではなく、回数は維持しつつ、Web会議を頻繁に実施することで、コミュニケーションの量を増やして、ビジネスを円滑に回していこうという観点のお客様が増えてきました。例えば、全国に何百店舗も展開している企業では、実際に店長を集めてミーティングを行おうにも、せいぜい年に1回程度しか実施できなかったかもしれません。しかし、Web会議であれば毎月でも可能です。会わなければできなかったことを、会わずにできるようにする。そういった、いわゆるチャンスロストをなくしていこうという方向性が最近は多くなっていると感じます。

 また、グローバルでの利用に関しても状況が大きく変わりつつあると言えます。最近、弊社ではアジア地域でのサービスを拡大しており、その一環として、昨年11月にはWeb会議サービスの国際利便性を高める「Global Link」を発表しました。日本、中国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナムと7ヵ国に「V-CUBE ミーティング」専用のデータセンタを設置し、これらを専用回線で相互接続することで、いわば1つのクラウドとして利用できるようにしたのです。

 日本企業の海外進出が進む中で、日本本社と海外拠点との会議、アジア各地の支店や工場との情報共有といったコミュニケーションの機会は増加しています。しかし、日本とアジア各地域を結ぶインターネット回線は、回線障害による遅延や通信途絶などが生じることも少なくなく、快適にWeb会議を実施できない場合も多々あったかと思います。しかし、現在では各々の国内で実施するのと同じ感覚で、国際間でのWeb会議も快適に行えるようになっています。


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オンプレミス型のままで維持したほうがよいケースもあるのか?

Question

オンプレミス型を導入する理由の1つはセキュリティだという話がありましたが、今後、クラウド利用がより拡大していったとしても、依然としてオンプレミス型を継続する企業も残ると見込まれているのでしょうか?

Answer

株式会社ブイキューブ:間下 直晃 氏

セキュリティの技術も進化していますし、われわれサービス提供側でも、例えば特定のIPアドレスのみにアクセスを許可するといった、様々なセキュリティオプションを追加してきています。そうした取り組みもあって、現在ではかなり安全度が高まっていますから、実際にオンプレミス型からクラウド利用へと移行するお客様も増えています。少し前とは情勢がかなり変わって、クラウド利用などには慎重になりがちだった大手企業などでも、パブリッククラウドで問題ないというところが出てきています。

 ただ、すべてがそこに集約されるかというと、そうはならないでしょう。先ほどのセキュリティポリシーだけではなく、例えば、外部に出ていくネットワーク回線が脆弱だったり、利用者が極めて多いなど、クラウド利用に移行するとインターネット接続の帯域が逼迫してしまう可能性のある場合はオンプレミス型のままにしておくべきだと言えます。もちろん、クラウド移行と同時にインターネット接続を増強するという発想もあるとは思いますが、実際にはコスト面でなかなか難しいのではないでしょうか。

 また、カスタマイズをしたいという場合も、オンプレミス型での利用が適しているケースと言えます。デザインやインタフェースを変えたい、独自の機能を追加したいという要望に対しては、汎用的な提供を基本とするパブリッククラウドではなかなか応えにくい部分もありますから。このあたりは、コストをかけてでも既存の業務の流れに合った仕組みへとサービスを変えることで効率化を図るのか、あるいは、サービスのほうに自分たちがあわせることで低コストを追求するのかという判断になるわけですが、どちらが正しいというわけではありません。

 いずれにせよ、導入企業ごとに様々な事情があるでしょうし、われわれとしてはそれに応えなければなりませんから、今後もパブリッククラウドだけではなく、オンプレミス型、あるいはプライベートクラウドなど、それぞれのメリット引き出しつつ、ユーザが自社の要望に応じてベストなものを選べるようにしておくことが大切だと考えています。


●ありがとうございました。


取材協力

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ビジネスや学びの様々なニーズに応えるテレビ会議・Web会議「V-CUBE」サービスを提供。ビジュアルコミュニケーションサービスの提供を通じて、シームレスなコミュニケーション社会の実現に貢献し、人々の生活・ビジネススタイルに変革を与え、より豊かな社会環境の構築を目指している。


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