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掲載日 2013/01/15

ザ・キーマンインタビュー 今求められている新たな働き方とは?

ビジネス環境の急激な変化にともなって、働き方にも大きな変革が求められるようになってきた。その新たな働き方の基盤となる空間=ワークスペースでは、「モバイル」「ソーシャル」「ビジュアル」「バーチャル」が欠かせないという。それはなぜか。シスコシステムズのキーマンにお話を伺った。

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竹内 亮氏

プロダクトマネージメント
シニアプロダクトマネージャー 竹内 亮氏

新たなワークスペースのコンセプト「コラボレーションワークスペース」とは?

Question

貴社は、企業に求められている新たなワークスペース環境のコンセプトとして「コラボレーションワークスペース」を提唱しておられます。これはどのようなものでしょうか?

Answer

シスコシステムズ合同会社:竹内 亮氏

コラボレーションワークスペースを解説する前に、コラボレーションに関するシスコの製品及びソリューションのポートフォリオを説明します。ポートフォリオは、IPテレフォニーなど各種IPコミュニケーション製品による「ユニファイドコミュニケーション」、ユニファイドコミュニケーションによる大規模コールセンタ構築ソリューションの「カスタマーコラボレーション」、臨場感のある高画質ビデオ会議を実現する「テレプレゼンス」、プレゼンスやインスタントメッセージング、音声通話、ビデオ会議、Web会議などを実現する「コラボレーションアプリケーション」が4本柱となっており、自社開発プラス買収という形でポートフォリオを拡充してきました。ポートフォリオの各柱を世界レベルで見ると、それぞれトップクラスのシェアを持つまでになっています。

今後はポートフォリオの拡充というよりは、コラボレーションによって働き方がどう変わるのか、変わっていくのかという視点に立ち、これまでコラボレーションをあまり意識してこられなかったお客様にもどんどんリーチしていこうと考えています。その際の訴求の軸となるのが「モバイル」「ソーシャル」「ビジュアル」「バーチャル」で、ポートフォリオをこの4つの切り口でお客様に提案しています。

Question

コラボレーションワークスペースによって働き方はどのように変わっていくのでしょうか?

Answer

よく言われることですが、今は同じ場所で働くことが仕事の成果を最大化することにつながらなくなっています。また、ビジネスのグローバル化にともなって、物理的に離れた場所にいるメンバー同士が一緒に業務を進めていかなくてはならない場面も増えています。このようなビジネス環境の変化に対応した、モバイル、ソーシャル、ビジュアル、バーチャルによって実現される新しい働き方がコラボレーションワークスペースです。

モバイルの観点で言うと、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスによって、会社やオフィス、机といったワークプレースにいるのと同じことがどこからでもできるようになります。どこにいても、仕事を行なっていく上で欠かせない「人」と「情報」にアクセスできる。これがコラボレーションワークスペースのポイントの1つです。

ソーシャルでは、人と情報に加えて「コミュニティ」という軸が加わります。一緒に仕事をしている人と最新の情報をリアルタイムで共有していくためには、メールのToとCc、あるいはメーリングリストの世界から脱却する必要があります。コミュニティを作って最新の情報を共有したり、それぞれの知恵やノウハウを持ち寄れるようにする必要がある。これがコラボレーションワークスペースの2つ目のポイントです。

3つ目のビジュアルは、ビデオ会議による表情の共有です。人のやる気や本気度というものは、文字や音声、画面や資料の共有などではなかなか伝わりません。中には、何十年も付き合っているので声を聞けば全部分かるという人もいるでしょう。確かにその通りです。しかし、これまではそれでよかったかもしれませんが、雇用の流動化やビジネスのグローバル化にともなって、昨日まで見ず知らずの人が今日からは仕事仲間、何十年来の仕事仲間と同じように仕事をしなくてはならなくなってきています。電話で話をすればツーカーで伝わるというわけにはいかなくなっているのです。その意味でビジュアルはとても大事です。これを定量的に表すのは非常に難しいのですが、表情を見て相手のやる気や本気度を判断できるというのは、モバイルなワークスペース環境ではとても重要な要素なのです。

4つ目のバーチャルは、組織そのものがバーチャルになっているということもありますが、テクノロジー的にはオンデマンドや仮想化がこれに相当します。例えば私はiPadを仕事に使用していますが、iPadの中には何も情報は入っていません。iPadはシンクライアント端末として機能しており、サーバ側のVDIで稼働しているWindows上でPowerPointを使ったり、Outlookでスケジュール管理を行ったりしています。つまり、iPad自体がバーチャルなワークスペースとなっているのです。

Question

貴社が提供しているWeb会議サービスの「WebEx Meeting Center」は、コラボレーションワークスペースのビジュアルやソーシャルを実現する製品という位置付けになるのでしょうか?

Answer

そうですね。更に言えば、WebEx Meeting Centerはモバイルデバイスにも対応しているのでモバイルでもあり、また、クラウドサービスとして提供されていますので、お客様から見ればバーチャルな存在でもあります。ただ、このようにすべてに該当しますが、先に述べた大きな意味でのコラボレーションワークスペースの中では、その一部という位置付けになります。


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オンプレミスへの要望はセキュリティポリシー面から

Question

貴社は昨年10月に、WebEx Meeting Centerと同レベルのコラボレーション機能を備えたオンプレミスのWeb会議ソリューション「Cisco WebEx Meetings Server」を発表されました。これはプライベートな環境でWebExを使用したいという企業の要望に応えたということなのでしょうか?

Answer

シスコシステムズ合同会社:竹内 亮氏

もともと弊社はMeetingPlaceというオンプレミスのWeb会議ソリューションを持っていましたが、今後のトレンドはクラウドだと考えて2007年にWebExを買収しました。しかしその後何年かビジネスを行なっていく中で、「やはりオンプレミスのほうがいい」というお客様のマーケットサイズがけっこう大きいことが分かってきたのです。また、ルータ数何千台といった大規模ネットワークの構築を一手に引き受けているような弊社のパートナーSIerが取引しているお客様は情報処理子会社を持っているような大企業も多いため、プライベートクラウド的に自前できちっと管理したいという要望もありました。最終的にはクラウドに移行するだろうとは思っていますが、パブリッククラウド、プライベートクラウド、そして完全なオンプレミスと、Web会議サービス/ソリューションにもスペクトルはあるなというのがこの2〜3年の感想ですね。

Question

月額使用料といった形で課金するクラウドサービスの場合、従業員規模が大きくなるとオンプレミスのほうが結果的に低コストになることがあります。オンプレミスに対する大企業のニーズが高いのはコスト面が大きかったのでしょうか?

Answer

コスト面もありますが、一番大きいのはセキュリティポリシーの面です。オンプレミスを始めた瞬間から、公共系や金融業などセキュリティに対する要求が厳しい業界からの引き合いが一気に増えました。海外展開している製造業の方からも、既に構築しているビデオ会議のインフラの上にWeb会議を乗せたほうが親和性が高いということで引き合いが増えています。

Question

Cisco WebEx Meetings Serverを使ったWeb会議ソリューションを貴社のプライベートクラウドサービスとして提供するお考えはあるのでしょうか?

Answer

Cisco WebEx Meetings Serverは基本的にオンプレミスで提供します。弊社のようにクラウドサービスの材料を提供する立場のものがクラウドサービスそのものを手がけると、お客様であるクラウドサービス事業者と競合してしまうからです。WebEx Meeting Centerについてはこれまでパブリッククラウドサービスとして提供してきたという実績がありますので、パブリッククラウドサービスのWebEx Meeting Centerと、オンプレミスのCisco WebEx Meetings Serverの2本立てで事業展開していく方針です。


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あらゆるものがつながった「Internet of Everything」なコラボレーションワークスペース

Question

貴社はコミュニケーションの世界、コラボレーションの世界がどのようになっていくことを理想だとお考えでしょうか?

Answer

シスコシステムズ合同会社:竹内 亮氏

当初の話に戻ってしまうかもしれませんが、モバイル、ソーシャル、ビジュアル、バーチャルという軸で働き方を変えていく、というのがオーバーオールなメッセージとなります。更にもう1段上位レイヤーにいくと、場所や時間、端末などにまったく依存しないワークスタイルを推進しており、そのために相互接続性を非常に大事にしています。

少々話がそれますが、シスコは洗濯機や冷蔵庫、体重計といったすべてのデバイスがインターネットでつながっている「Internet of Everything」という世界の実現を本気で考えています。IPv6への移行やスマートフォンの普及などにより、本当にそういう時代に入ってきたのだと私も考えています。

これまでコラボレーションは、人と人、あるいは人と情報や機械との共同作業、協調処理程度のものを指していました。しかし今後はその対象がどんどん広がり、しかもN対Nでつながってコラボレーションしていくようになる。そして当然のことながら、コラボレーションの場がワークスペースとなっていく。今はExcelやPowerPointなどで作成した資料、情報をワークスペースで共有しながらみんなで仕事を進めていくことがコラボレーションですが、今後はインターネットにつながったすべてのデバイスから上がってくるすべての情報をリアルタイムでキャッチし、リアルタイムにデータ処理して仕事に生かしていくというのがコミュニケーション、コラボレーションの理想の姿です。

図 シスコのアーキテクチャフレームワーク
図 シスコのアーキテクチャフレームワーク
資料提供:シスコシステムズ


●ありがとうございました。


取材協力

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シスコシステムズ合同会社は、米国シスコの日本法人。シスコは、ビジネスの基盤となるインテリジェントなネットワーキングソリューションから、音声、映像、データ、ストレージ、セキュリティ、エンターテイメントをはじめとする新しい分野、そして、人々の仕事や生活、娯楽、学習のあり方を一変させることのできるネットワーク プラットフォームの提案を目指している。


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