WS2012を最大限に生かす“尖った仕様”とは

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掲載日 2012/11/26

ザ・キーマンインタビュー Windows Server 2012を最大限に生かす“尖った仕様”とは

Windows Server 2012には様々な先進的な機能が搭載されているが、一方で、物理環境、仮想環境、更にはクラウド環境に至るまで、幅広いシステム環境の管理を楽にしてくれる点にも注目すべきだ。こうした管理負荷削減という側面で見た場合、サーバー・ハードウェア自体にはどのような機能・性能が求められるのだろうか。日本ヒューレット・パッカードの及川信一郎氏にお話を伺った。

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及川 信一郎 氏

プリセールス統括本部 サーバー技術本部
インダストリスタンダードサーバー部 シニアITスペシャリスト
及川 信一郎 氏

様々なハイエンド技術への対応で、CPUの負荷をオフロードできる点に注目

Question

新たなサーバーOSとして、Windows Server 2012がリリースされましたが、貴社ではどのような対応を行っているのでしょうか?

Answer

日本ヒューレット・パッカード株式会社:及川 信一郎 氏

弊社のHP ProLiantサーバーは非常に長い歴史を持っており、古くからWindowsの開発にも使われてきたという経緯があります。今回のWindows Server 2012においても、開発標準機として採用されていますから、マイクロソフトと密接に連携をとりつつ、ベータ版の動作検証はもちろんのこと、早期からのドライバー対応、更には既知の問題とその回避方法を示した技術ホワイトペーパーの公開などに取り組んできました。

 その結果として、弊社ではブレード型、ラックマウント型、タワー型、コンパクトサーバーまで、非常に多数のサーバー製品を有しているにもかかわらず、Windows Server 2012が公式に発表された時点で、35機種程度が既に対応済みということになります。一刻も早く使いたいというユーザの方の要望に応えられ、しかも、省スペース製品から10Uタイプまで、幅広いラインナップから自由にWindows Server 2012搭載サーバーを選んでいただける体制を整えられるのは、非常に喜ばしいことだと思っています。

 また、弊社はサーバーベンダであると同時に、ストレージベンダでもあり、ネットワーク機器ベンダでもあります。そういう意味では、例えば、Windows Server 2012がストレージ管理標準のSMI-S(Storage Management Initiative - Specification)へ対応した点などに注目しています。近いうちに、System Center 2012もWindows Server 2012に正式対応しますし、そうなれば、サーバーだけではなく、ストレージやネットワーク機器の監視なども含めて、単一のインターフェースからすべてを管理できるようになるでしょう。

Question

Windows Server 2012では多数の機能拡張も図られていますが、この点に関しては、どのようにとらえていますでしょうか?

Answer

ネットワーク仮想化をはじめ、ソフトウェア・ディファインドという概念が浮上しつつありますが、Windows Server 2012を利用すれば、ストレージの重複削除や仮想マシンのレプリケーションなど、これまで専用ハードウェアに頼っていた部分がソフトウェアだけで可能になるといったかたちになっています。ユーザの方がサーバーだけでそうした機能を簡単に利用できる、あるいはファイルサーバーとして導入した企業が気軽に用途を広げられるという点ではエポックメイキングだと思います。

 ただ、エンタープライズ市場においては、少し見方が異なり、SMI-S対応ストレージと組み合わせて仮想マシンのデプロイを自動化する、ODX(Offload Data Transfer)対応ストレージと組み合わせてコピーを高速化する、InfiniBandを利用してデータの転送レートを高めるといったハイエンドな部分での対応・強化がむしろ注目されているのではないでしょうか。そうした機能を活用してCPUから負荷をオフロードすることで、OS側の負荷を軽くして、安定した動作を確保できるということが、エンタープライズのニーズにマッチしたかたちだと考えます。


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「自働サーバー」を実現する最新ラインナップとの相乗効果を期待

Question

今回のリリースのタイミングに関しては、どういう印象をお持ちでしょうか?

Answer

日本ヒューレット・パッカード株式会社:及川 信一郎 氏

Windows Server 2008でもR2をリリースするというかたちで、時代に即した機能を取り込もうという動きはありました。ご存じのとおり、当時もHyper-Vは大きなバージョンアップを遂げています。ただ、その時点では、どうしても既存のインターフェースとの適合が難しくなってしまう部分がありました。例えば、NICのチーミングなどはメーカーが独自に行わないといけないといったぐあいです。あるいは、ActiveDirectoryの仮想化環境での扱いなども含めて、到来しつつあった新たな“クラウド”時代にはどうしてもそぐわなかった数々の点が、今回のWindows Server 2012で一気にOSの標準機能としてシームレスに取り組まれました。そうした、時代の要求に応えるという意味では、よいタイミングでのリリースだと感じています。

 また、弊社にとって見れば、新しいサーバーラインナップを広げていくためのいいきっかけにしたいという思いもあります。今年3月には日本でも発表させていただきましたが、HPではProLiantの最新世代機として「Generation 8(Gen8)」を展開しています。このGen8はサーバー運用のスタイルを大きく変えることを目指し、中身も従来の製品とは一線を画するものになっています。

 例えば、従来はCDやDVDで提供されていたセットアップや更新ツールをiLO(ProLiantに内蔵されている、遠隔監視・管理機能を提供するLSIチップ)にあらかじめ実装しており、インストールやファームウェア更新、各種設定などのメンテナンスを素早く簡単に行えるようになっています。そのほかにもエージェントレス管理機能などの実装により、サーバーのライフサイクル全体における工数削減を強力に支援する「自働サーバー」を実現しています。

図1 ライフサイクル全体における工数削減を強力に支援
図1 ライフサイクル全体における工数削減を強力に支援
出典:日本ヒューレット・パッカード、2012年11月

Question

そうした自動化・管理負荷低減といった方向性で、Windows Server 2012との相乗効果も期待できるということでしょうか

Answer

これまではサーバーの性能向上ばかりに腐心していた傾向もあったかと思いますが、そうではなく、管理負荷をハードウェアでいかに軽減するかという部分に主眼を置いているのです。ただ、Generation 7、あるいは6などを利用されているお客様も多く、やはり、新しいアーキテクチャのサーバーはサーバーOSの刷新と合わせて導入したいという意向が多かったという事情もあります。サーバーを新しいラインナップへ切り替えていただこうと弊社が尽力する中で、メジャーなOSであるWindows Serverがフルバージョンアップしたというのは、ともに訴求をしていくという意味で、非常にいい効果が生じるのではないかと感じています。

 また、先ほど紹介したようなハードウェアによるアシスト機能というものは、一般的にはサーバー自体の設計を変えるといった対応が必要になります。しかし、HP ProLiant Gen8では、Flexible LOM(フレキシブルロム)という機構を採用しており、“オンボードNIC”が交換可能になっています。従来世代機ではオンボードのNICは当然ながら取り外しや交換が不可能だったのですが、これが交換可能になったことで、ユーザのニーズに合わせた高い柔軟性を提供します。

 例えば、Windows Server 2012ではSR-IOV(Single Root I/O Virtualization)を利用可能で、仮想マシンのスループット向上のためにこれを積極的に使ってみたいという方は少なくありません。しかし、NICに搭載されているチップがすべてSR-IOV対応というわけではないのです。その点、HP ProLiant Gen8では発注の際にSR-IOV対応チップ搭載のオンボードNICを選択していただくことも可能です。あるいは、SMB 3.0でInfiniBandを使いたいという方に対してはInfiniBand対応のオンボードNICを実装した状態で出荷します。そんな特定のNICを標準搭載した“尖った”構成のサーバーは販売数も限られるので、通常はラインナップに加えられず、オプション仕様といったかたちにならざるをえないものですが、オンボードNICが交換可能という点を生かして、こうしたWindows Server 2012ならではの構成も意欲的に展開していこうと考えています。この点でも“足並みが揃った”という印象はありますよね。


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シンプルな価格体系が「仮想化の本格普及に対する意気込み」を端的に表している

Question

Windows Server 2012は企業のITシステムをどのように変えていくと考えますか?

Answer

日本ヒューレット・パッカード株式会社:及川 信一郎 氏

サーバーOSにおけるWindows Serverのシェアは非常に大きいですし、それ以上に、一般的な企業では何らかのかたちで必ず使われているOSと言えるでしょう。そういうOSがライセンス体系をガラッと変えて、実質的にはStandardとDatacenterという2つのエディションに集約されました。これはつまり、仮想化するか、しないか、という使い分けになることを示しています。逆に言えば、もはや仮想化することが基本になったということを、今回のライセンス体系は端的に表しているのではないでしょうか。

 ハードウェアレイヤをHyper-Vなどの仮想化技術で抽象化して、その上にすべてを集約・統合する。そして、オンプレミスで持つ必要がなければ、仮想化した環境をそのまま外のクラウドへ出していく。そういう流れが加速していくことは確かでしょう。今回のWindows Server 2012は、仮想化の普及へ向けて、あえて、非常にシンプルなエディション構成にしているという印象ですね。


●ありがとうございました。


取材協力

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