グループウェアのクラウド移行は必要か?

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掲載日 2012/12/25

ザ・キーマンインタビュー グループウェアのクラウド移行は本当に必要か?

グループウェアなどの情報系システムは、クラウド移行が比較的行いやすい、適していると言われる。しかし、一口にクラウドといっても、形態は実に様々であり、どれが本当に自社に最適か、そして、必要かを検討しなければならない。では、その見極め方とは?グループウェアベンダであるネオジャパンのプロダクトマーケティング担当 山田志貴氏にお話を伺った。

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株式会社ネオジャパン:山田 志貴 氏

マーケティング統括部
プロダクトマーケティング担当  山田 志貴 氏

グループウェアはクラウド移行に本当に適しているのか

Question

様々な製品分野の中でも、グループウェアはクラウド利用に適している、あるいは、メリットが大きいと言われることが多いのですが、実際にグループウェアはクラウド利用に向いていると言えるのでしょうか?

Answer

株式会社ネオジャパン:山田 志貴 氏

まず、グループウェアであるかどうかに限らず、クラウド自体には大きなメリットがあると弊社では考えています。また、グループウェアがクラウド利用に最適だと言われる理由としては、まず「システムの目的」が第一に挙げられるのではないでしょうか。グループウェアは、社内での情報共有やコミュニケーションの円滑化などを目的に据えたシステムであり、あまり業態や規模によることなく、ほとんどすべての企業において、同じように必要とされ、同じようなかたちで導入・利用されています。そうした、いわば汎用的なものであるからこそ、クラウド利用にも適していると言えます。また、クラウド型グループウェアが提供され始めたことで、システム管理者が社内に不在だったり、サーバを自前で持つことが難しかった企業などでも気軽にグループウェアを利用でき、そのメリットを享受できるようになったということには大きな意味があると思っています。

 第二の理由としては、スマートデバイスとの関係性でしょう。スマートフォンやタブレットの利用が拡大すると同時に、これを何か仕事に役立てられないかと考える企業が急増しています。その中でも比較的に着手しやすいのが、これまで主に社内で利用するものだったグループウェアをどこからでも使えるようにするということです。その際、社内のサーバ上のグループウェアに外部からアクセスさせるようにするよりは、グループウェアそのものをクラウドサービスで利用する形態へと移行させたほうが、簡単で低コストで済むのではないかと考える企業が増えているということでしょう。

Question

貴社のグループウェア製品「desknet's」を利用しているユーザの方々は、クラウド移行に関して、どのような状況にあると言えるでしょうか?

Answer

弊社ではかなり以前から各種サービスのASP・SaaS形態での提供に取り組んでおり、お客様へのクラウド意識調査なども何度か実施していますが、大半の方からいただくのは「現在の状態で困っていない」という答えです。特に問題は生じていないし、安定して稼働しており、しかも、手間もさほどかかっているわけではない。つまり、「今のところ、あまりニーズを感じない」ということです。ただ、まったく興味がないわけではなく、サーバのリース期限が切れてしまう、あるいは故障したといった、機器入れ替えのタイミングでクラウドサービスの利用も検討してみたいという企業が多くなっています。

Question

では、desknet'sユーザのクラウド移行の流れは比較的緩やかであるという状況なのでしょうか?

Answer

弊社では今年からクラウドグループウェア「desknet's on Cloud(デスクネッツ オン クラウド)powered by Amazon Web Services」の提供を開始しましたが、既存ユーザの方々に対しては、サーバの入れ替えなどで必要になった際には、すぐに乗り換えられるサービスがありますという感じで、結構“ゆるく”構えています。また、実際のところ、弊社のクラウドグループウェアのユーザ内訳は、desknet'sを新規で利用する企業が8割を占め、オンプレミス環境のdesknet'sからの移行は2割程度です。これから徐々にスピードを増していくことにはなるかとは思いますが、現時点ではクラウド移行の流れはまだ始まったばかりであり、目立った動きにはなっていないと言えます。

 そうした状況を弊社ではどのように受け取っているかというと、「お客様が困っていないのであれば、それはそれでよしとしよう」という考え方です。やはり、一口にクラウド利用と言っても、企業の規模や業態によって最適な導入形態やメリットは違ってきますし、各々のビジネスの方針や考え方にも左右されるでしょう。そのため、弊社が提供するクラウドサービスをぜひ使ってほしいというよりは、様々な選択肢の中から自社に最適なシステム環境を選んでもらい、そこでdesknet'sを使っていただければいいというスタンスで取り組んでいるわけです。


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クラウド移行に適していないケース、適しているケース

Question

機器入れ替えのタイミングでクラウドサービスの利用を検討する企業が多いということですが、その際にはあまり適さないというケースも出てくるものでしょうか?

Answer

株式会社ネオジャパン:山田 志貴 氏

サーバを持たなくていいというメリットはよく語られますが、やはり、それも利用する期間によって異なることは確かだと思います。サーバを入れ替えることなく、5年間、もしくは6年間以上使い続けられるとすれば、購入したほうが安く済むのか、クラウドサービスを利用したほうが低コストなのかというのは、難しい判断になるでしょう。

 そういう意味では、少なくともコスト面だけを見た場合には、大規模利用に関してはメリットが薄いと言えるかもしれません。例えば、数千人、数万人というオーダーでSaaSタイプのグループウェアを利用する場合、単純に計算すると、月額料金が数十万円、数百万円という、かなり重い負担になってしまいます。弊社ではそういったケースに対しては、月額料金で利用するのではなく、ソフトウェアライセンスを購入、あるいは既存所有のライセンスを利用してもらい、クラウドプラットフォームのみを提供するというライセンス持込型サービスも用意しています。また、お客様が自らIaaSプロバイダからリソースを借り受けて、そこにdesknet'sをインストールするという使い方もサポートしています。そういったかたちで、大規模利用に関しては、SaaSタイプで使っていただくというよりは、もう1つ下のレイヤ、つまりインフラ部分のクラウド化を検討したほうがメリットは出てくるはずだと思います。

Question

逆に、SaaSの利用で最も大きなメリットが得られるのはどのようなケースでしょうか?

Answer

導入効果が見えやすいのは、やはり、数十名以下といった小規模での利用です。そういった規模のお客様であれば、グループウェアのためだけにサーバを購入するのは効率的ではありませんし、月額料金も数千円から、せいぜい数万円で、比較的手頃だと言えるのではないでしょうか。

Question

ほかにクラウド移行すべきか否かの判断材料になりうる要素などは考えられますでしょうか?

Answer

グループウェアを社内だけで利用するのか、あるいは逆に、社外からのアクセスも多いのかという点も考慮すべきでしょう。先ほど、弊社のグループウェア製品を利用いただいている企業ではクラウドへの移行ニーズが少ないという話をしましたが、これは実は、製造業や建設業といった、少なくともこれまでは社内作業が主体だった業種が非常に多いという事情もあるかと思います。


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クラウド時代にふさわしい新しいコミュニケーションスタイルとは?

Question

既にクラウド移行済みの企業では、どのようなメリットを感じているのでしょうか?

Answer

株式会社ネオジャパン:山田 志貴 氏

よく言われることですが、やはり、サーバの運用管理が不要になるという点が大きいと感じられているようです。精神的な面も含まれるでしょうが、システム管理者の方にとっては、自分が常に気にかけなければならない、面倒を見なければいけない存在を手放すことができる。特に中小規模の企業においては、専任のシステム管理者がおらず、総務などの業務部門の社員が兼任で従事、あるいは、経営者の方が自ら担っているという場合も多いですから、サーバの運用管理という、いわば「余計な仕事」をする必要がなくなり、本来の業務に集中できるということは、この上なく大きなメリットを生み出すことになるというわけです。

Question

今後クラウドが拡大していく中で、グループウェアはどのように進化していくと考えていますでしょうか?

Answer

スマートフォンやタブレットだけではなく、より広い意味で、グループウェアはデバイスを選ばないコミュニケーションツールになっていくことは確かだと思います。そのことによって、企業のコミュニケーションというものがどのようなかたちに変化していくのかという具体的な部分はまだ見えていませんが、弊社としては、クラウド時代に適したグループウェアはどういうものかということは常に検討しています。

 その一環として、最新製品の「desknet's NEO」では、先ほどからお話しているように、クラウドサービスとしての利用から、パブリッククラウド上のサーバへのインストールまで、お客様のニーズに応じた幅広いクラウド環境で利用いただけるようにするとともに、ソーシャル的な要素を取り入れた、新しい社内コミュニケーションツールも取り込みました。これは社内で短いメッセージの発信、いわゆる「つぶやき」を行えるようにすることで、より気軽な情報共有・情報交換や、メールよりスピードの速いコミュニケーションを実現しようというものです。今後も、こうしたグループウェア上での新しいコミュニケーションのかたちというものを、積極的に追求していきたいと考えています。


●ありがとうございました。


取材協力

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Webグループウェア「desknet's」をはじめとするパッケージソフトの開発・販売、パッケージソフトをカスタマイズしてレンタルするASPサービス、アプリケーション・システムの企画/設計/開発、ネットワークインフラ構築など、システムにかかわるサービスを統合的に提供するトータルシステムインテグレータ。


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