ここが成否を左右!グループウェアSaaS移行

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掲載日 2012/12/11

ザ・キーマンインタビュー ここが成否の分かれ目!グループウェアのSaaS移行

クラウドサービスの中でも、SaaS型グループウェアは各社製品が出揃っており、月々の利用料金も比較的手頃に感じられる。そのため、多くの企業がクラウド移行への手始めとして最適だと考えているのではないだろうか。しかし、企業におけるグループウェアの利用率は既に高く、日々の業務とも直結しているため、既存環境からの移行作業が必須と言える。グループウェアをSaaS利用へ移行する際の注意点とは?

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ソリューション本部
アプリケーションソリューション部
副部長  持田 茂人 氏

マーケティング本部
新規ビジネス開発部
粟津 和也 氏

マーケティング本部
プロダクトマーケティング部 GIOマーケティング課
堀見 竜也 氏

システムの移行で済ませられるか、「業務の移行」が必要か

Question

貴社のクラウドサービス「IIJ GIO」で提供されている「IIJ GIO サイボウズ ガルーン SaaS」を導入しようという企業は、やはり既存のグループウェアから移行するケースが多いのでしょうか?

Answer

株式会社インターネットイニシアティブ:堀見 竜也 氏

【堀見】 「IIJ GIO サイボウズ ガルーン SaaS」の場合は300名以上の規模での利用を主なターゲットとしていることもあって、新規にグループウェアを導入するという企業はほとんどなく、半分が「サイボウズ ガルーン」あるいは「サイボウズ Office」といったサイボウズのグループウェアのユーザ、そして、残りの半分がほかのグループウェアからの乗り換えという内訳になっています。

Question

オンプレミスのグループウェア製品からSaaS型へ移行するのは、やはりいろいろと難しい点があるのでしょうか?

Answer

株式会社インターネットイニシアティブ:持田 茂人 氏

【持田】 同じグループウェア、あるいは少なくとも同じベンダの製品であれば、バージョンの整合性をとるといった作業は必要になるかもしれませんが、作業面でも、コスト面でも、SaaS型への移行に大きな問題はないと言えるでしょう。一方、ほかの製品から移行する際には、当然ながら、データコンバートの必要などが生じますから、そこは個別の対応になります。ただ、いわゆる国産のメジャーなグループウェアどうしであれば、機能面もある程度は似通っていますので、データ移行さえ済ませられれば、あとはスムーズに進むという印象を受けています。もう1つ注意すべき点としては、SaaS型においては「共通標準仕様のサービス利用」という方向性になるということです。基本的に個別の要望へは対応しにくいため、既存グループウェア環境で独自のカスタマイズを施している場合には、そのままではサービス利用への移行が難しいこともあります。

株式会社インターネットイニシアティブ:粟津 和也 氏  【粟津】 同じ製品、もしくは似通った製品の場合は、いわゆる「システムの移行」で、いかにきれいに移行させられるかという方向性になりますが、例えば、Lotus Notes/Dominoなどで作りこんだ環境を対象とする際は、むしろ「業務の移行」だと言えるでしょう。そのため、同じ移行を扱うインテグレーションといっても、内容は大きく違ってきます。もちろん、弊社では双方に対応可能で、前者の場合はコストを最小限に抑えたインテグレーションが可能です。後者については実際の業務を検討した上で移行作業を行うため、時間とコストをどれくらいかけられるかという問題が出てきます。

Question

移行コストに関しては、大なり小なりかかるというかたちになるかと思いますが、移行を検討している企業が「あれ?そこにコストがかかるの?」という反応をされる場合もあるのでしょうか?

Answer

【粟津】 われわれも当初はそういうこともあるかと思っていましたが、現在、SaaS型のグループウェアへの移行を検討しているお客様は、Google Appsなどの導入検討も既に行っている場合が多く、移行に際してはシステムインテグレーションが必要な可能性があり、その費用も含めて判断しなければならないという意識を持たれているようです。むしろ、サイボウズ ガルーンどうしで移行されるケースでは、意外にコストがかからないというリアクションをされるほどです。


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機能面だけでなく、パフォーマンスの確認という意味でもトライアルは重要

Question

実際の移行の流れにおいては、どのような部分に注意すべきだと言えますでしょうか?

Answer

株式会社インターネットイニシアティブ

【持田】 SaaS型への移行に際しては、やはりコスト優先というお客様が多く、そのためには機能面でもある程度は見切りをつけるのもやむなしという意識を持たれているようです。十分に検討した上で、さほど重要性や利用頻度が高くない機能に関しては、移行後は使わない。そうした思い切った判断が移行の成功につながるケースが多々あります。

 【粟津】 最初は利用機能としてリストアップしていたものでも、正式に調べていただくと、ユーザには意外に使われていなかった、使われていたとしても必須ではなかったという機能が出てきます。SaaS型への移行を検討される目的としては、第一に、運用管理を楽にしたいということがあるかと思います。その一方で、これまでは最大公約数的に作られたグループウェアを単にそのまま展開していたけれども、SaaS型へ移行して運用管理の負担が減ったことをきっかけに、企業内の管理者の方は、必要な機能をしっかり見極めた上で、それをユーザが効率的に利用できるようにサポートしていくという流れにつながるケースも多いようです。

 【持田】 あとはグループウェアに限った話ではありませんが、弊社では移行の流れが標準化されており、最初の段階でいわゆるFit&Gap表を用意して、既存のシステムでできていたことを移行後にどこまで再現できるか、どこまで移行すべきかという認識の刷り合わせをします。そこで問題なく業務が回りそうかどうかを判断していただくというかたちです。

 【粟津】 先ほどのような「業務の移行」をともなうケースでは非常に重要と言えますが、コモディティ化が進んでいるグループウェアでは、実はFit&Gap表を省略することも多々あります。その場合にはトライアルが非常に重要な作業と言えるでしょう。実際に使っていただいた上で使える使えないを判断していただくということです。

 【堀見】 トライアルでは、機能面ももちろんのこと、やはりネットワーク越しでの利用となるSaaS型への移行においては、パフォーマンスの確認を重要視される方が多いようです。日常的な利用に加えて、海外からアクセスする場合にはどの程度のレスポンスになるのか、ファイルのアップロードやダウンロードは実用的か、そういったパフォーマンス面での不安を解消いただく意味で、弊社としてもトライアルでの利用を積極的に勧めています。

Question

移行にかかる時間というのは、どれくらいを見込んでおくべきなのでしょうか?

Answer

【持田】 サイボウズ製品からの移行であれば、発注をいただいてから、テスト導入、検証などを経て、実際の利用開始までが1ヵ月半、というのが標準的な期間となっています。また、移行に際しては、データの不整合を回避するために、グループウェアの利用をいったん止めていただく必要がありますが、その際には、データのバックアップ、弊社への転送、データ変換、新しいサービス環境へのアップロードにかかる分が利用停止時間となります。これはデータの量によりますが、概ね、週末に半日から1日かけて作業を完了させるというかたちになります。

 【粟津】 グループウェアの利用停止に関しては、ユーザの方は常にスケジュールを確認したいので少しでも止まると困るという意識もなくはないようですが、システムの運用管理を担われている方は、むしろ的確でミスのない移行を求められますので、1日くらい止まったとしてもやむをえないと納得いただける場合がほとんどです。


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「移行はまったく無理」というケースはあるのか?

Question

ほかに、何か既存の環境によって左右されることなどはありますでしょうか?

Answer

株式会社インターネットイニシアティブ

【粟津】 グループウェアの難しいところは、非常に豊富な機能が用意されていて、企業によって使われ方も様々だという点です。大々的にワークフローを活用されている企業もありますし、スケジューラだけを使われている企業も少なくありません。そうなると、利用されているリソースの量もまったく異なりますから、移行の作業量やコストも違ってくると言えます。

 【堀見】 ただ、グループウェアを導入していても、全機能を使っているところはほとんどありませんし、大部分の企業では、スケジューラは当然使うとしても、あとはメール/メッセージ、掲示板、ファイル管理くらいという範囲内に収まってきます。そのため、ほとんどのケースでは、移行した際に機能が足りないとか、データ移行で想定外のコストが発生するといった事態が生じることはないでしょう。

Question

ほかのシステムとのデータ連携を行っている場合はどうでしょうか?

Answer

【堀見】 SaaS型への移行が難しいことはたしかです。弊社の場合は「IIJ GIO サイボウズ ガルーン SaaS」を単独で提供しているのではなく、必要な連携システムをクラウド基盤「IIJ GIO」上に総合的に構築できるため、ほかのシステムと連携したままでクラウドへ移行といったことも個別に対応することが可能ですが、それでも、やはり簡単なものとは言えません。また、既存の社内システムとのアカウント連携、あるいは、ほかのSaaSとのシングルサインオンに関しては、要望をいただくことが多くなっているため、今後より容易に実現できるよう検討を進めている段階です。


●ありがとうございました。


取材協力

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1992年、インターネットの商用化を目的とした会社として設立。インターネット接続事業で培った技術をベースに、メール、セキュリティなどのアウトソーシングサービス、ネットワーク構築からシステムインテグレーション、運用に至るまで、あらゆるニーズに応えるサービスを総合的に提供している。


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