システム監視・運用もクラウドで行う時代へ

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掲載日 2012/11/13

ザ・キーマンインタビュー システム監視・運用もクラウドから実施する時代へ

クラウドの活用が進むにつれて、運用管理も従来と異なるかたちが求められつつある。特にクラウドとオンプレミスのシステムを、どのようにして一元的に運用するかということは、今後、いっそう大きな問題として浮上してくるだろう。最近では企業システムの運用管理を行うためのクラウドサービスも登場してきたが、これも1つの答えと言えるのかもしれない。

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マーケティング本部
プロダクトマーケティング部 GIOマーケティング課
課長代理 土岐田 尚也 氏
平野 豊成 氏  荒木 誠一 氏

サービスオペレーション本部
サービスサポート部 M&Oサービス開発課
主任 福原 亮 氏

クラウドへの移行が進むにつれ、企業システムはより分散する

Question

既に多くの企業において、情報システムのクラウド移行が様々な形態で実施あるいは検討されている状況だと思われますが、ネットワーク/ITソリューションベンダという立場から見て、実際の動向に関してはどのようにとらえていますでしょうか?

Answer

クラウド移行が本格化するにつれ、その対象もいわゆるWeb系/情報系システムから、業務系システム、そして、基幹系システムへと実際に広がっていると感じます。こうした、企業の根幹をなすシステムに関しても、クラウドサービスを利用して、しかも可能な限りアセットレスにしておくことで、様々なメリットを積極的に享受しようという動きは、今後いっそう進んでいくのはないでしょうか。

Question

そうした過程の中で、クラウド環境とオンプレミス環境が混在するなど、企業システムが複雑化しているという側面もあるわけですよね?

Answer

株式会社インターネットイニシアティブ:土岐田 尚也 氏

大々的に投資を行って、例えば、システムすべてをクラウドサービスなどへ一挙に移行するといったかたちが1つの理想なのかもしれませんが、実際にはそういうわけにもいきません。しかも、クラウドサービス利用のメリットについては、「使いたいときに、いつでも始められる。あるいは逆にやめられる」「ミニマムでのスタートが可能」ということもありますから、今できる部分からやっていこうというアプローチになるのは、ごく自然なことだと思います。ただ、その結果、混在というか、企業システムが分散しがちになるのもたしかです。

 そうした状況では、当然ながら、ばらばらになってしまったシステムを効率的に運用管理したい、一元管理したいというニーズが生じます。実際、弊社では以前からデータセンタ事業者、クラウドサービス事業者という立場で運用管理サービスを提供していますが、それらの環境、更にはオンプレミス環境も含めて、横断的に運用管理したいという要望がお客様から多く寄せられていました。

Question

実際の現場においては、どういった点で悩みや課題を抱えている企業が多いのでしょうか?

Answer

株式会社インターネットイニシアティブ:荒木 誠一 氏

従来のオンプレミス環境だけのシステムは初期のコストはかかりますが、基本的にオーダーメイドですので、多くの場合、お客様の望む、つまり、その企業のニーズにかなりフィットしたかたちで構築されていたと思います。しかし、クラウドサービスでは、「資産を持つ必要がない」「事業者側でまとまったリソースを扱うことになるため、コストを圧縮できる」というメリットがある一方で、やはり、サービスとして利用することによる制約も多かれ少なかれ生じるでしょう。弊社では“持たないプライベートクラウド”として、自由度の高いクラウドサービスを提供しており、社内のシステムの延長のように利用したり、既存の構築・運用管理手法をそのまま踏襲し、オンプレミス環境とも一元管理できることなどを重視していますが、それでも制約が完全に皆無とまでは言い切れないかもしれません。

 ましてや、パブリッククラウドなどでは、独自のルールやAPIなどを前提として作られていて、既存の運用スタイルやシステムインテグレーションのスキルセットなどをそのまま持ち込めない場合もあります。そのクラウドサービスについていく、というような覚悟を決めるならともかく、実際にはそうもいきませんから、やはり、そうした部分でクラウドサービスの導入につまずくケースが多いのではないでしょうか。つまり、導入・移行は完了しても、その後の運用管理において、既存の手法が適用しにくいため、新たに作り上げなくてはならないというのが、大きな悩みどころになっているという状況です。


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管理すべき対象の“改変”が非常に短いスパンで繰り返されることがやっかい

Question

既存の運用管理手法がそのまま適用できないということ以外に、クラウド環境の運用管理を難しくする要因などはありますでしょうか?

Answer

株式会社インターネットイニシアティブ:福原 亮 氏

運用管理を行う立場から見れば、クラウドも含む、仮想環境を前提としたシステムでは管理すべき対象が大幅に増えてしまうということが非常にやっかいな話だと思います。つまり、サーバやネットワークの追加・変更・削除といった、管理すべき対象の“改変”が非常に短い期間で繰り返されるわけです。また、物理的なシステムや仮想空間など、管理すべき観点も多様化します。従来は、アプリケーションなどの変更があるにしても、システム構成自体を短期間でごろっと変えてしまうこといったことは不可能で、通常は4〜5年のスパンで見ていくものでした。ですが、仮想化などの技術の進歩やクラウドサービスの普及にともなってシステムの利用形態も変わってきていて、そのスパンの考え方が通用しない世界になってきています。運用管理者の方々は、ある面では「クラウドとは非常におそろしいものだ」と感じるほどだと言っても過言ではないでしょう。

Question

貴社では統合運用管理サービスの中でSaaS型の監視サービスを提供していますが、こうしたサービスは特にどのような構成のクラウド環境の課題解決に有効と言えますでしょうか?

Answer

一般的には、クラウドサービスをはじめ、データセンタのコロケーション/ホスティングサービス、そして、オンプレミスと、様々な環境に点在する自社システムの監視・運用を包括的に管理したいという課題を抱えている企業において、大きな力を発揮すると言えるでしょう。SaaS型では、監視ソフトウェアなどのライセンス管理が不要になる上、先ほどクラウドのメリットとして挙げたように、事業者側でまとまった数のツールを導入しているため、コスト圧縮にもつながります。更に、IIJ GIO統合運用管理サービスに関しては、他社のクラウドサービスを使われている場合にも対応可能です。また、オンプレミス環境だけを利用しているという企業への導入も想定しています。

Question

先ほどのパブリッククラウドのデメリットと同様に、こうした統合運用管理サービスを利用する際には、ユーザ側である程度の妥協といいますか、サービス側にシステムや運用管理手法を合わせるという必要などが生じたりはしないのでしょうか?

Answer

むしろ、事業者側の体制整備が必要だと感じており、顧客企業のシステム構成管理情報は本当に正しいのか、使い方などは導入した当時と変わっていないのかということを、常に把握しておけるような仕組みを整えておかねばならないと考えていますし、そうした意識を今回のサービスにも生かしています。また、今回のサービスの大きな特長として、「ユーザセルフ」「アウトソース」という2つのメニューを用意し、お客様の運用スタイルに応じて選択いただけるようにしました。

 「ユーザセルフ」は、お客様ご自身が運用するスタイルで、エンタープライズ向け監視機能を迅速に導入でき、設定変更なども可能です。また、「アウトソース」では、システムの障害検知からプロアクティブな障害対応までカバーしていますので、運用負担を大幅に軽減し、システムのダウンタイムを最小限に留めたいという方には最適です。障害対応に関しては、標準手順書によるオペレーションの実施、サーバプロセスの起動などを行うほか、お客様個別の手順の実施、障害調査、復旧対応も行います。

 システムの利用形態というものは企業によって様々ですから、やはり、あまりサービスを絞り込んでしまうと、そこにお客様のシステムの運用を合わせていただく必要が生じてしまうのもたしかです。ですから、クラウドサービスのメリットを生かしつつ、しかも、幅広いシステム形態・規模の企業の方に無理なく利用していただけるよう、SaaS型の簡易監視サービスから、フルアウトソースとしての利用まで受け入れ可能な運用管理サービスを用意させていただいたというわけです。こうした懐の深さが、いままさに、多くの企業が望んでいる運用管理サービスの条件と言えるのではないでしょうか。


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実は、運用管理はクラウドサービスへの移行に適した分野と言えるのではないか

Question

少し前まではクラウドサービスの導入に様々な不安を抱える企業も多かったわけですが、運用管理をクラウドサービスに委ねるということに関しては、どういった反応がありますでしょうか?

Answer

株式会社インターネットイニシアティブ:平野 豊成 氏

不安だという反応などは実際にはあまりないようです。むしろ、従来の運用管理では実際にかかっているコストの全貌が見えにくいという側面もあったため、IIJ GIO統合運用管理サービスではコスト構造が非常に明確に見える、分かりやすいという声をいただいています。セキュリティ面に関しても、現状では既にクラウドサービスを利用しているお客様が大部分を占めているため、「クラウド=セキュリティが不安」と短絡的には考えることはなくなっているようです。やはり、その部分に関しては、クラウドなどという形態がどうこうではなく、事業者の信頼性で判断するという段階に到達していると感じます。

 ただ、セキュリティに関しては、現在では第三者機関による認証もあり、委託事業者がそうした認証を受けているか、きちんと運用ルールに則ってサービスを実施しているかどうかを事前に確認可能です。運用管理をクラウドサービスとして利用するというと、何か大仰な印象も受けるかもしれませんが、この点を見ていただくことで、不安は解消可能ですし、むしろ、運用管理という分野は、情報系システムなどと同様に、クラウド化に適したサービスだという感覚すらあります。

 弊社では、「クラウドサービスとは、リソースをお客様に対してオンデマンドで提供するもの」というスタンスでいますが、一般的にはより狭い意味で、単に「コンピューティングリソースをオンデマンドで提供する」という認識になってしまっていると感じます。弊社が考えるリソースというのは、コンピューティングリソースだけではなくて、ネットワークリソース、あるいは監視や運用管理といった人間が担う部分まで含まれるものであり、それらを幅広くオンデマンドで提供していきたいと考えているのです。


●ありがとうございました。


取材協力

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1992年、インターネットの商用化を目的とした会社として設立。インターネット接続事業で培った技術をベースに、メール、セキュリティなどのアウトソーシングサービス、ネットワーク構築からシステムインテグレーション、運用に至るまで、あらゆるニーズに応えるサービスを総合的に提供している。


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