クラウドバックアップをUltrabookの常識に

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掲載日 2012/11/09

ザ・キーマンインタビュー クラウド型バックアップをUltrabookの“常識”に

Ultrabookは“どこにいても、思いついたらすぐに使える”といったことを実現すべく規定されたカテゴリだ。しかし、それを本当の意味で実現するためには、クラウドとの連携が不可欠と言えるだろう。今回はPCベンダと連携し、Ultrabook購入者向けにクラウド型バックアップサービスの1年間無料キャンペーンを実施している株式会社アール・アイの代表取締役である小川敦氏にお話を伺った。

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小川 敦 氏

代表取締役
小川 敦 氏

個人単位のバックアップにおいては“無意識に使える”ことが望まれている

Question

貴社では、法人向けの集中管理型バックアップソフトウェアを中心に、幅広いバックアップ製品を展開していますが、そうした立場から、ユーザ企業におけるバックアップに対する意識や取り組みの現状を、どのように見ていますでしょうか?

Answer

株式会社アール・アイ:小川 敦 氏

ご存知のとおり、現在ではバックアップに対する意識レベルは非常に高くなっており、社内にバックアップデータを保存するだけではなく、何か災害などが生じた際に備えて、外部保管も検討したいという企業は増えています。しかし、一定の規模以上の企業や特にバックアップが重要な業種を除けば、基幹システムのデータ、あるいは全社で共有する重要ファイルなどの外部保管の検討から取り掛かろうという段階にとどまっている企業も少なくありません。

 特に個人単位のバックアップに関しては、個人任せというオペレーションにならざるをえない場合が多いのですが、一方で、情報漏洩という観点から、USBメモリや外付けハードディスクは使ってはいけない、バックアップ用のフリーウェアを勝手にインストールしてはならないという規定があるなど、ある種の矛盾が生じています。個人レベルも含めたバックアップを企業としてきちんと実施しておくためにはどうすればいいのか、どんな方法が安全かつ効率的なのかと考えている企業は多いのではないでしょうか。

Question

クライアントPCのバックアップでは、どのようなスタイルが求められているのでしょうか?

Answer

やはり無意識に使えるということではないでしょうか。バックアップを意識することなく、ただPCを使っていれば、常に最新のファイルがリアルタイムでバックアップされているというかたちですね。しかも、上書き前のファイルに関しても、ほとんど無制限に近いレベルの世代まで自動保存してほしい。そのためにはファイルの変化を内部的に検知し、変化したファイルだけをリアルタイムにバックアップする仕組みが必要ですし、しかも、ファイルの送受信にやたらと時間がかかるようでは実用的とは言えないでしょう。

 弊社でも2006年からデータセンタ利用型のバックアップソリューションに取り組んでいますが、一般的なプロトコルを使っていては満足のいくパフォーマンスが得られませんから、独自の転送エンジンを開発することにより、低速な接続環境でもきちんと許容範囲内の速度が出るようにしています。また、弊社のクラウド型バックアップサービス「Air Back クラウド」では最大99世代の自動保存に対応しました。

Question

特に現在ではノートPCをメインマシンとして導入し、外出先での利用の比重が大きいというユーザも少なくないですから、モバイル環境でもバックアップを行う必要がありますよね?

Answer

そうです。更に、そうした用途がメインだとしても、扱うファイルサイズは必ずしも小さいものばかりではありません。ですから、例えギガ単位のファイルがあったとしても問題なく処理できるよう、分割してパケットで送信し、中断した場合にもレジュームできるという機能が、特にクライアントPC向けのバックアップ製品には必要不可欠だと思います。


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Ultrabookとクラウド型バックアップの親和性は非常に高い

Question

今回、いくつかのPCベンダと連携するかたちで、Ultrabook購入者向けに貴社のクラウド型バックアップサービスの1年間無料キャンペーンを実施していますが、これはどのような狙いからなのでしょうか?

Answer

ウイルス対策ソフトに関しては、企業で使うにせよ、個人で使うにせよ、PCを買ったらプリインストールされている、もし、されていなければ自分で必ず入れるという存在になっているかと思います。弊社ではバックアップはそれと同じくらい必要性のあるツールだと考えており、ウイルス対策ソフトと同様に、PCには必ずバックアップツールが入っているということを“常識”にしていきたいのです。そうした中でUltrabookが登場し、これはクラウドとの親和性が高いと言いますか、クラウドと相互補完して、新しい利用スタイルを作り上げていくものだと感じました。だからこそ、弊社の製品とUltrabookとを組み合わせて使っていただきたいと考えたわけです。

 今回のキャンペーンに関しては、実はPCベンダとの間だけではなく、そもそもインテルのほうで「中小企業なども含め、広くUltrabookの普及を図るにあたっては、運用管理への対応、クライアントセキュリティ、そしてバックアップの機能を付加しなければならない」という意向があり、そこから話が進んだという流れになります。そこで最適だと判断されたのがクラウド型バックアップという形態なのですが、やはり法令の問題などもあって、バックアップ先には国内のデータセンタを利用するサービスが望ましい。しかも、今回のキャンペーンは非常にタイトなスケジュールで準備を行う必要があったため、ソフトウェアに関しても国内で自社開発している弊社でなければ対応できない。そうした条件をもとに選定を行い、弊社との連携が決定したという経緯です。

Question

保存容量は基本10GBとなっていますが、その設定に至った理由などはありますでしょうか?

Answer

株式会社アール・アイ:小川 敦 氏

UltrabookはSSDを採用している製品が多く、その場合は容量も限られるわけですが、それでも少なくとも100GB程度のデータ保存は可能でしょう。それをバックアップするには10GBでは全然足りない、少なすぎるといった印象を持つかもしれませんが、実はそうでもないのです。弊社では長年にわたり、企業向けにクライアントPCのバックアップ製品/サービスを提供してきましたが、その経験上、日常的に使われているファイル、バックアップすべきファイルというものは、概ね10GB以内に収まると言えます。

 あとは、やはりコストとのバランスですね。クラウド型バックアップサービスの提供にともなうコストに関しては、ストレージはさほど大きくはなく、ネットワークの通信帯域にかかるコストが大部分を占めます。100GB、あるいは無制限という保存容量にした場合、ストレージのコストも関係しますが、それよりも「いくらでも保存できるから、とにかく何でもバックアップしよう」というユーザが多くなってしまい、データ転送量が大幅に上がってしまいます。そうなると、結局、サービス料金を高くせざるをえないということですね。今回はキャンペーンということで1年間は無料でお使いいただけますが、その後は有料となりますから、なるべく低コストで使っていただけるよう、保存容量10GBとし、月額を525円に設定しました。


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既に実現済みの“電源オフ時”に加え、“移動中”の自動バックアップも実現したい

Question

貴社ではインテルvProテクノロジー対応のバックアップソリューションも手がけていますよね?

Answer

株式会社アール・アイ:小川 敦 氏

2010年12月に、クライアントPCやファイルサーバのバックアップを1画面で管理できる集中管理型のバックアップソフト「Secure Back 3」へ、インテルvProテクノロジーを利用した新機能を世界で初めて搭載しました(アール・アイ/インテル調べ)。“電源オフ状態のクライアントPCを自動起動してバックアップする”ことで、スケジュールどおりにバックアップできる日中に加え、業務終了後の夜間や休日もバックアップできるようになり、長時間を要する初回のフルバックアップも速やかに完了できるようになっています。また、拠点をまたいだバックアップを行う場合には、業務中のネットワークへ影響を与えることなく、バックアップを実行できるというメリットがあるでしょう。まだまだ社内のPCがすべてvPro対応だという企業は多くないでしょうから、今後普及を広げていきたいという段階ではありますが、ソフトウェア/サービスベンダとしては、やはりこうした新しい画期的なテクノロジーには積極的に取り組み、どう使うかという提案を行っていくべきだと考えています。

 UltrabookにもvPro搭載の製品が少しずつ増えていますから、上記のような集中管理の拡大への寄与という点でも期待していますが、それにもまして注目しているのが、インテル スマート・コネクト・テクノロジーです。これはPCがスリープ状態のときでも、Wi-Fiなどを見つければ、自動的にネットワーク接続を再確立し、データ送受信などを行うという仕組みを実現するテクノロジーです。電子メールやニュース、ソーシャルネットワークなどの最新情報を常にダウンロードさせておくといった用途が主体になりますが、これをバックアップに活用したいと考えているわけです。つまり、“Ultrabookをバッグに入れて持ち歩いている間に自動的にバックアップが完了”といったことが実現できれば非常に面白いのではないでしょうか。

 弊社ではこれまで、リアルタイムバックアップを基本としつつ、スクリーンセーバのように、ユーザがPCを触ってない状態が一定時間続いたらバックアップを実行する“アイドルタイムバックアップ”や、PC終了時のみバックアップする“シャットダウンバックアップ”など様々な機能を提供し、バックアップ元ごとに設定できるようにしています。常にユーザビリティを意識した開発を心掛けている中で、主にモバイルで利用するUltrabookに関しては、やはり移動中に自動的にバックアップしてくれるというのが理想だと思います。SSD搭載の製品であれば、移動時のドライブアクセスにも不安は少ないでしょう。Ultrabookには今後もこうした新しい技術が次々に取り込まれていくと期待していますし、弊社もそれらを生かした新しい使い方を積極的に提案していくという姿勢を常に忘れることなく、ソリューションやサービスの開発に取り組んでいくつもりです。


●ありがとうございました。


取材協力

株式会社アール・アイ 企業サイトへ

2005年の創業以来、「誰でも・簡単に・無意識で使えるデータバックアップソフト」をテーマに、クラウド型データバックアップサービス、遠隔地バックアップソフト、集中管理型バックアップソフトといった、純国産のリアルタイムバックアップ製品の開発・販売を行っている。


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