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掲載日 2012/10/26

ザ・キーマンインタビュー 極限までの低価格化でUltrabookに勢いを

パソコン工房、グッドウィル、ツートップ、フェイスなどのPCショップを展開するユニットコムでは、ショップオリジナルPCとしてUltrabookを提供している。注目すべきはその価格設定で、今春発売の第1弾製品で既に6万円以下を実現。その低価格の秘密とは?ショップブランドにとって、Ultrabookが登場した意義とは?同社の小川正敬氏に伺った。

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小川 正敬 氏

営業統括部 シニアマネージャー
小川 正敬 氏

Ultrabookの登場が、ショップオリジナルPCの進化を促した

Question

貴社は複数のPCショップを展開していますが、顧客層としては、やはり個人の方が大部分を占めているのでしょうか?

Answer

株式会社ユニットコム:小川 正敬 氏

実際には法人顧客も多く、広く「企業での利用を目的に購入」という意味で言えば、全体の半数以上に及んでいるかと思います。直接的な大口導入というかたちではなく、例えば、SIerの業務を行っている方が、顧客企業に納入するシステムの構成機器として現金で購入されていくというケースが多いですね。

 そうしたニーズにおいて、弊社のようなホワイトボックス、いわゆるノーブランドPCを扱うベンダには、どのような製品が求められるかというと、本来はデスクトップPCの比率が非常に大きかったと言えます。しかも、低価格で、自由な構成で購入できるものですね。大手のPCベンダがノートPCへと軸を移す中で、その隙間を担っていたわけです。しかし、震災などの影響もあって、デスクトップPCからノートPCへの切替は更に拡大している状況で、弊社でもノートPCの売り上げが非常に伸びており、今年は昨年比で倍近くの販売数に及んでいます。

 そうしたデスクトップPCをノートPCに入れ替えていくという用途においては、やはり、まず低価格であることが前提条件になりますが、その次に、見やすく作業しやすい画面サイズ、快適に入力できるキーボード、あるいは光学ドライブ内蔵といった点が重視されます。ですから、A4オールインワンあたりが最適解とされていました。そうした製品はある程度の厚みと重さにならざるをえませんが、「あくまでもデスクトップPCの代替と考えれば特に問題ではない。ただ、同じ価格帯のままで、もう少し薄く軽くなって持ち運べるレベルになれば、より用途が広がるのだが…」という要望を少なからずいただいていたというのも事実です。

Question

そうしたニーズが高まりつつあった中で、インテルからUltrabookという新たなカテゴリが発表されたというかたちでしょうか?

Answer

弊社では台湾・中国のベンダからPCの主要部品などを調達しているのですが、以前から、ユーザの要求を満たせるレベルの「薄さ」あるいは「軽さ」を実現できないかということは伝えていました。ただ、やはり、技術的、あるいはコスト的な面でなかなか難しかったのです。そうした中で、Ultrabookが発表されたことで、ようやく、様々な部分で土壌が整備され、「低価格で使いやすい薄型ノートPC」の実現へとつながったと言えるでしょう。そこで「Ultrabookの市場は今後大きく伸びていくだろう」と確信し、弊社でも積極的に取り組むことになったわけです。

Question

Ultrabookを展開するにあたり、どのような点に注力されたのでしょうか?

Answer

ショップのオリジナルPCというものは、社名やブランドネームなどを前面に出してアピールすれば、それで売れるというわけではないですから、やはり製品としてしっかりしたものを提供し続けることが重要です。そのため、弊社では以前から「お客様の声から生まれるPC」というコンセプトを掲げていますが、今回のUltrabookでも同様の流れで製品づくりを心がけています。弊社はUltrabookに比較的早い時期から参入しており、Sandy Bridgeを採用した、いわゆる第1世代Ultrabookの段階で既に初代の製品を投入していました。現行のIvy Bridge採用モデルでは、初代に対していただいた意見を反映し、光沢液晶から非光沢液晶への変更、天板・背面の強度向上、より耐衝撃性の高い液晶パネルの採用などに取り組んでいます。


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Ultrabookは企業のニーズにマッチした仕様だが、それに加えて低価格も追求すべき

Question

Ultrabookの市場は今後大きく伸びていくと感じたということですが、実際にショップへの問い合わせなども多くなっているのでしょうか?

Answer

現時点では、Ultrabookの指名買いというのは、まださほど多くはないですね。純粋にスペック面で用途に合わせた導入製品を検討した上で、結果的にUltrabookをお選びいただくというケースがほとんどです。そういう意味では、Ultrabookの仕様は現在の企業ニーズにマッチしていると言えるかもしれません。ただ、やはりコストも無視できない要素だということは確かです。導入を判断いただいた方の多くは、「高性能を実現しつつ、薄型で運びやすい。“だけど、この価格で手に入る”」という後半部分がやはり響いているようですから。

Question

貴社の場合は、Ultrabookのスペックを実現しつつ、最初から5万9980円(税込)という低価格でリリースしたことで、大きな注目を集めましたが、やはり、法人向けPCとして幅広く普及させていくためには、このあたりが妥当だという判断だったのでしょうか?

Answer

株式会社ユニットコム:小川 正敬 氏

正直なところ、大手PCベンダと差別化するためには、可能な限り低価格路線で勝負せざるをえないということが大きな理由ですが、その一方で、明確に“6万円以下”という線を狙った結果でもあります。ユーザ側にとって製品としてのコストバランスが最もよく、また、ベンダ側にとっても、価格と販売数との関係から見た黄金比と言いますか、売上高の最大化を見込めるラインだと考えていましたから。

 では、5万円以下の価格帯は絶対に無理なのかというと、そういうわけではなく、本体がもう少し、例えば、数ミリ程度厚くなってもかまわないと妥協すれば、不可能ではないと思います。コスト面で最も大きな負担になっているのが、実は筐体の薄型化ですから。ただ、そうすると、Ultrabookの仕様から外れてしまい、Ultrabookとは名乗れなくなってしまう。もちろん、それはそれでいい製品にはなるでしょうが、14型以上の場合は厚み21mm以下、14型未満の場合は18mm以下という設定はそれなりに意味のあることだと思っていますし、それをぎりぎり実現できるのが、6万円以下という価格だったわけです。

Question

その分、そのほかの面では、かなりコスト削減に苦心されたということでしょうか?

Answer

そうですね。ただ、ほかのタイプと比べると、Ultrabookに関しては、現時点ではあまりコスト削減を図る余地がないというのも事実です。バッテリ駆動時間も5時間以上と決められているので、バッテリのセル数などもなかなか落とせない。あとは仕様で定められていない部分、例えばキーボードなどに関しても、ビジネスで利用される方が多いという事情を鑑みると、おざなりにするわけにはいきませんから、配列を工夫するなどして、コストを抑えつつも品質にはこだわっています。


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起動用にSSD、データ保存用にHDDという構成を多くのユーザが歓迎

Question

初代モデルで得た要望を製品づくりに生かしているということですが、逆に、初代の時点で既に好評だった部分などをお教えいただけますでしょうか?

Answer

株式会社ユニットコム:小川 正敬 氏

第1世代Ultrabookの時点では、ほとんどすべての製品がSSDのみを搭載していましたが、弊社のUltrabookに関しては、最初からSSD(64GB)+HDD(500GB)という構成を採用しました。その点は多くのお客様から高い評価をいただいています。

 しかも、その際にISRT(Intel Smart Response Technology)を用いる、つまり、SSDをキャッシュにしてHDDを高速化するというアプローチではなく、SSDは起動ドライブ、HDDはデータ保存用という、よりシンプルな構成を採用することで、単純で分かりやすく、しかも、十分に高速さが実感できているという感想をいただいています。もちろん、ISRTを利用する場合には様々なメリットもあるかと思いますし、弊社でもUltrabook以外の製品などでは採用していますが、今回に限って言えば、このかたちだからこそ、いい評価が得られたと感じています。

Question

今後はどのような展開を行っていく予定でしょうか?

Answer

法人での利用を考えると、大企業などでは問題ないかもしれませんが、中小企業などではやはりまだまだ光学ドライブ搭載は不可欠というところも多いですから、そうした要望にも応えたいと考えています。あとは、より高解像度の液晶、あるいは15.6型などの大型液晶を採用したモデルといったバリエーション追加なども検討中です。いずれも簡単に実現できるのではないかと思われるかもしれませんが、“コストを抑えつつ”という条件が加わると非常に難しい問題と言えます。

 例えば、薄さという制限がある中で、光学ドライブを搭載するためには、より薄型の液晶パネルを採用して、本体側の厚みに余裕を持たせられればよいのですが、当然ながら、コストアップにつながります。いろいろと工夫を重ねることで、コストが上がらないようにしつつ、「お客様の声から生まれるUltrabook」を実現していきたいと考えています。


●ありがとうございました。


取材協力

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パソコン工房、グッドウィル、ツートップ、フェイスなどのPCショップを展開し、PCやパーツ、周辺機器などの販売を行うほか、各店舗で提供するオリジナルPCの開発・製造も行っている。


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