技術面から眺めた最新サーバOSの真の姿とは

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掲載日 2012/09/24

ザ・キーマンインタビュー 技術面から眺めた最新サーバOSの真の姿とは?

マイクロソフトの最新サーバOS「Windows Server 2012」は、昨年9月9日のデベロッパープレビューのリリース以降、今年2月29日にはベータ、6月1日にはリリース候補版の公開を経て、大方の予想以上のスピードで完成までにこぎつけた。その異例の早さに込められた意味とは?また、数々の新機能がもたらす実力とは?サーバープラットフォームビジネス本部 Windows Server製品部 マネージャーの藤本浩司氏にお話を伺った。

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藤本 浩司 氏

サーバープラットフォームビジネス本部
Windows Server製品部 マネージャー
藤本 浩司 氏

クラウド技術を全面的に取り入れたWindows Server 2012

Question

Windows Server 2012は「クラウドOS」とうたわれているようですが、やはり、クラウド/仮想化周りを主体に、様々な新しい技術が取り込まれていると言えるのでしょうか?

Answer

日本マイクロソフト株式会社:藤本 浩司 氏

たしかに「クラウドOS」という表現を積極的にアピールしていますが、それだけでは誤解を生じかねないため、あくまでも“クラウドの技術を取り入れたOS”ととらえていただいたほうがよいかもしれません。つまり、例えば「うちではクラウド導入・構築などは考えていないので、Windows Server 2012を導入する意味はないのだろう」という考え方は必ずしも当てはまらないわけです。

 Windows Server 2012のターゲットとして、われわれは大きく分けて、2つのターゲットを見据えています。まず1つは、当然ながら「クラウドを使う」という領域です。マイクロソフトのクラウド プラットフォームである「Windows Azure」、あるいは、今後登場してくるパートナークラウドなども含まれますが、そうした様々なクラウドを利用する際に、使い慣れたWindowsをベースとすることで、オンプレミス環境でもクラウド環境でも同じ使い勝手を実現するということが重要なミッションだと考えています。

Question

まず、そういったクラウド連携を図るために、様々な仮想化技術が用いられているということでしょうか?

Answer

そうですね。例えば、Windows Server 2012では「ネットワークの仮想化」を実現しますが、これはホスティング事業者などで1つのシステム上で複数の企業のサービスを同居させる、いわゆるマルチテナント、あるいはソフトウェアによるネットワーク制御を可能にするために用いられてきた技術です。また、「ストレージの仮想化」にも対応しており、容量の異なる物理ディスクを1つの大容量ディスクとしてまとめることが可能になります。そのほかにも数多くのクラウド/仮想化技術が取り込まれており、様々な種類のクラウド間あるいはオンプレミス環境との間で簡単に行き来させられるといったような使い勝手のよさを実現し、言うなれば、クラウド、オンプロミスを1つの大きなシステムとして扱えるようにするわけです。

図1 Windows Server 2012によるネットワークの仮想化
図1 Windows Server 2012によるネットワークの仮想化
出典:日本マイクロソフト(2012年9月)

Question

もう1つのターゲットというのは、どういうところになるのでしょうか?

Answer

こちらはクラウドそのものを使うのではなく、クラウドや仮想化の技術を幅広い企業の方に活用していただくということです。もちろん、将来的には大部分の企業が何らかのかたちでクラウドを活用することになるでしょうが、当面は関係ないと考えている方々も少なくないかもしれません。しかし、現状でもクラウドで培われた様々な技術をうまく取り入れることで、システムの運用管理や維持に必要なコストの削減、あるいは事業継続対策など、様々な課題解決を図ることが可能です。まずはそういった部分でWindows Server 2012を役立てていただき、更に将来的なクラウド導入に向けての橋渡しの意味も持たせたいと考えています。


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PowerShellの適用範囲が拡大し、運用管理の更なる自動化が可能に

Question

サーバ運用管理を支える基本機能においては、そのほかに注目すべき機能はありますでしょうか?

Answer

日本マイクロソフト株式会社:藤本 浩司 氏

運用管理の自動化を実現するという意味では、Windows PowerShellが従来から高い評価を得ていましたが、今回のWindows Server 2012では更に注目度が高まっているという印象を受けます。オンプレミス環境とクラウド環境を一元的に管理していく上で、やはり、PowerShellによる自動化ということが重要になってくるかと思いますが、Windows Server 2012ではほとんどの処理がPowerShellのスクリプトで扱えるようになっているという点で高い評価を得ています。

 分かりやすい例を挙げると、弊社ではWindows Server 2012の管理・制御の自動化が容易に実現できる製品として、Microsoft System Center 2012というIT管理プラットフォームをリリースしています。このSystem Center 2012では、GUI上で操作を行うことで様々な自動化処理が実行可能なのですが、実はその処理はすべてPowerShellのコールによって実現されているのです。

 IT運用管理プロセスの自動化に関しては、System Center 2012も含め、いわゆるRunbook Automationを実現するアプリケーションも普及していくと見込まれますが、OSのコアな部分だけ自動化したいというニーズもあり、そういう意味でPowerShellにも高い関心が寄せられているのだろうと思います。更に、Windows Server 2012ではActive Directoryをはじめ、管理を支える様々なインフラストラクチャが大幅に強化されており、かつてないほどに堅牢な管理を実現可能です。

Question

Windows Server 2012では、仮想化テクノロジHyper-Vにも大幅に手が加えられたようですが、主にユーザ企業に直接的なメリットをもたらす機能強化について詳しくお聞かせいただけますでしょうか?

Answer

仮想化の使われ方としては、仮想デスクトップも目立つようになっており、今後も拡大していくことが見込まれています。ここで注意すべき点が、通常のサーバ仮想化とは集約率が圧倒的に違うということです。1台の物理サーバ上で50〜60台程度の仮想デスクトップを稼働させることもあるため、メンテナンス時にはその規模の仮想マシンをいっせいに移動させる必要が生じるのです。その際の手間を極力抑えるという点では、ライブマイグレーション機能が非常に有効な手段となりますが、従来のHyper-Vでは同時マイグレーション数が1個のみだったのに対して、今回は一挙に無制限へと飛躍的な進化を果たしています。そのため、使い勝手に関しても、作業スピードに関しても大幅に向上しました。このあたりは、運用管理者の方から見れば、かなり大きな生産性の違いになってくるかと思います。

図2 Hyper-Vのスペック向上、高速化
図2 Hyper-Vのスペック向上、高速化
出典:日本マイクロソフト(2012年9月)

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既存OSとの互換性が高く、安定性にも優れた“クオリティ”にも注目してほしい

Question

ユーザ企業が従来バージョンからの移行を行う際、事前に確認しておくべき点、特に注意すべき点などはありますでしょうか?

Answer

日本マイクロソフト株式会社:藤本 浩司 氏

ここまで紹介したように、Windows Server 2012では大幅な変更が加えられています。あるいは、クラウドOSというコンセプトを主体に、一から構築されたという印象を持たれるかもしれません。しかし、一方で、基本的なカーネル部分などはWindows Server 2008から継承しています。その土台の上に新機能を載せているというイメージなので、既存のWindows Server 2008R2アプリケーションの大部分はそのまま利用可能です。もちろん、新たに追加された機能が多いため、検証は必要になりますが、多くの企業で利用されている多くの市販アプリケーションに関しては、遅くとも年内にはベンダ側でのテストが完了するでしょうし、各企業で独自に開発して利用しているアプリケーションに関しても、多くはそのまま利用可能だと思われます。

Question

新しいOSということで、安定性を気にかけるユーザの方もいらっしゃるかと思いますが、その点に関してはいかがでしょうか?

Answer

Windows Server 2012では「クラウドOS」が前面に押し出されているのですが、実はもう1つは注目していただきたいのが「クオリティ」という要素です。先ほど触れたように、Windows Server 2008のカーネルを継承しつつ、大幅な機能強化や改修を行ったということになりますが、2012年2月29日にはベータバージョン、6月1日にはRelease Candidate(リリース候補版)を公開し、更に早くも8月1日にはRTM(製造工程向けリリース)が完成し、9月に販売を開始しています。

 実際の発売は今年の年末だろうと予想されていた方も多いかと思いますが、非常に短期間で出荷までこぎつけることができました。これはひとえに、今回の開発コンセプトとして「開発者や早期導入ユーザといった方々にファーストタッチしていただく時点で、どれほどクオリティの高いものを用意できるか」という点を目指したからこそ、実現されたことです。早期の段階からほぼすべての機能を実装し、しかも、それがきちんとお客様のニーズを満たしていたため、複雑なバグに悩まされるということもほとんどなかった。つまり、初期段階から最終版まで、大きな不具合などもほとんど発生することなく、非常にスムーズに完成した“クオリティの高い”OSだと言っていいのではないでしょうか。クラウドOSという部分が目立ってはいますが、導入を検討されている企業の方にはこうしたクオリティの高さがもたらすメリットについても注目していただきたいですね。


●ありがとうございました。


取材協力

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「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」というミッションを掲げ、「Windows & Windows Live」「マイクロソフト ビジネス」「サーバー & ツール」「オンライン サービス」「エンターテイメント & デバイス」という5つのビジネス部門で事業を展開している。


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