エネルギーの見える化で賢く省エネ!BEMS

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加

製品の基礎から選び方までをサポート! IT導入完全ガイド

エネルギーの見える化で賢く省エネ!BEMS

2012/10/01


 今年の夏も心配された電力不足は、火力発電所の稼働率を上げることでしのげたが、「原発稼働ゼロ」への方向転換がほぼ決まり、これからの電力料金の引き上げは止むを得ない状況になった。国際情勢の変化によるエネルギー需給の不安定化を吸収する余裕もなくなるかもしれない。コスト削減とリスク対策を考えるとき、すべての企業にとって電力の効率利用は避けて通れない課題になった。今回は、ビル(建物)のエネルギー管理により、省エネと効率的な電力活用を図る「BEMS(Building Energy Management System)」を紹介しよう。IT部門は従来、ビル・建物の設備管理にあまり関心を払ってこなかったが、これからはそうはいかない。ITを活用して、上手にエネルギーを利用していく時代に入ったのだ。特に省エネ法の対象企業以外の企業は「BEMS補助金」を利用して対策をとるよいチャンスだ。

BEMS

※「BEMS/エネルギーの見える化で賢く省エネ!BEMS」の記事を一部ご紹介します。会員登録を行い、 ログインすると、「BEMS/エネルギーの見える化で賢く省エネ!BEMS」の記事全文がお読みいただけます。

会員登録はこちら(無料)



1

 BEMSとは、建物の電力使用量の計測結果をもとに、空調や照明、コンセントなどの電力使用を計画的に抑制し、電力使用の総量削減や、ピーク電力の平準化などによって省エネを果たすエネルギー管理システムのことだ。ポイントは3つある。

導入拠点、あるいは遠隔から電力使用状況の「見える化」を図る。

空調・照明設備などの接続機器を自動または管理者による操作で制御できる。

電力需要ピークを抑制、制御できる。

 BEMSは従来からビルの統合管理システムやビルディングオートメーション(BA:Building Automation)の管理ツールの一部として、主に大規模なビルの管理に利用されてきた。しかし現在ではBEMSだけを単独で利用できる仕組みが提供されている。また電力使用データなどの蓄積・保管・管理を行い、分析レポートやグラフなどの処理を施して出力する機能がクラウドサービスとしても提供されるようになり、これまでコスト効果面で二の足を踏んでいた企業でも手が届く範囲の金額で利用できるようになってきた。一定の条件を満たせば、今なら経済産業省の「BEMS補助金」(後述)が利用できるため、注目されている。

1-1

BEMSのイメージ

 まずはBEMSのイメージをつかむために、従来からインテリジェントビルに備えられてきた統合管理システムの全体像を見てみよう。図1のようにビル内で自動制御ができる機器や設備を中央で管理・制御する仕組みがBA(Building Automation)、またはBAS(Building Automation System)と呼ばれている。

図1 ビルの統合管理システムのイメージ
図1 ビルの統合管理システムのイメージ
資料提供:NTTファシリティーズ

 「BEMS」は下から2層目に描かれているとおり、中央監視ツールからのデータを受け取って管理のためのデータを処理し、必要とあらば中央監視ツールと連携して空調や照明などの機器制御を行っている。インテリジェントビルはじめ近年のほとんどの大規模ビルでは、このような仕組みで電力を効率的に利用する仕組みが建設時にそもそも組み込まれている。

コラム:標準プロトコルBACnetがあるのでマルチベンダ環境でもBAが容易に実現

 大規模なビルの集中管理には、BACnet(Building Automation and Control Networking protocol)という標準プロトコルが利用されており、機器の制御やアクセス制御、防災用のセンサによる監視などの総合的な制御が、メーカーにとらわれない共通仕様で行えるようになっている。


 少し前のBEMSはこのようなBAの一要素であったが、現在ではむしろ自社の意思でビルの設備が大きく変更できないテナント借りの場合などでも、簡単な設備追加とネットワークだけで効果的なBEMSを実現できるクラウドサービスのことを指すようになってきた。
 現在ではBEMSに対応する設備がない場合でも、電力メータや分電盤近辺にセンサを取り付け、データ収集装置(図2)を設置して配線し、インターネットとの接続(VPN接続など)が行えるようにすれば、ほとんどそれだけでクラウドサービスを利用したBEMSが実現できる。拠点が分散している企業でも、各拠点から電力計測データをクラウド上のサービスに集中し、蓄積・分析が行えるようになっている(図3)。

図2 センサデータをまとめる収集装置の例
図2 センサデータをまとめる収集装置の例
資料提供:富士通
図3 クラウドサービスを利用するBEMSのイメージ
図3 クラウドサービスを利用するBEMSのイメージ
資料提供:富士通

 クラウドサービス側で統計的に処理されたデータは、例えば電力使用状況のグラフとして、見やすく、リアルタイムで表示することができる(図4、図5)。

図4 BEMSの管理画面の例
図4 BEMSの管理画面の例
電力使用状況の棒グラフ表示ー横軸が日付、縦軸が使用量
資料提供:NTTファシリティーズ
図5 BEMSの管理画面の例
図5 BEMSの管理画面の例
資料提供:富士通

+拡大


 もちろんグラフ表示のほか、詳細な数値によるデータも抽出可能だ。30分ごとの詳細報告(図6)、日報、週報、月報(図7)、年報(図8)などの帳票も出力できる。全社、地域ごと、拠点ごと、場合によっては部署/フロア単位でも電力使用状況が詳しく把握できる。

図6 30分ごとの電力使用量の集計例
図6 30分ごとの電力使用量の集計例
資料提供:エナリス

+拡大

図7 月報の例
図7 月報の例
資料提供:エナリス

+拡大

図8 年報の例
図8 年報の例
資料提供:エナリス

+拡大


…この記事の続きは、会員限定です。  会員登録はこちら(無料)

続きを読むには…
会員登録いただくと自動的にこの記事に戻り、続きが読めます。

会員登録(無料)・ログイン

このページの先頭へ
関連キーワード

BEMS/エネルギーの見える化で賢く省エネ!BEMS」関連の情報を、チョイスしてお届けします

※キーマンズネット内の「BEMS」関連情報をランダムに表示しています。

BEMS」関連の特集


ビルの電力利用状況を管理し、省エネ計画を適正化するための仕組みを紹介。お国からの補助金制度で省エネ投…



大学キャンパス丸ごと制御、省エネの環を都市全体へ



土砂災害に電力供給、犯罪予測にまで!現状分析と未来予測で、社会インフラ化する「IoT」のユースケース…


「その他運用管理関連」関連の製品

Mac管理ツール 「M2DeployTools」 【三谷商事】 データベース可視化ソリューション MaxGauge(マックスゲージ) 【日本エクセム】
その他運用管理関連 その他運用管理関連
Macの個別設定やイメージ復元、リストアを効率化するツール。Apple製品の取扱いでは25年の実績を持つ三谷商事が独自に開発・提供。 データベースやアプリケーションサーバの詳細な稼働情報、セッション、SQLの実行履歴を可視化できるソフトウェア。すべてのパフォーマンスデータを最小限の負荷で収集。

「その他運用管理関連」関連の特集


 前回紹介した「特定個人情報取扱規定」における基本方針・取扱規定は、ガイドラインに沿った内容で「当社…



システム運用において100点満点はなかなか無く、常に満点を目指した運用改善が求められている。現状の改…



SIerによる手厚いサポートから自前での管理が求められるクラウド時代。だからこそ必要な「Webサイト…


「運用管理」関連 製品レポート一覧

このページの先頭へ

BEMS/ エネルギーの見える化で賢く省エネ!BEMS」の記事を一部ご紹介しました。
会員登録を行い、ログインすると、「BEMS/ エネルギーの見える化で賢く省エネ!BEMS」の記事の続きがお読みいただけます。


Myリストへ 印刷用ページへ

この記事をtweetする このエントリーをはてなブックマークに追加


この記事に掲載している情報は、掲載日時点のものです。変更となる場合がございますのでご了承下さい。


ページ: 1 | 2 | 3


30005108


IT・IT製品TOP > 運用管理 > その他運用管理関連 > その他運用管理関連のIT特集 > 特集詳細

このページの先頭へ

キーマンズネットとは

ページトップへ