クラウド、仮想化にも…統合運用管理ツール

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クラウド、仮想化にも…統合運用管理ツール

2012/08/27


 「運用管理」はITシステムを常に安定稼働させるための多岐にわたる仕事全般のことと捉えられてきた。しかし現在では「ITサービス管理」と呼び替えられることも多い。運用管理部門はもはや既存システムのお守り役ではなく、新ビジネス推進のための重要な役割が期待されているからだ。仮想化やクラウドサービスの進歩により、IT基盤はビジネスニーズを先取りして迅速に変化に対応できる柔軟性やスピードを身に付けた。効果的なITサービスを低コスト・短時間で提供できる力が、企業の競争力のカギを握る時代がもうすぐやってくる。この変化の背後で大きな役割を果たしているのが「統合運用管理ツール」だ。今回は、統合運用管理ツールの基礎知識を改めておさらいしたうえで、新しいシステム環境にどう対応しているかを紹介していく。

統合運用管理

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「統合運用管理ツール」とは?

 業務システムとサーバ、ネットワークを集中管理して運用管理を効率化し、担当者の手間を削減するのが「統合運用管理ツール」の主な役割だ。統合運用管理ツール自身が幅広い管理領域の機能を内包するとともに、既存の個別運用管理ツールと連携し、社内システム全体の効率を高め、コスト削減を可能にする。

■基本的な機能領域

 よく使われている用語を用いて機能領域を簡単にまとめれば、表1のようになる。

表1 基本的な機能領域
表1 基本的な機能領域

 さまざまな機能は、統合運用管理ツールのモジュールとして提供されている場合が多い。領域ごとに既存の運用管理ツールや統合運用管理ツールが使われている場合でも、統合運用管理ツールとの連携を行うことで統合可能だ。

■統合運用管理ツールのメリット

【利点1】システム監視や障害対応の手間が省ける
 運用管理の現場で仕事がラクになったと実感するのは、障害対応が迅速・的確に行えることだろう。設定にはノウハウが要るが、緊急対応が必要なイベント、急がなくてもよいが対応すべきイベント、確認だけしておくイベントなどを、各システムのメッセージから判断して、わかりやすく管理者に教えてくれる(図1左)。対応が必要な障害については、手順書などに基づき管理者が対応することになる。そのときには障害対応案件として別の管理機能の画面にまとめられ、対応の状況を記録し、進捗がわかるようにしてくれる(図1右)。

図1 障害の発見と対応管理の例
図1 障害の発見と対応管理の例
資料提供:日立製作所

 統合運用管理ツールがなければ、複数の管理ツールのコンソールメッセージを常時監視し、管理者の知識やノウハウで対処する必要がある。統合運用管理ツールはメッセージを自動的に判別し、対応が必要なものやその緊急度を知らせてくれるので対応が迅速化し、監視の手間もかからなくなる。各種システムからのメッセージを解釈・統合するのは、各ツールベンダのノウハウであり、違いが表れる部分でもある。
 このような典型的な運用管理業務はノウハウが属人化していることが多いが、手順書を自動的に実行する「ランブックオートメーション」機能や、運用手順をフローチャート形式で見える化してナビゲートする機能などを用いて、組織内の業務ノウハウを共有・標準化していき、効率化・合理化を図るのが望ましい。

【利点2】サーバの稼働状況と性能の監視
システムの稼働状況とパフォーマンスを把握しておくことは重要だ。統合運用管理ツールでは、サーバの設置部署や位置などの情報を管理し、どの業務に使われるサーバがダウンしたか、稼働率、リソース消費量はどの程度かといった情報がGUIでわかりやすく一覧できる(図2)。障害対応に役立つばかりでなく、サーバやメモリなどのリソースの最適配置に役立つ。

図2 サーバ稼働管理画面の例
図2 サーバ稼働管理画面の例
資料提供:日立製作所

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【利点3】 トラブル、障害対応の円滑化と再発防止に役立つサービスデスク
 システム利用上のトラブルは、必ずしもサーバなどの機器やシステムから自動通知されるものばかりではない。エンドユーザからの電話やメールでの問い合わせから対応が始まる場合も多く、この場合は最初の問題の切り分けとその後の適切な担当者による対応が必須だ。このとき、窓口をサービスデスクに統合しておき、その後で適切な担当者に対応を割り振る仕組みをとると、対応がスムーズにできるばかりでなく、インシデントが一元管理できることにつながり、再発防止やシステム改善に結びつく。
 統合運用管理ツールでは問題管理や変更管理、構成管理、リリース管理などの機能と統合したサービスデスクが実現できる(図3)。サービスデスクはユーザと運用管理部門の接点であり、運用管理の国際標準ITILでも特に重要視されている。ユーザの要望を聞きつつ、ITシステムをあるべき姿に近づけるように、ライフサイクルを通して運用管理を改善していくスタートポイントになりうる。

図3 インシデントのライフサイクルとサービスデスク機能
図3 インシデントのライフサイクルとサービスデスク機能
資料提供:NRI

 統合運用管理ツールのカバー領域が幅広いためここでは一部しか紹介できないが、他にもジョブのスケジューリング(自動化)をはじめとした運用自動化機能や、ユーザ視点からサービスレベルを計測・管理するサービスレベル管理などにも注目して調べてみるとよいだろう。

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