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BCP(事業継続計画)で社員保護対策を強化したい

2012/07/05


 BCPでは業務システムの早期復旧のための様々な対策が講じられるが、BCPで最優先されるのは人的資源である社員の保護対策だ。例えば、日頃から職場の安全確認や防災用品の備蓄、避難訓練、緊急連絡網の作成など、社員の安全を確保するための施策を行っておく必要がある。また、「就業中に災害に遭い、会社の指示を得られない場合は業務を中止して帰宅あるいは安全な場所に避難すること」といった事前の通達も必要になる。
 これらの社員保護対策の中で、特に重要視されるものは、災害時の初動対応である。初動対応には、避難、安否確認、帰宅困難者対応などが含まれるが、迅速にこれらのことを実行するには、次の方策が役に立つ。

 【1】安否確認のシステム/サービスを利用する 
 【2】SNSを利用する

 【1】は安否確認の専用ツールやサービスを利用する方法、【2】は帰宅困難者向け情報を収集する方法。以下、詳細を見ていこう。

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解決策1

安否確認のシステム/サービスを利用する

 災害などが発生した場合、「本社や支店、工場などで働いている社員は無事に避難できただろうか」「怪我した社員はいないだろうか」「外回りの営業マンは災害に巻き込まれていないだろうか」など、まずその安否を確認した上で必要な指示やアクションを起こすことになるが、安否確認には「安否情報確認システム」がオススメ。
 安否情報確認システムとは、自然災害や新型インフルエンザなどのパンデミックが発生した時に、迅速に社員やその家族の安否状況を確認・集計するためのシステムのこと。このシステムを導入すると、大地震などが起こると全社員に対し、あらゆる通信手段を使って一斉に安否登録依頼が発信される。登録依頼を受けた各社員は携帯電話やPC、スマートフォンなどを使って安否状況を登録・返信する。そして、防災管理者は社員から届いた安否状況を確認・集計し、その結果をもとに事業継続に必要な詳細連絡などを行えるようになる。
3.11の大震災では、固定電話はまったく不通になり、携帯電話も繋がりにくくなった。そのため社員全員の安否確認が取れるまでに相当な時間と手間を費やした企業が多かった。このように、災害時にはどの通信手段も確実に通信できるとは言いきれないことから、様々なアクセス手段を組み合わせ、情報伝達の可能性を高めることが重要になる。
 こうした安否情報確認のための機能は専用システムのほか、グループウェアの機能としても提供されていたり、クラウドサービスとして利用することもできる。

図1 安否情報確認サービスの例
図1 安否情報確認サービスの例
資料提供:エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社

 一方、通信事業者では、災害発生時、被災地への通信が増加し、つながりにくい状況になった場合、災害用伝言サービスの提供が開始される。これらのサービスを使って、安否確認を行うこともできる。固定電話では音声による伝言、携帯電話では文字または音声ファイルによる伝言が可能だ。
 伝言サービスに登録された安否情報はインターネットなどを通じて、全世界から確認することができる。また、あらかじめ指定した人に対し、災害用伝言板に登録したことをメールで知らせたり(登録お知らせメール)、被災地の方に災害用伝言板への安否情報の登録を依頼(登録お願いメール)することもできる。
 さらに、NTTドコモの「災害用音声お届けサービス」では、災害が発生して電話がつながりにくくなった場合、音声通信に代わってパケット通信により音声メッセージを届けてくれる。音声メッセージを登録すると、そのメッセージを伝えたい相手にSMS(ショートメッセージサービス)で知らせてくれる。

図2 災害用伝言サービスの例
図2 災害用伝言サービスの例
資料提供:ソフトバンクモバイル株式会社

コラム:本人から連絡が入らない場合の対策



 直接本人から連絡が入らない場合でも、安否確認に役立つ情報を入手できる場合がある。例えば、職場のビルに入館システムや監視カメラなどが導入されていれば、その入退室の履歴情報(ログ)や映像記録を調べることで、災害が発生したとき職場にいたのか外出していたのか確認することができ、安否の判断に役立つ。
 また、勤怠管理システムが導入されていれば、災害発生時の出勤状況がわかるので、安否の判断材料になる。さらに、これらのシステムをクラウドサービスとして利用することで、職場がダメージを受けた場合でも、ログ情報が失われる心配はない。
 このほか、社員が持ち歩いている携帯電話やスマートフォンに搭載されているGPS機能を使って社員の所在を確認する方法もある。ただし、事前に社員の携帯電話から位置情報を取得するための設定(同意)を行っておく必要がある。


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