“電源障害”から企業を守る!「UPS」特集

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製品の基礎から選び方までをサポート! IT導入完全ガイド

“電源障害”から企業を守る!「UPS」特集

2012/02/13


 東日本大震災やそれに続く電力不足、計画停電をきっかけに、リスク管理の一大課題として考えられるようになったのが企業システムへの電力供給だ。いざというときのための備えの要がUPS(無停電電源装置)。万が一の停電時に、安全にシステムをシャットダウンできるように、数分〜数十分のバッテリによる電力供給が行うのがこの装置の主な役目だ。ところが大震災後の計画停電のように、数時間の停電でも業務を継続したいというニーズも大きくなってきた。しかも今年の夏も電力ひっ迫は必至の状況。突然の停電や計画停電がいつ起きてもいいように、準備は整えておきたい。そこで今回の「IT導入完全ガイド:UPS特集」では、注目が集まる「UPS」の基礎知識を今一度おさらいしながら、その最新事情、製品の選定法までを紹介していく。

UPS

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 UPSは大容量のバッテリを常に充電しておき、商用電力の供給が停止したり、一時的に品質が低下したりした際に、バッテリから電力を供給する装置だ。停電時にサーバが突然停止しないように企業のデータセンタやサーバルームに備えられることが多い。ときにはクライアントPCや、あまり大電流を必要としない精密機器などに用いられることもある。

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UPSの役割

■サーバを安全にシャットダウンする時間を確保

 UPSの役割は、「サーバを含むIT機器を安全にシャットダウンするまでの時間を確保する」ことである。「シャットダウン」とは、起動しているプロセスが順に終了し、Windowsでいえば「電源を切断する準備ができました」とメッセージが表示される状態のこと。UPSには管理ツールが備わっていることがほとんどで、管理ツールは「シャットダウンコマンド」をサーバに送る。管理ツールからのコマンドを受けてUPSの管理下のサーバは自動的にシャットダウンする。必要な時間は、たいていは数分程度。手動でシャットダウンを行ったとしても数十分あれば十分な場合も多いだろう。シャットダウンではなく「休止」(RAM内容をHDDに保存して終了し、再起動時にそれを読み込んで休止前の状態に戻せる方法)を選べる場合もある。
 また、PDU(Power Distribution Unit:サーバラックで使用する電源タップ)と管理ツールの連携により、コンセント単位の電源ON/OFFを行うことで、サーバのシャットダウン後に、UPSに接続しているストレージをシャットダウンし、次にネットワーク機器を電源OFFにするといった、順序だてたシャットダウン手順を実行することも可能になっている。

図1 自動的にサーバのシャットダウンを行うシンプルな構成例
図1 自動的にサーバのシャットダウンを行うシンプルな構成例
図中の「PowerChute」が管理ツールにあたる
資料提供:シュナイダーエレクトリック
■短時間の停電の場合に業務を継続

 そうは言っても、できればシャットダウンをせずに、業務を継続したいと思うのは無理からぬところ。実際に、数分を超えるような商用電源の停止は、昨年の東日本大震災以前にはほとんど起きていなかった。2009年の日本の10電力会社の統計で停電はユーザあたり年間0.14件、合計14分だ。これは世界的に見ても低い数字。ちなみに電源障害がもっと多いアメリカでも、停電の90%は発生から5分未満で復旧(10%は5分以上継続)、99%は発生から1時間未満で復旧(1%は1時間以上継続)するという。
 そこで、例えばITシステムを5分間はそのまま稼働させ続け、その後も停電が続くようならシャットダウンの手順に移行するといった運用は十分に考えられる。その場合は、負荷容量に適したUPSを選定する必要がある。

■供給電力の品質を保つ

 また停電以外に、IT機器の故障やデータの破損を引き起こす電源障害がある。例えば「雷サージ(過渡変動)」や「ノイズ」、「瞬停(瞬時停電)」などだ。
 こうした障害は、送電経路や企業の施設内で起こる。特に産業用機械などがあると、機械の運転にともなって電圧低下や過電圧、周波数変動などの障害が起きやすい。
 企業向けUPSの多くには電圧安定化回路やフィルタ、サージ対策回路などが搭載されているので、ほとんどの電源障害はカバーできる。サーバ等の電源モジュールもある程度の電源障害に対応できるように設計されてはいるものの、UPSほどには考慮されていない場合が多い。

■データセンタなどの電力管理の一環として

 省電力化が進められているデータセンタでは、UPSからの情報を、PDUや空調設備、温度センサなどの情報と統合して管理を可能にしている。この場合、施設内部のブロックやラックなどの状況を監視するだけでなく、必要とあらば個々の機器の電源制御を行って、不要な電力を節約したり、発熱を抑えたりすることも視野に入る。UPSのPDUとの連携機能を生かして、きめ細かく電力消費や発熱を制御したい場合には有用だ。

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