革命的ネットワーク制御技術「OpenFlow」

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流行りモノから新技術まで! 5分でわかる最新キーワード解説

革命的ネットワーク制御技術「OpenFlow」

2012/02/08


 日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマは「OpenFlow」。レイヤ1〜4の情報をコントローラが管理する新しいネットワーク技術を使えば、スイッチは制御機能が不要になってマルチベンダ化、低コスト化ができるかも!各社のスイッチを利用したVLANに依存しない仮想ネットワークの構築や、仮想サーバのライブマイグレーションへの自動対応などの重要な実証試験が済み、国内著名企業による本格活用も始まった。基本を学ぶなら今のうち!

ネットワーク

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OpenFlowとは何か?

 会社のLANには、ルータ、L2スイッチ、L3スイッチ、ファイアウォールにロードバランサと、様々な機器が要る。必要に応じてネットワークを拡張しているうちに、やがて複雑きわまりない姿になってしまうことも多い。そうなると、構成を変更するのは容易なことではない。
 一方でITサービスのほうは変化が絶えない。仮想技術はその変化に応えて、新規サーバの追加やスケールアウトなどなら数秒〜数分でできてしまうようになった。しかしその変化にネットワークを追随させようと思うと、技術者の作業が間に合わない。追加・変更されるサービスのスピードに、ネットワークの変更作業が追いつかなくなってしまっているのが現状だ。
 その理由の1つが、ネットワーク機器の制御方法が、機器ごとに違っていることだ。単一ベンダの場合でもスイッチのように数が多ければ大きな運用管理コストにつながるが、マルチベンダの機器が並ぶ環境ならなおさらだ。手間がかかる上に、各製品についての専門知識も要る。
 また、仮想サーバを利用して運用管理を自動化しようとする時に問題になるのが、物理サーバを越えた仮想サーバのライブマイグレーション(移動)だ。論理的に別のネットワークになっている物理サーバに仮想サーバが移動した時、従来のVLAN技術では、ネットワークを正しく追随させるのが難しい。
 加えて、拡張中のデータセンタでは、1つのネットワークの論理分割の数がVLAN(分割可能上限は4094)では間に合わなくなってきており、ほかのよい分割法が求められてきてもいる。
 そこで登場したのがOpenFlowだ。これは、スイッチはシンプルにパケット転送に徹し、情報経路のコントロールはソフトウェアで行おうという新しいネットワーク制御技術。これが実現すると、スイッチはOpenFlowに対応してさえいればどのベンダの製品でもよくなる。そして仕事の都合でシステムが変更されても、あらかじめ条件に応じたネットワーク変更をプログラムしておけば、手間をかけず、時間もかけず、ネットワークの自動変更が可能になる。OpenFlowはネットワークの世界もオープン化し、機器をコモディティ化、低コスト化すると予測されている。
 またネットワークがプログラムによって自動変更できることになり、人手をかけず、ヒューマンエラーも引き起こさずに変更が迅速に行える。仮想化サーバのライブマイグレーションに自動対応もできるし、VLANに依存しないので、論理分割数の制限もない。
 こんなメリットいっぱいの新時代ネットワーク制御技術がOpenFlowだ。

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OpenFlowはどんな仕組みなのか?

 OpenFlowは、2008年から米国スタンフォード大学のNick McKeown教授のグループが中心となって推進してきたOpenFlowコンソーシアム(現OpenFlow.org)で提唱したネットワーク制御の仕組みのこと。その仕様は2009年にOpenFlowスイッチ仕様ver.1.0として公開された。現在は2011年2月に公開されたver1.1が最新だが、IPv6関連の仕様が強化されたver.1.2の仕様が固まり、ボードメンバーによって承認されている。ver1.2については、公開後、本サイト内で紹介する機会があるだろう。まずはOpenFlowを大づかみに知っておこう。
 大きな特長は、従来のスイッチが持っていたデータ転送の仕組みと転送の制御の仕組みとを別々にするというアイディアだ(データ(D)プレーンとコントロール(C)プレーンの分離:図1)。データプレーンはOpenFlowスイッチが担当し、コントロールプレーンはOpenFlowコントローラが担う。その間でネットワーク制御を行う通信プロトコルがOpenFlowプロトコルだ。

図1 OpenFlowの3つの構成要素
図1 OpenFlowの3つの構成要素
資料提供:NTTデータ

 このようなネットワークだと、経路制御はOpenFlowコントローラが一手に引き受けるので、各スイッチはコントローラの指示に従っているだけでよくなり、従来のスイッチのようにメーカーが制御機能を一体化して作り込む必要がなくなる。
 コントローラは汎用のサーバに専用ソフトウェアを導入すればよく、スイッチはOpenFlow対応でありさえすればよいので、マルチベンダの製品で構成可能になる。これは既存の大手スイッチベンダへの脅威だと思われていたが、シェア1位のシスコが昨年サポートを表明しており、ジュニパーなどは積極的に普及に関与している。今後は多くのスイッチベンダが追随するだろう。
 また、コントローラはソフトウェアなので、例えばほかの業務システムなどからネットワーク変更を求められれば、それに応じてスイッチへの指示(フローテーブル)を書き替え、物理構成を変えることなく論理的にネットワークを変更することができる。これをSoftware Defined Networking(SDN)といい、特にクラウド環境を柔軟に使いこなすためには有用な手法と考えられている。

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