もう失敗しない!進化する「BI」の活用方法

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製品の基礎から選び方までをサポート! IT導入完全ガイド

もう失敗しない!進化する「BI」の活用方法

2011/12/12


 BI(Business Intelligence)は過去と現在のビジネスの状況をさまざまな視点から可視化し、目の前の課題解決や未来への戦略立案などに活用する手法。約20年前から専用ツールが登場し、多くの大企業に普及したものの、導入・運用コストに見合った活用ができているのかどうかには疑問がつきまとった。ところが現在のBIツールは、企業利益に直結するさまざまな新技術や機能が盛り込まれ、もともとBIがめざしていた「誰でも簡単・迅速に欲しい情報が手に入る」状況が、言葉そのままに生み出せるように変貌している。
 そこで今回の「IT導入完全ガイド:BI特集」では、モバイルデバイスや基幹系システムとの連携・統合、オープンソース製品を含めて、さまざまな規模の企業に最適な導入法が考えられるようになった、最新のBIツールを、基礎から選び方、その活用方法を含めて紹介していく。

BI

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BIツールとは?

 現在のBIツールは、スイート化や業務システムとの統合が進んでいることもあってイメージがとらえにくいかもしれない。図1に示すのはBIスイート製品内の機能の位置づけの一例だ。

図1 BIと経営管理アプリケーションの統合の例
図1 BIと経営管理アプリケーションの統合の例
資料提供:日本オラクル

 この図はBIの領域にとどまらず経営管理領域にまで踏み込んだ「BI基盤」を説明するものになっている。下のほうにあるのが企業内にすでにあるデータソースだ。データウェアハウス(DWH)や業務アプリケーションなど、その形態はさまざまだろう。それらからのデータを中間のBIサーバや多次元分析用のデータベースなどが、必要に応じて、必要な部分だけ吸い上げる。これはETL(Extraction, Transformation and Load)と呼ばれることもある。
 そしてBIサーバなどでデータは仮想的に統合・管理するためのモデル「Common Enterprise Information Model」に格納され、目的に従ってBIあるいは経営管理用のアプリケーションで加工して取り出し、PCやモバイルデバイスなどに送り届けるという仕組みだ。
 この中で純粋なBIツールはBIサーバということになるかもしれない。しかし実際にはデータソースに接続する出入口がなければ始まらないし、分析アプリケーションがなければ意味がない。こうした流れを担う、データソースを除いた全体を一般的には「BIツール」と呼んでいる。
 次に、BIツールで何ができるのか、機能を順に見ていこう。

■数秒で結果表出も!「定型レポート機能」

 まずはレポート機能だ(図2)。これはあらかじめ用意されたレポートのフォーマットに、適宜、目的に応じたデータを当てはめて出力する機能だ。従来はIT部門が帳票作成システムを使って帳票を作成し、各部門や担当者に配布していた。それには1日以上の時間がかかることが多かったが、BIツールにおいてはたいていは数秒で結果が表示される。体感的にはWebサイトのブラウジングと同等のレスポンスだ。
 表示されたレポートの条件は簡単に変更できる。例えば売上集計の月度を変更したり、店舗を変更したりすれば、表の内容やグラフがすぐに差し替えられる。また、ある地域の売上情報を参照しているときに、何かを発見したらすぐに別店舗のレポートに切り替えたり、時間軸の推移のレポートに切り替えたりすることが、ほとんど一瞬で行える。レポートの切り替えや集計のスピードが速いので、定型レポートであっても対話的な感覚で分析できるのが、BIツールの大きな利点だ。

図2 定型レポートの表示例
図2 定型レポートの表示例
資料提供:KSKソリューションズ

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 また、レポートのフォーマットそのものを作成するのは、IT部門の仕事になることが多いが、BIツールではわかりやすいGUIでエンドユーザが自分自身でフォーマットを組み立てることもできる。製品によって標準で作成機能がある場合と、オプションで購入する場合とがあるものの、個人や部門のその時々の必要に応じたレポートが、時間をかけずに作成可能だ。そうして作成したフォーマットには、自動的に情報が流し込まれる。これは非定型レポート機能と呼ばれている。

■専門知識がなくても大丈夫!「アドホックな分析機能」

 たくさんのレポートフォーマットを用意していても、分析のニーズは往々にしてその枠をはみ出す。例えば、店舗別の売上を見ていくうちに、商品そのものに問題がありそうだと思いあたった場合に、商品別のレポートが用意されていなくても、すぐに商品軸で売上の推移を表やグラフで取り出すことができるのが非定型(アドホック)分析機能だ。分析の専門知識がなくとも、画面からの項目選択やドラッグ&ドロップなどの操作により、さまざまな分析が可能になっている(図3)。結果もグラフィカルに表示できる。
 またデータは同じでも分析視点が異なると分析結果を取り出すことが難しいのが普通だが、BIツールの場合は搭載している多次元分析機能(OLAP)でそれを極めて短時間で行ってくれる(図4)。OLAPはもともとデータウェアハウス(DWH)を用いてアナリストやマーケッターが行う専門性の高い技術と思われてきた。しかし現在ではBIツールによってエンドユーザが自分自身で行えるようになった。

図3 アドホックな分析機能の例
図3 アドホックな分析機能の例
資料提供:マイクロストラテジー・ジャパン

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図4 多次元分析機能の例
図4 多次元分析機能の例
資料提供:KSKソリューションズ

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 なお、大量のデータの中から、通常は見えにくい傾向や特徴を発見するのがDWHやデータマイニングの利用目的だ。それに対してOLAPはユーザが「ここに問題があるのではないか」と目星をつけ、データへの視点をさまざまに変えて検証する「仮説検証」に向いている。

■「ダッシュボード機能」とアラートで、問題点をすばやく発見!
図5 ダッシュボード機能の例
図5 ダッシュボード機能の例
資料提供:日本オラクル

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 ビジネスの現状を表す各種指標(KPI)を常時測定し、表示するのがダッシュボード機能だ(図5)。KPIの設定や重み付けの設定に従い、ビジネス上の問題点をすばやく発見して対応がとれるのが利点だ。
 表示を見て気づくこともできれば、特定の指標のしきい値を超えたときや、設定したイベントが発生した場合にアラートや通知を行うようにすることもできる。
 ダッシュボード上の表示で興味をひくポイントがあれば、そこから関連するレポートにジャンプしたり、個別に分析を進めていくことも可能だ。
 また製品にもよるが、Webで表示可能なダッシュボードの情報は、例えば業務システムの社内ポータルに組み込んで、日常業務をしている最中でも確認できるようにすることもできる。

■BIツールは「マルチデータソース」

 以上の主な機能を踏まえると、BIツールの目的はおわかりのことだろう。ビジネスの現状と経緯を正確にとらえ、業務に生かし、これからの戦略を練る、そんな情報活用ができることになる。上手に使えば、未来予測(ビジネスアナリティクス/BA)や今後のビジネスのシミュレーションのためにも利用可能だ。
 しかし、こうした謳い文句はほかのツールでもよく使われている。ERPツールやCRM/SFAツールなどの業務ツールが分析系の機能を充実させており、めざすところを言葉にすればBIツールと大差はない。
 しかし、それらが特定アプリケーションに紐付いたデータを分析対象にしているのに対し、BIは特定の業務アプリケーションだけでなく、複数の基幹系業務システムや情報系システムから組織に蓄積される広範で大量なデータであっても対象にできるところが大きく違う。

■スピードを追求するBIツール

 さらに、結果を手にできるスピードも違う。BIツールには、業務システムに負担をかけずに、大量データを取り扱う重い処理を軽やかに行うための、数々の工夫が凝らされているからだ。インメモリ処理の技術や、ストレージやDBMSのキャッシュを効果的に利用する技術、データを圧縮する技術など、各ベンダはそれぞれがもつ技術を長年かけて磨いてきた。
 それに加えて、現在ではネットワークが高速化し、64ビットプラットフォームの普及によって理論的には16エクサバイト(16億GB)のメモリが利用可能になり、場合によっては超並列データベースアプライアンス(DWHとして利用)や、インデキシングが簡素化できる列ベースのデータ管理技術、あるいはnoSQLやhadoopといった高効率な大量データ管理技術も利用できる環境が出現している。

■よりわかりやすい視覚化がBIの命

 他の分析系ツールとの一番の違いは、情報を視覚化することだ。図6に見るように、直感的に情報を捉えられるよう、さまざまな表現方法が盛り込まれている。その視覚情報を起点にして、傾向や特徴をつかみ、必要とあらばトランザクションのレベルにまで段階的にドリルダウンしたり、さらに多角的な分析を加えることができる。

図6 BIツールの表現力の例
図6 BIツールの表現力の例
資料提供:マイクロストラテジー・ジャパン

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