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製品の基礎から選び方までをサポート! IT導入完全ガイド

BCP対策の要「データセンタ」最新事情

2011/10/24


 クラウドコンピューティングの時代に突入した今、これからは従来のオンプレミスは次第に少なくなり、データセンタに企業の情報システムを設置する形態にシフトしていくことになる。一方、東日本大震災の震災を経験する前までは、日本国内の電力・通信インフラは世界でもトップクラスの高信頼・高品質を実現しており、安心して企業の重要なデータをデータセンタに預けることができたが、今でもその信頼は変わらないのだろうか。そこで、今回はデータセンタにスポットを当て、その基礎知識から事業継続と節電対策に役立つサービス、そしてデータセンタの選び方までを詳しく紹介する。

データセンタ

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データセンタとは?

 データセンタとは、企業のITシステムを一括して預かることができる専用施設、あるいは専用施設を提供しながらITシステムの運用に関するさまざまなサービスを提供する事業者のこと。データセンタは、サーバやストレージ、ネットワーク機器などのハードウェアを維持管理するだけでなく、企業が保有する顧客情報や取引データなどの機密データも取り扱うことになるので、災害などからITシステムを守ることができる堅牢な建物の中に設置されている。もちろん、情報漏洩などを防ぐための高度なセキュリティ機能も完備されている。
 日本データセンター協会によると、データセンタは次のような特長を持つ。

通常のオフィスビルと比べて非常に多くの通信回線が引き込み済となっている。

災害時にサービスの提供に極力支障が出ないように建物自体が耐震構造になっている。

電力供給が途絶えた場合に備え大容量の蓄電池や自家発電装置等を備えている。

構内で火災が発生した場合に中に設置されている機器を極力痛めないよう、通常のスプリンクラーではなく二酸化炭素やフロンガスによる消火設備を持っている。

■「都市型データセンタ」と「郊外型データセンタ」

 データセンタは「都市型データセンタ」と「郊外型データセンタ」の2つのタイプに分けることができる。もっとも多いのが東京23区内などの大都市にある都市型データセンタで、高速大容量の通信回線を確保しやすい、電力を安定して確保できる、利用者がデータセンタにアクセスしやすい、といったメリットがある。ただし、地価が高いのでコストがかかり、人口密度も高いのでテロなどの事件・事故に巻き込まれる危険性も高くなる。
 一方、郊外型データセンタは地価の安い場所に建てることができるのでコスト面で有利になり、また広大な用地も確保しやすいので拡張性に優れている。ただし、利用者あるいはベンダのサポート部隊が現地に行かなければならないときにはアクセスに時間とコストがかかる。また場所によっては通信回線の確保が都市型データセンタと同じようにはいかないケースもある。

■基本設備

 データセンタでは、災害などからシステムを守るための「保全設備」と、情報漏洩などが発生しないようにするための「セキュリティ設備」が整備されている。

保全設備

 まず、大きな地震がきてもラックなどが転倒しないよう、キャビネットタイプのラックおよびケージ内のオープンラックは、十分な強度を保つ耐震工法により設置されている。また、サーバ台数が増えても十分対応できる冗長構成の空調システムが完備されている。例えば、フロア全体のエアフローを綿密にシミュレーションして空調効率が最適になるようラックを独自開発しているデータセンタもある。さらに、商用電源に障害が発生した場合に安定した電源を供給できるよう、UPS(無停電電源装置)や自家発電設備を備えている。このほか、火災予兆検知システム(超高感度煙検知システム)やガスベース消火システムの導入により、未然に火災を防いだり、利用者のIT機器に損傷を与えずに消火したりできるよう工夫されている。

セキュリティ設備

 セキュリティ設備としては、データセンタの入退館をチェックして不審者や部外者が勝手に出入りできないようにするための設備が導入されている。例えば、入退室には、静脈を照合するバイオメトリックセンサーによる承認がないと入退室することができないようにしたり、データセンタとその周辺を24時間365日、遠隔操作のビデオカメラシステムで監視したり、24時間常駐の警備員が、データセンタへの接近者を監視したり事故管理を行ったりしてくれる(図1参照)。

図1 データセンタのセキュリティ設備例
図1 データセンタのセキュリティ設備例
データセンタの敷地からハウジングルームまでの間に、段階的に設置されたセキュリティシステムにより、重要なシステム/データを守っている。
資料提供:NTTコムウェア
■データセンタの主要サービス

 データセンタを運営する事業者では、次のようなサービスメニューをラインナップしている。

コロケーションサービス(ハウジングサービス)

 自社保有のサーバやネットワーク機器をデータセンタ内に設置できる、いわゆる場所貸しサービス。データセンタの電源・空調設備や入退室管理などのセキュリティ設備を利用できる。合わせて運用サービスを利用することも可能で、その場合には高効率・高品質・セキュアな運用管理を実現できる。

ホスティングサービス

 予めデータセンタ内に用意されたサーバなどの機器を利用できるサービス。レンタルサーバもこの範疇に入る。ホスティングサービスで提供されるサーバは、ウェブサイトの運用やメール環境の整備に充分な機能を標準搭載しているケースが多い。

クラウドサービス

 必要なときに必要なだけITリソースを利用できるサービス。データセンタ内にクラウド環境を構築し、利用者はハードウェア構成を気にすることなく、高額なアプリケーションを安価な月額料金で利用できる。アプリケーションのバージョンアップやデータ管理などの煩わしい運用が不要で、利用者は業務に集中できる。

■データセンタを利用するメリット

 自社内にサーバルームを設置するのではなく、データセンタを利用してITシステムを稼働させる場合のメリットを整理すると、次のようになる。

24時間365日の安定稼働を実現できる(BCMの確保・構築)。

耐震設備、電源設備、運用管理設備などを自前で用意するには膨大なコストがかかるが、データセンタを利用すれば、これらの設備投資が不要になる。

ITシステム運用のための技術および人材も自前で保有・維持する必要がなくなる。

コンプライアンスやセキュリティの強化に役立つ。

サーバ、データの集中管理による効率化とコスト削減を実現できる。

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