数千パターンもの製造工程の管理を効率化!

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数千パターンもの製造工程管理を効率化!その仕組みとは

2011/12/05


 「多品種・少量生産」でものづくりを行う場合、生産計画の立案は骨の折れる作業である。工程ごとの作業量、従業員がそれぞれ持っている技術、各製品の納期などをパズルのように組み合わせ、計画を立てる必要があるからだ。計画づくりは経験豊かな現場のリーダー格に任されることが多いが、この作業に多くの時間をとられるのは人材活用の視点からみればもったいないこと。しかし、いい加減な生産計画を立てると、全体の作業効率が落ちてしまう。
 今回取り上げたのは、「生産計画支援システム」を導入した歯科技工所の事例。業務計画の手間が半減し、かつ、計画の精度が高まって業務効率は大幅に改善された。さらに、工程の進捗状況や従業員ごとの生産性などを把握しやすくなるというメリットもあったという。

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導入企業プロフィール

協和デンタル・ラボラトリー
従業員数/47名
売上高/3億9千万円/2011年4月期
事業内容/歯科技工所
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導入製品・ソリューション

PRO PLASURM
富士通四国システムズ
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課題 導入システム 効果

各部門のリーダーが、毎日2〜3時間をかけて生産計画を立案。また、生産工程も複雑化する一方で、手作業による計画立案は不可能になりつつあった。

生産計画支援システムを導入。細かな工程をシステムに登録することで、簡単な操作で生産計画を自動作成できるようにした。

4人のリーダーが毎日2〜3時間かけて作っていた翌日の生産計画が、1時間程度で終えられるようになった


1

手作業で作っていた生産計画が、受注増・工程の複雑化で限界に…

■「一点モノ」受注の増加に伴い、製造工程が“数千パターン”にも…

 協和デンタル・ラボラトリーは、千葉県松戸市にある歯科技工所。歯科医院などから注文を受け、義歯やインプラント向け人工歯冠などを作っている。1〜2名程度の小規模な事業所が8割程度と言われる業界で、50人近い従業員を抱えている企業だ。
 同社は2005年、業界に先駆けてCAD(コンピュータ支援設計)・CAM(コンピュータ支援製造)を取り入れた。そして、耐久性が高くて仕上がりも美しい「ジルコニア・セラミックス」の人工歯に注力。この戦略が功を奏し、2005年当時に年2億5000万円程度だった売上額は、3年ほどで4億円近くにまで増えた。
 ところが、仕事量が増えるにつれ、ある問題点が浮上してきた。それは、生産計画の負担が加速度的に増えたことである。義歯や人工歯冠などの歯科技工物は、患者の歯や口に合わせて作る「一点モノ」。その製造工程は、素材や治療技法によって数千パターンに分かれる(図1参照)。しかも、新技術や新製品の登場により、工程はさらに複雑になる一方だという。

図1 歯科技工物の製造工程
図1 歯科技工物の製造工程
人工歯冠の製造工程は、上図のような流れになっている。例えば、「外冠」(義歯の外側の部分)を作る際には、歯科医院からの要望に応じて、数あるパターンの中から1つの製造技法を選択する。また、各製造工程を細かく見ると、さらに十数工程に分解できる。
■なかなか進まない「生産計画の立案」に、各リーダーが毎日2〜3時間を費やしていた

 同社では、各部門のリーダーが経験と勘に基づき、翌日の生産計画を立てていた。ところが、生産工程の複雑化に加え、受注数と従業員数が増えたことで、立案にかかる時間が急激に増えていったのだ。当時は、各チームのリーダーが毎日2〜3時間をかけ、生産計画を練っていたという。
 そこで同社は、生産計画支援システムの導入を検討し始めた。ちょうど、千葉県が「平成20年度サービス産業生産性向上モデル事業」という制度を打ち出しており、同社はこれに応募して見事に採択された。
 当初は、社内でプロジェクトチームを組み、生産計画システムの導入を検討。ところが、専門家の助言がなかったために、議論はなかなか進まなかった。「モデル事業」の報告期限までに結論が出せない危険性が高まり、一度は補助金の辞退を千葉県に申し出たという。そこで、県から紹介されたのが、「ITコーディネータ」の鬼澤健八氏だった。

担当者のナマ声:生産性の高い従業員が生産計画に時間をとられるのは損失

 当時の状況を、代表取締役の木村健二氏は、こう振り返る。

 小さな歯科技工所では、1人の従業員が幅広い工程を担当するケースがほとんどです。しかし当社では、工程ごとに1〜2名の作業担当者を決めています。分業制にする方が業務効率は上がりますし、技術をマスターするのも早いからです。それだけに、生産計画の出来が悪いと、手空きになる技工士が出たり、逆に特定の技工士に負担が集中したりするケースもあります。
 システムを導入するまでは、ホワイトボードやカレンダーを使い、手作業で生産計画を立てていました。このやり方だと、チーム全体の作業量がなかなか把握できず、適正な仕事割りができているのか分かりませんでした。生産計画の見込みが甘いと、納期までに作業が進まず、残業時間の増加につながることも多かったですね。また、工程が見えないのも問題でした。その結果、どこかで遅れが生じても、従業員の作業が遅いからなのか、作業が多すぎるのか、工程の流れに問題があるのかつかめなかったのです。
 一番の悩みの種は、能力の高いリーダーが生産計画の立案に忙殺されることでした。社内で最も生産性の高いメンバーが、生産以外の仕事に長時間を費やすのは、経営者としては見過ごせませんでしたね。(代表取締役・木村健二氏)

代表取締役の木村氏とITCの鬼澤氏
代表取締役の木村氏とITCの鬼澤氏
業界の未来を見据え、システム導入などの施策を打ち出している木村氏(右)と、IT面の支援を行ったITコーディネータの鬼澤氏(左)。
 「我々は、ITに関しては素人。当初は従業員だけでシステム導入の検討をしていましたが、今振り返れば、早い段階でプロに頼むべきでした。鬼澤さんと出会えたのは幸運でしたね」(木村氏)

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