製造工程の把握で過剰生産の大幅削減に成功!

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製造工程の把握で納期遅れや過剰生産の大幅削減に成功!

2011/10/03


 メーカーにとって、仕掛品(製造過程にある未完成品)の状況を正確に把握することは大切なこと。これができていれば製造の進捗管理が容易になるからだ。
 今回取り上げる企業では、製品を「受注ロット」ではなく、実際に製造現場を流れる「製造ロット」単位で管理するように切り替えた。その結果、納期の遅れや過剰生産の大幅縮小に成功。さらに、業務効率改善による残業の減少や、リードタイムの短縮といった効果も生まれている。システム導入による製造工程の「見える化」は、これほどまでに効果的なのだ。

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導入企業プロフィール

株式会社ユニオン精密
従業員数/国内168人、海外286人
売上/30億円:2011年6月、全体
事業内容/ねじの設計・製造など
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導入製品・ソリューション

アラジンオフィス
株式会社アイル
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課題 導入システム 効果

製品の製造状況を正確に把握することが難しかった。それが原因で慢性的な過剰生産状態に陥っており、時には納期の遅れが生じることもあった。

製造の進捗状況を「バケット」と呼ばれる単位ごとに把握できるシステムを導入。

納期遅延率の半減に成功。製品の廃棄率も格段に減った。さらに、リードタイムの20%以上削減などの効果も上がった。


1

製造現場を正確に把握できるシステムが必要だった

■納期遅れの発生が、当時抱えていた課題の1つ

 ユニオン精密は、精密ねじやリベット、電子部品、特殊部品などを手がける企業。神奈川県の本社、鹿児島県の量産工場のほか、中国広東省恵州に2工場と香港に販売事務所を展開している。2007年には、東海大学と共同で当時世界最小とされる直径0.4mmのねじを開発して話題を呼んだ。
 同社の主力製品であるねじは、決められた寸法で作られた「規格ねじ」と、家電メーカーやカメラメーカーなどからの注文に応じて作る「ユーザ希望ねじ」の2つに大別される。このうち、約7割を占めるユーザ希望ねじは、製品ごとに仕様が異なる「1点モノ」だ。作りすぎてしまうと、ほとんどの場合は廃棄処分となってしまう。
 同社がシステムの刷新を検討し始めたのは、2006年。当時抱えていた課題の1つが、納期遅れの発生だった。その原因は、生産工程の状況を正確に把握するための仕組みが整っていないことにあったという。

図1 ねじの製造工程
図1 ねじの製造工程

担当者のナマ声:製造状況を“正確に”把握するためには、大きな手間がかかっていた…

 ねじの製造工程は、図1のような流れで進みます。
 例えば、お客様から100万本のねじを受注したとしましょう。これだけ大量のねじを同時に動かすことは難しいので、「バケット」(15kgほどの製品が入る小箱)という単位に分けて製造工程を進めます。100万本のねじの場合は、数十バケットに分けて作業を進めるのが普通。ところが従来のシステムでは、これらを100万本という受注ロット単位で扱うことしかできませんでした。検査を終えて完成した製品がいくつあるのか、各工程にいくつのバケットが存在しているかなどの状況は、システムからは把握できなかったのです。
 こうした状況でしたから、お客様から製品の進捗状況を聞かれたときは、工程担当者が工場全体を回って各バケットの状態を確認しなければなりませんでした。手間と時間がかかりますし、時には確認漏れや「幽霊バケット」(あるはずのバケットが見つからないこと)が発生する危険性もありましたね。仮に、納期の直前になって製造数が足りないことが判明した場合、製造の再手配をしなければなりません。それでも間に合わなかった場合、納期遅延につながってしまうのです。
(代表取締役・雨森和彦氏)

当時を振り返る雨森氏
当時を振り返る雨森氏
納期の遅れは企業にとって信用問題。根絶に向けた対策が、一刻も早く必要とされていた。

■リスク回避のための“過剰生産”によって廃棄処分が大量に発生!大きな損失に…

 ねじを受注すると、営業担当者は製造部門に、ある程度割り増しした数の製造を指示するという。多めに作っておけば、将来追加受注したときにも対応できるし、なにより、納期遅れのリスクを小さくできるからだ。特に、製造の難易度が高くて歩留まり率の低い製品や、納期の遅れが許されない案件などの場合は、安全を期すために多めに手配されるケースが多かった。
 一方、営業担当者がどの程度の余裕をみて製造数を指示しているのか、工程担当者には分からない。そこで、工程担当者もリスク予防のため、製造数を多めに設定する傾向があったという。
 その結果、必要量より多いねじが製造されてしまうのが常だった。既に述べた通り、製造量の7割を占めるユーザ希望ねじは、他への流用がきかない「1点モノ」。作りすぎたねじは、廃棄処分するしかない。社内の製造工数はもちろん、表面処理などの外注費用などもムダになり、会社にとっては大きな損失になっていたのだ。

担当者のナマ声:リードタイム短縮などの課題もあった!

 課題は、納期遅延と過剰生産以外にもありました。電化製品、カメラ、ゲーム機といった製品では、世代交代のサイクルが非常に速くなっています。一方、頭部塗装処理やネジの緩み止め加工など、製造工程が追加される製品も増えてきました。そのため、受注から納品までのリードタイムを短縮する必要性が高まっているのです。そこで、製造工程の効率を上げ、待ち時間を少なくすることも求められていました。
 他にも、材料在庫の減少や、出荷工程におけるクレームの削減なども大きな課題でしたね。(雨森氏)


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