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掲載日 2011/07/19
システム部門の羅針盤 大震災から得た教訓とは何か?実現可能な“BCP”策定マニュアル 前編

株式会社 神戸製鋼所
アルミ・銅事業部門 企画管理部●システム室 室長●園田 晋祐氏 設立:1905年
本社所在地:兵庫県神戸市中央区(神戸本社)

鉄鋼関連事業、電力卸供給事業、アルミ・銅関連事業、機械関連事業、建設機械関連事業、不動産関連事業、各種サービス事業など多岐にわたる事業を展開。アルミ・銅事業部門では、飲料缶や自動車、磁気ディスク、熱交換器などに使われるアルミ板を製造・販売している。

過去の震災から得た教訓とその後の対策

編集長:中西由紀 【中西】 2度の大震災を経験されていますが、まず阪神・淡路大震災の時はどのような状況だったのでしょうか?

【園田】 私が所属するアルミ・銅事業部門では、栃木県にある真岡製造所と山口県にある長府製造所、そして三重県にある大安工場が中心となって生産を行っています。当時は、神戸市灘区の製鉄所内コンピュータセンタにホストコンピュータを設置し、大半の処理をそこに集中させていました。アルミ・銅事業部門も、販売、売上といった営業系のシステムをそこに集中させていました。阪神・淡路大震災では、我々の部門はさほど大きな影響がなかったのですが、この製鉄所の被害が大きく、水や電気といったユーティリティがコンピュータセンタに供給されなかったことで、1週間程度営業系のシステムが稼働できず、請求業務が遅延する懸念がありました。そこで、人力で作業が継続できるようマニュアル作成を急遽行った経験があります。

【中西】 阪神・淡路大震災を受けて対策を強化したポイントはどのあたりですか?

【園田】 基本的な対策としては、工場全体の耐震性を高めるための床工事をはじめ、地震の揺れを逃がす免震装置の導入、ディーゼル発電機の設置など、物理的なレイヤでの災害対策が中心です。以前の震災では請求の仕組みなど営業系のシステムが止まってしまったものの、工場自体は被災を免れて稼働を続けることができました。製造業の要とも言える工場設備を中心とした対策を強化したのです。

【中西】 システム的にはいかがでしょうか?

株式会社 神戸製鋼所:園田晋祐氏

【園田】 海から遠いという立地と北関東の強固な地盤を利用し、要員的にも設備的にも重要な拠点として位置付けている真岡製造所に各拠点共通のシステムはすべて統合しています。今回の震災では、事前に工場そのものの補強工事を実施していたこともあり、システムに関連した被害はありませんでした。もちろん、工場の2階部分が破損するなど被害が皆無だったわけはありませんが、マシンルームが無事だったことは幸いでした。ただ、重要なシステムが一極集中していることで、真岡が停止すれば長府などにも大きな影響が出ることが再認識され、新たな対策が必要だと考えているところです。

【中西】 新たな対策とは具体的にどういったものでしょうか?

【園田】 実は、東日本大震災の4日前ぐらいにBCPについて検討する機会がありました。その中では、真岡が万一被災した場合には、長府に機能を移して稼働できるような体制にする必要があるのでは、という議論でした。そんな矢先に今回の震災が発生したのです。震災前は、メインフレームで稼働している生産管理などのシステムを中心に考えていましたが、現在ではメインフレーム以外の部分についても拡大させていく必要があると考えています。

【中西】 ちなみに、今回の震災で計画停電(輪番停電)の影響はありましたか?

【園田】 もちろんありました。トータルでは4〜5回程度停電を経験しましたが、その都度非常用発電機を稼働させました。ただ、発電機を動かすための軽油がひっ迫する場面もあったのです。灯油や軽油などは優先的に被災地支援に使われていましたので、事前に備蓄していたものだけでは間に合わない状況になりました。そこで、調達部門が奮起して、何とか稼働し続けられるように全国から軽油をかき集めてくれたのです。

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