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導入率から使い勝手まで! IT担当者300人に聞きました

企業における東日本大震災の影響

2011/05/17


 キーマンズネットでは、2011年3月11日に起きた東日本大震災を受け、2011年4月19日〜 2011年4月21日にかけて「企業における東日本大震災の影響」に関するアンケートを実施した(有効回答数:1005)。回答者の顔ぶれは、情報システム部門が全体の37.5%、一般部門が33.6%、顧客に販売するベンダ・SIerが28.9%という構成比であった。地域別でみると、震災の影響が大きかった東北5県(青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県)が3.8%、北海道・その他東北(北海道、秋田県、山形県、新潟県)が4.9%、関東地域(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、静岡県、群馬県、山梨県、栃木県)が58.1%で、その他、中部・近畿・中国・四国・九州・沖縄が33.2%であった。
 その方々に今回お聞きしたのは、「社屋や業務は震災の影響を受けたか」「今期のIT施策やプロジェクトへの影響の有無」「IT予算の見直しは行われるか」など、震災の影響を把握するための質問。その結果、回答者の過半数が震災により何らかの影響を受けており、業績見込みや企業システム、IT予算などにもその影響が及んでいることが明らかになった。
 なお、グラフ内で使用している数値の合計は丸め誤差により100%にならない場合があるので、事前にご了承いただきたい。

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1

震災による社屋や業務などへの影響、約6割が「影響を受けた」と回答

 最初に、「震災による社屋や業務などへの影響の有無」について尋ねたところ、「影響を受けた」が58.6%、「とくに影響を受けなかった」が41.4%であり、過半数の企業が影響を受けていることが分かった。また震源地付近の東北5県では92.1%が「影響を受けた」と回答していた(図1-1)。
 続けて、「震災による社屋や業務などへの影響の詳細」について尋ねたところ、全体で1位が「仕入先や取引先の被災による業務の遅延・停止」で66.4%、2位が「自社拠点(ex.本社・支社・営業所)・自社工場などの損壊」で48.9%、3位が「取引先や顧客の被災による取引の減少」で48.6%、4位が「従業員およびその親族の被災」で32.5%と続いた(図1-2)。自社拠点や工場の損壊はもちろん、仕入先や取引先、顧客の被災が業務に影響を及ぼしているケースも多いようだ。フリーコメントでは「停電による業務の停止」「計画停電による通信の制限」といった、停電による業務の影響について言及している方も多く、震災の直接的な影響以外にも原発事故による電力供給問題などの間接的な影響も、少なからず業務に支障をきたす原因となっていたようだ。

図1 震災による社屋や業務などへの影響の有無と詳細

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図1 震災による社屋や業務などへの影響の有無と詳細

 次に「震災によるシステムへの影響」について尋ねた(図2-1)。その結果、23.4%が「影響を受けた」、76.6%が「とくに影響は受けなかった」と回答した。この結果を従業員別に見てみると、「とくに影響は受けなかった」としている割合は、100名以下の中小企業で87.5%、101〜1000名以下の中堅企業では77.1%、1001名以上の大企業では68.2%となっており、従業員規模が小さくなるほど企業システムにおいて震災の影響を受けなかった、とする割合が高かった。従業員規模が小さいほど、拠点などが少なく、システムの規模自体が小さい傾向にあるため、このような結果となったのだろう。ほかにも地域別に見ると「東北5県」以外はどの地域も70%以上の割合で震災の影響を受けなかった、と回答しており、昨今企業でのデータセンタ活用が進んでいることなどから、被災地である東北地域以外では震災によるシステムへの影響は少なかったようだ。
 続いて「震災によるシステムへの影響の詳細」について尋ねた(図2-2)。その結果、全体で1位が「電源供給の停止」で66.8%、2位が「ネットワークの遮断」で61.3%、3位が「サービス・アプリケーションの停止」で22.6%、4位が「サーバ・ストレージ・クライアントなどのハードウェアの損壊」で21.7%、5位が「ラック・データセンタの損壊」で9.4%と続き、電源供給の停止やネットワークの遮断など、震災によって起きた発電所やネットワークインフラの損壊によってシステムに影響があったと回答する方が多かった。そのほかフリーコメントで寄せられた意見でも、「計画停電によるサーバ停止」「計画停電による一部システムの停止」といった「計画停電」による電源供給の停止を挙げる声が多かった。中には「生き残ったシステムへの過大な負荷による動作不良」と回答している方もおり、震災時の混乱の中でダウンしたシステムの復旧はもちろん、生き残ったシステムの負荷分散・保護などの面も平時の際に確認しておく必要があるようだ。

図2 震災によるシステムへの影響の有無と詳細

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図2 震災によるシステムへの影響の有無と詳細
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2

今期のIT施策やプロジェクト、東北5県と関東地域で「影響を受けた」割合が高い

 次に、「震災の影響で、今期計画・予定されていたIT施策や進行中のプロジェクトへの影響」について尋ねたところ、「ほとんど影響を受けなかった」が54.6%、「一部影響を受けた」が37.4%、「大幅に影響を受けた」が8.0%、という結果になり、全体では過半数が「ほとんど影響を受けなかった」と回答していた(図3-1)。ただし、地域別に見てみると、被災地を含む東北5県では「一部影響を受けた」が55.3%、「大幅に影響を受けた」が23.7%と、合計で79.0%が「影響を受けた」と回答しており、関東地域でも同じく合計した結果、50.8%と過半数が「影響を受けた」と回答していた。
 その背景を調べるため、続いて「今期のIT施策やプロジェクトが影響を受けた原因」について、「一部影響を受けた」「大幅に影響を受けた」と回答した方に尋ねたところ、全体で1位が「取引先が震災で影響を受けたため発注できなくなった業務が発生したため」で48.5%、2位が「自社や取引先の業務停止による売り上げの減少が見込まれるため」で38.3%、3位が「国内の景況悪化が予測される中で、見直しが必要だと思われるため」で35.5%、4位が「自社の設備やインフラ(ITインフラ含む)や従業員が直接影響を受けたため」で24.2%と続く結果となった(図3-2)。自社設備や従業員が直接影響を受けた、という声は東北5県を中心に割合が高かったが、その他の地域では、取引先や発注先が震災による影響を受けたことに伴う売り上げの減少やスケジュール遅延による影響など、間接的な影響を回答する割合が高かった。そのほか、フリーコメントでは「計画停電に伴う交通機関の麻痺により、要員の確保が困難となりプロジェクト進捗に遅れが発生した」「交通網の不安定さでメンバーの稼動時間を十分に確保できない」といった声が挙げられていた。

図3 震災によるプロジェクトへの影響と今期のIT施策やプロジェクトが影響を受けた原因

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図3 震災によるプロジェクトへの影響と今期のIT施策やプロジェクトが影響を受けた原因

 次に「一部影響を受けた」「大幅に影響を受けた」と回答した方に対して「進行中・計画中のIT施策が受けた具体的な影響」について尋ねたところ、全体で1位が「進行中か否かに関わらず、新たな震災対応策も含め、優先順位を再度検討中・検討予定」で41.2%、2位が「進めるIT施策やプロジェクトの内容は変更がないが、規模の縮小・予算の削減が求められる」で26.3%、3位が「進行中の施策・プロジェクトのみ継続し、計画段階のものは一旦停止・延期する」で18.2%、4位が「IT施策やプロジェクトは(進行中か否かに関わらず)、すべて一旦停止・延期する」で7.5%と続く結果となった(図4)。震災の影響で進行中のプロジェクトの停止・延期をする企業の割合は少なかったが、今後の震災対応策や予算の見直しなどを鑑みて、優先順位を再検討する企業が多いようだ。ほかにもフリーコメントでは「中止したものはないが、進行中のプロジェクトに遅れが発生。再計画等を実施して全体を調整した」「取引先の状況に合わせて計画を見直す」といった声が挙げられており、進行中のプロジェクト自体は停止しないが、スケジュール調整や取引先状況なども考慮したうえで、プロジェクトの軌道修正を図ろうとする企業は多数存在するようだ。

図4 新たなIT施策や進行中・計画中のプロジェクトが受けた影響

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図4 新たなIT施策や進行中・計画中のプロジェクトが受けた影響
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3

震災によるIT予算の見直し、全体の54.3%が「昨年度より減少する見込み」と回答

 次に、「今回の震災の影響で業績がどのようになる見込みか」について尋ねたところ、「あまり影響を受けない見込み」が35.5%、「まだわからない」が34.3%、「下方修正される見込み」が29.4%、「上方修正される見込み」が0.8%と続く結果となった(図5-1)。これを地域別に見てみると、被災地を含む東北5県では57.9%と過半数を超える割合で「下方修正される見込み」があると回答していた。関東地域でも「あまり影響を受けない見込み」「まだわからない」「下方修正される見込み」がそれぞれ30%前半の割合となっており、停電やネットワーク障害がおこった関東地域では、業績の見通しについては不透明感が強いのが現状のようだ。
 続いて、震災に関連して「今年度のIT予算の見直しは行われているか」について尋ねた(図5-2)。その結果、「見直しはされない」が35.1%、「わからない」が30.0%、「まだ行われていないが、今後見直しを迫られる見込み」22.7%、「既に行われている」12.1%と続いた。「見直しはされない」とする割合が35.1%と最も高い結果となったが、「まだ行われていないが、今後見直しを迫られる見込み」と「既に行われている」の割合を足し合わせると34.8%となり、今年度のIT予算に何らかの見直しが入る企業も多いようだ。また「わからない」と回答した方も、30.0%もおり、業績見込みが未だ立たない状況の中で、IT予算の見直しについても決めきれない企業も多いのだと思われる。
 次に、今年度のIT予算の見直しに関して、「まだ行われていないが、今後見直しを迫られる見込み」と「既に行われている」と回答した方に「見直し後、IT予算はどのようになる見込みか」尋ねたところ、1位が「昨年度より減少する見込み」で54.3%、2位が「昨年度と同様になる見込み」で23.1%、3位が「わからない」で12.9%、4位が「昨年度より増える見込み」で9.7%と続く結果となった(図5-3)。過半数が「昨年度より減少する見込み」と回答しており、今回の震災は各社のIT予算に少なからず影響を与えているようだ。

図5 震災の影響による業績見込み、今年度のIT予算の見直し、見直し後のIT予算

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