待機電力ゼロの連想メモリプロセッサとは

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待機電力ゼロの連想メモリプロセッサとは

2011/08/24


 日々進歩するIT技術は、ともすると取り残されてしまいそうな勢いで進化の速度を高めています。そこでキーマンズネット編集部がお届けするのが「5分でわかる最新キーワード解説」。このコーナーを読めば、最新IT事情がスラスラ読み解けるようになることうけあい。忙しいアナタもサラっと読めてタメになる、そんなコーナーを目指します。今回のテーマ「待機電力ゼロの不揮発性連想メモリプロセッサ」は、電子機器に欠かせない高速検索機能をハード的に実行するCAM(連想メモリプロセッサ)に最先端技術スピントロニクスを用いて、待機電力なしにデータ保持を可能にするもの。瞬時に起動して使える超低消費電力のPCや、超省エネデータベースを実現する可能性を秘めた夢の技術です!

連想メモリプロセッサ

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「不揮発性連想メモリプロセッサ」とは?

 2011年6月、NECと東北大学は、CPU内部やルータなどでアドレス変換に用いられるCAM(連想メモリプロセッサ)という回路を、既存のものと同等の高速動作と、電力なしにデータ保持できる不揮発動作、を両立する技術の開発に成功したことを発表した。

図1 不揮発性連想メモリプロセッサ
図1 不揮発性連想メモリプロセッサ
資料提供:NEC

 この成果は、日本の国際競争力向上を目標とする国家プロジェクト事業、最先端研究開発支援プログラム(題名:「省エネルギー・スピントロニクス論理集積回路の研究開発」中心研究者:東北大学 大野英男教授)の一環として行われたものである。

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スピントロニクスと垂直磁壁素子

 スピントロニクスとは、これまで集積回路では電子の電荷のみを利用してきたのを、電子のスピン(微小な磁力)も利用することで、電力消費ゼロの不揮発性素子を用いた、超低消費電力の集積回路を実現する技術である。中でも、スピントロニクス不揮発性素子の1つとして有望視されているのが垂直磁壁素子である。

図2 垂直磁壁素子
図2 垂直磁壁素子
電子(負の電荷)は、電流の向きと逆方向に流れる
資料提供:NEC

 垂直磁壁素子とは上の図のような構造を持つ微小な磁気デバイスで、流す電流の向きに応じて中央部の磁性を上向き、下向きに自由に書込むことができる。電流によって移動していく自由層の自由電子が、左右のピン層と呼ばれる強い磁石の影響で同じ方向に磁化されたまま流れていくことで、磁化方向が急激に反転する「磁壁」の位置を左右に移動する仕組みである。

図3 磁気トンネル接合
図3 磁気トンネル接合
磁化方向の読出しは、MTJ(磁気トンネル接合:Magnetic Tunnel Junction)と呼ばれる半導体構造で行う
資料提供:日本電気

 磁壁が左右のどちらにあるかは、中央部の磁力線が上向きか下向きかで測ることができる。これを自由層の上に配置したMTJ(磁気トンネル接合:Magnetic Tunnel Junction)という特殊な半導体構造で読み取る。
 ちょうど磁気テープやハードディスクの磁気ヘッドと同じような役割を果たすのがMTJである。(厳密には図の手前/前奥方向に自由層に対してオフセットして配置される。上の図では手前にオフセットしている。)
 MTJ下部の読出し自由層は発生磁場と同じ方向に磁化され、上部の読出しピン層と方向が一致すると抵抗値が下がり、逆方向だと抵抗値が上がる。

図4 3端子構成の垂直磁壁素子
図4 3端子構成の垂直磁壁素子
2つの垂直磁壁素子は1回の電流で互いに逆の状態が書込まれる。
資料提供:NEC

 互いに逆相(MTJのオフセットが対称)の2つの垂直磁壁素子を直列して一括書込みすると、対になるMTJの抵抗値の差を測ることで、簡便な回路で書込まれたビットを読出すことができる。(単一素子の抵抗値の高低をある閾値に対して比較するには複雑な回路が必要)。つまり、垂直磁壁素子を2つセットで1セルとし、1ビットを記録する仕組みである。
 上の図は、2セル分の回路図で、一対の垂直磁壁素子に1回の電流で書込むこと(相補一括書込み)ができ、書込み用のトランジスタは2セルに3つで済む設計となっている。読出し電流を分離し、書込み電流経路に抵抗をなくして、一対の素子への一括書込みを実現した点が、今回開発された技術の画期的なポイントなのだ。
 従来のCAMセルでは2セルあたり8つのトランジスタが必要だったのに対して、トランジスタ数を3/8に削減でき、約1/2の回路面積にCAM面積を削減できることになる。

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