震災に備えてITインフラをどう整備すべきか

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震災に備えてITインフラをどう整備すべきか

2011/06/16


 東日本大震災は、震源地である東北地方のみならず、東北関東全域にわたり、長期的な被害をもたらした。特に首都圏では、震源地から十分離れていたにもかかわらず、公共交通機関の麻痺や通信インフラが機能しなくなったことで、一時人々は大混乱に陥った。また福島第一原発事故の影響により、震災から数カ月たった今でも企業活動は電力不足の影響を受けている。大企業を中心とする多くの企業では、阪神・淡路大震災、新潟県中越沖地震、新型インフルエンザの流行等の経験から既に業務継続計画(以下BCP)を策定済みであった。にもかかわらず、事業再開まで時間がかかった企業もあり、BCPで策定した対策の有効性に疑問を残すこととなった。
 一方で、今回の震災では従来震災対策で利用されたことのなかった多くの技術について、その有効性が新たに注目された。今後、災害に強いITインフラを整備していく上で、これらの技術をどう活用していくべきか、また従来のBCPをどのように見直していくべきかを考察する。

震災

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アナリストプロフィール

武居 輝好

情報技術本部 イノベーション開発部 主任研究員 武居 輝好(Teruyoshi Takesue)

株式会社 野村総合研究所企業サイトへ
アナリストファイル #056

シンクタンク、大手メーカー系ソフトハウスの事業企画部門を経て、2007年野村総合研究所入社。情報技術本部にて、先端技術の動向調査、分析を行うITアナリスト。専門は、システム運用管理技術、センサーネットワーク等のスマートシティ/スマートグリッド関連技術、検索技術等の情報活用技術など。



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今回の震災で役に立った技術や施策

 今回の震災では、阪神・淡路大震災や新潟県中越沖地震などでは利用されなかった技術の活用が目立った。今回の震災で役立った技術や施策を図1に示す。これらの技術や施策は、サーバDR対策やテレワークのように古くから提唱されているものもあれば、クラウドやソーシャルメディアなど比較的新しいものもある。また、テレワークやクラウド、ソーシャルメディア等は、本来震災対策以外での利用を想定していたものである。
 震災直後には、身内や友人の安否確認のために携帯電話を利用する人々が続出したため、携帯電話網に対する音声通信規制が行われた。そのため、社員との連絡が取れず、安否確認や業務通達などBCPで想定していた対策を実施できなかった企業もあった。その際、Twitterなどのソーシャルメディアが同僚や友人の安否確認や交通状況などの状況確認に役立った。
 また、震災直後には、公共交通機関が麻痺したことで、一部の地域では通勤困難な状態となった。その際、テレワークを日常業務に組み込んでいる企業では、通勤困難者の勤務形態を在宅勤務に切り替えることで、平常通り業務を再開することができた。テレワークは、ひきつづき今夏以降予想されている電力不足への対策として、オフィスの節電対策と並行した採用是非の検討が進んでいる。
 クラウドに関しては、まだ普及率が低いこともあり、企業活動に直接大きな影響を与えることはなかったが、多くのクラウドベンダーから被災企業や自治体に向けた無償の支援サービスが提供された。これを利用することで急遽非常用情報発信サイトを立ち上げた自治体もあった。さらには自社のシステムをクラウドへ移行すべきとの議論も震災直後より一部ででてきている。

図1 今回の震災で役に立った技術/施策
図1 今回の震災で役に立った技術/施策
出所:野村総合研究所

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