2011/05/31
キーマンズネットでは、2011年2月22日〜 2011年3月1日にかけて「BIツールの導入状況」に関するアンケートを実施した(有効回答数:564)。回答者の顔ぶれは、情報システム部門が全体の60.6%、一般部門が39.4%という構成比であった。 |
最初に、現在のBIツールの導入状況を尋ねてみた(図1-1)。その結果、「導入済み」が24.6%、「導入を検討している」が12.6%、「必要性を感じない」が20.0%、「分からない」が42.7%となり、まとめると「導入済み」「導入検討中」が37.2%、「必要性を感じない」「分からない」が62.7%となった。また、これを従業員規模別にみると、従業員規模が大きくなるに従って導入率が高くなる傾向にあった。企業規模が大きくなるに従って日々蓄積されていく各種データ量も膨大になり、その結果、それらのデータをコスト削減や企業競争力の強化に有効活用することができるようになるので、導入率が高くなっているのだと思われる。
一方、「導入を検討している」と回答した方をみると、大企業よりも中堅・中小企業のほうがその割合が高い。これは大企業では既に導入されているからという理由だけでなく、SaaS型のBI製品やオープンソースのBIツールなど、中堅・中小企業でも導入しやすいBIツールが増えてきているというのも大きな理由のひとつと考えられる。
次に、BIツールを「導入済み」「導入予定」と回答した人に「主な利用者」を尋ねたところ、図1-2のような結果となった。「導入済み」の1位は「各部門の社員・スタッフ」で45.3%、2位は「企画部門などのビジネス分析を行う専門スタッフ」で30.2%、3位は「部長、課長などのビジネス現場のマネジメント」で18.7%、4位は「役員、執行役員、本部長などの経営層」で5.0%となった。また、「導入予定」の1位は「部長、課長などのビジネス現場のマネジメント」で30.1%、2位は「企画部門などのビジネス分析を行う専門スタッフ」で25.8%、3位は「各部門の社員・スタッフ」で23.7%、4位は「役員、執行役員、本部長などの経営層」で14.0%と続いた。
ここで注目すべき点は、「導入予定」では、部長や課長などの上位の役職者やビジネス分析を行う専門スタッフの割合が高くなってきているという点だ。BIツールは、一般ユーザがIT部門に頼ることなく、自ら情報を駆使して売上や顧客などの分析を行うことによって迅速な意思決定を行えることが大きなメリットであることから、これまでは各部門の現場スタッフを中心に使用されてきた。しかし、最近のBIツールは分析機能の充実・高機能化が進み、分析結果をベースに将来を予測して次に行うべきアクションを導き出すこともできるようになってきたことから、より上位の役職者や専門部隊がビジネス戦略をたてるために使用するケースが増えてきている。こうした機能を搭載したBIツールでは、データから将来を予測し、顧客維持、販促効果、需要計画、品質向上などに役立つ分析を行うBA(ビジネスアナリティクス)という考え方が導入されている。
次に、BIツールを「導入済み」と回答した人にその「満足度」を尋ねてみた。その結果を図2に示す。「とても満足している」が8.6%、「まあ満足している」が58.3%、「やや不満がある」が25.9%、「とても不満がある」が7.2%という結果となった。まとめると「満足」と回答した割合は66.9%、「不満」は33.1%となり、BIツールを導入した企業の6割以上が満足していることが分かった。
「満足」と回答した人からは「自社にて容易にキューブの作成が可能」「ユーザの視点で作り込むことができる」といった意見が寄せられており、必要なデータの抽出や分析条件の設定など、BIツールが搭載している機能に導入メリットを感じていることが分かった。
一方、「不満」と回答した人からは、中堅中小企業のユーザを中心に「データ抽出に専門知識が必要」「専門家向けであり、使い難い」など、BIツールの活用に専門知識が必要で、なかなか使いこなせないといった意見が寄せられている。また、大企業のユーザからは「レスポンスが悪い、操作性が悪い」「検索機能の使い勝手が悪い」など、操作感やレスポンスの悪さに対しての不満が寄せられていた。BIツールは非IT部門での利用ニーズが高いため、ITリテラシに配慮した操作性が求められるが、BIツールの中にはスキルが高くないと使いこなせない製品も少なくないようだ。ただし最近は、視覚的に情報を把握することができる製品や、気になるデータから明細へのドリルダウンが容易に行える製品も増えていることから、今後、こうした不満は次第に解消されていくだろう。レスポンス面に関しては、BIツールで使用するデータ量に大きく左右されることから、導入前に実際のデータ量を想定したテスト運用を実施するのが望ましいだろう。
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続いて、BIツールを「導入済み」「導入予定」と回答した人に「重視ポイント」を尋ねてみたところ、図3-1のような結果が得られた。「導入済み」の1位は「使いやすさ・操作性」で52.9%、2位は「速度・レスポンス」と「導入・運用コスト」が同率で41.3%、4位は「他システムとの連携」で32.6%、5位は「安定性」で29.7%、6位は「分析・レポーティング機能」で27.5%であった。また、「導入予定」の1位も「使いやすさ・操作性」で50.0%、2位は「導入・運用コスト」で42.4%、3位は「分析・レポーティング機能」で39.1%、4位は「速度・レスポンス」で35.9%、5位は「他システムとの連携」で30.4%、6位は「安定性」で28.3%と続いた。
これらの中で、最も重視するポイントについても調べてみたところ、「導入済み」の1位は「使いやすさ・操作性」で23.9%、2位は「導入・運用コスト」で15.9%、3位は「他システムとの連携」で13.8%であった。また、「導入予定」の1位も「使いやすさ・操作性」で25.0%、2位は同率で「他システムとの連携」と「導入・運用コスト」で16.3%と続いた。
やはり、BIツールは非IT部門が操作することが多いことから、使いやすさ(分かりやすさ)を重視する企業が多い。また、「導入済み」「導入予定」のいずれでも「他システムとの連携」を重視する割合が高い。この理由としては、BIツールを使って各種KPIなどの形でレポートを作成する場合、ERPなどの基幹系システムから様々なデータを受け取る必要があるからだ。この時、BIツールが対応していないデータ形式が既存システムで使われていると、情報システム部門にBIツール側で読み込める形式に変換してもらう必要が出てくるので、こうした手間を省くために、他システムとの連携が重視されるのだろう。
ちなみにBIツールを「導入済み」「導入予定」と回答した人に「連携させたいシステム」についても尋ねてみたところ、図3-2のような結果となった。「導入済み」の1位は「会計システム」で41.6%、2位は「RDBMS・DWH用DBシステム」で36.5%、3位は「CRM・SFAシステム」で33.6%、4位は「SCMシステム」で27.0%、5位は「グループウェア・コラボレーション製品」で19.0%であった。また、「導入予定」も1位は「会計システム」で51.6%、2位は「RDBMS・DWH用DBシステム」で44.0%、3位は「CRM・SFAシステム」で41.8%、4位は「グループウェア・コラボレーション製品」で38.5%、5位は「SCMシステム」で26.4%と続いた。
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