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製品の基礎をきちんと理解! IT製品解体新書

IFRS時代を勝ち残れ! ERPツール

2011/05/23


 受発注や販売管理、在庫管理、物流管理、生産管理、購買管理、人事・給与管理、そして財務会計に管理会計。こうしたいわゆる「基幹業務」を統合的にシステム化するのが「ERP」だ。日本では特に会計システムの刷新のために導入されることが多く、現在でもERPに関する話題の中心は会計制度の大転換となる「IFRS(国際会計基準)」にどのように対応できるのかに集中している。制度対応はもちろんERPツールの得意とするところであり、導入やリプレースの際には必ず確認しておくべきポイントだ。とはいえそればかりに着目していてもいけない。ECとの連携機能をはじめとする比較的新しい機能領域や、内部統制・コンプライアンスに関連する管理機能、 BI連携による経営可視化などの側面では、かつてのERPツールとは様相が一変している。さらにクラウドサービスという新たな選択肢、導入を容易にするソリューション一体型の提供形態の登場など、押さえておくべき基本事項は多い。ここでは、IFRS対応を含めてERPパッケージとサービスを解体し、基礎を固めておこう。

ERPツール

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ERPを解体しよう

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ERPツールのあらまし

 ERPは「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略。もともとは製造業での部品表と総所要量計算を行うシステムから出発し、生産管理システム(MRP)を経て発展してきた概念だ。その概念の成熟とともに歩んできたのが「統合業務ソフト」とも呼ばれる「ERPパッケージ」。企業の中で日々行われている会計、販売、生産管理などのさまざまな基幹業務が、1つのパッケージソフトでこなせるため、業務が効率化するとともにデータを一元的に管理できるのがERPパッケージの特長だ。結果として「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」という「資源」を計画的、効果的に配分することにつながる。
 現在のERPパッケージのイメージを図1に示す。図に見るように、統合データベース上にすべての対象業務で発生するデータを集約し、業務プロセスに従った情報の受け渡しや加工、財務報告書をはじめとする情報のレポート化などの仕事を、効率的に、省力化して行えるようになっている。
 統合データベースは実際に1つのデータベースであることもあれば、分散した各システムをESBなりEAIツールなりを用いて疎結合して論理的に統合している場合もある。どちらにしろ元のデータは1つであり、現場の業務担当者や管理者、経営者といったユーザに即して、同じデータを多様な視点で取り出して操作できるところが特長だ。

図1 ERPパッケージのイメージ
図1 ERPパッケージのイメージ

 またERPパッケージはモジュール構成をとるものが多い。会計モジュールを中心にして、適用する業務用モジュールを選んで導入することができる。標準パッケージに多くの業務機能が含まれているツールもあれば、モジュールを別々にすることによって導入コストを低くできるようにしているものもある。新しいニーズに応じてECモジュールやCRMモジュール、BIモジュールなどが追加されることもあり、場合によっては他の専門領域のシステムとの連携機能も併せて提供されることがある。パッケージの構成イメージの一例を、図2に示す。

図2 ERPパッケージのモジュールのラインナップ例
図2 ERPパッケージのモジュールのラインナップ例
資料提供:ワークスアプリケーションズ

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■一連の業務の流れと会計システムや意思決定へのつながりは?

 会社にはさまざまな業務があるが、完全に独立した業務はほとんどない。例えば商品販売について見れば、営業部門で物品の受注ができたら、在庫管理担当者は在庫を確認して出荷を手配し、別の担当者が請求処理を行う。出荷した商品は物流システムに乗り、その管理担当者は納品までを確認する。そして経理部門で販売先から入金が確認できたら1つの仕事がクローズする。製造業であれば、資材の購買や生産などの業務もこれに加わる。
 同時にこの一連の業務の情報のうち少なくともお金が関連する情報については会計部門がすべて把握し、会計に組み込まなければならない。そしてデータをまとめあげて税務申告や財務報告などの必要に応じたフォーマットに項目を抽出したり計算結果をはめ込んだりして反映する。報告書などの作成後には、監査の必要に従って明細情報にさかのぼって事実であることをチェックできることも重要だ。
 また部門の管理者や経営者は、それぞれの職務範囲で刻一刻と変化する会社の業績の傾向や詳細を把握し、必要な意思決定を適時にしていく必要がある。このときには、売上情報などからリアルタイムに経営指標を抽出し、分析して問題を見いだすことが重要だ。そして必要とあらば各業務プロセスの遂行状況や取引の明細情報までドリルダウンしながら根本の問題点を発見できる手段がいる。

■ERPならシステムを統合して業務効率を高め、データの不整合を防止できる

 ERPの登場以前には、上の例のような業務は、営業管理、受発注管理、在庫管理、物流管理、会計管理、経営管理、さらに生産管理や購買管理などといった個別の業務システムの間を、時には自動連携し、時には人手を介して順番に流されていった。会計システムは、その業務の結果だけを反映するものだった。それぞれのシステムは構築当時の必要に合わせて管理項目やデータ形式が決められているので、情報を統合しようとしてもそのために時間がかかり、重複データや実際には使われないデータが存在しているといった無駄も生じがちだったし、システム間でデータの整合性がとれないことも起きた。そのために手戻りが発生したり、同じことなのに何度も入力作業が必要になるなど非効率な作業が必要だった。

 そこでERPを導入すると、まず各システムで共通に使うマスタが一元化され、その部分で情報が矛盾するようなことはなくなる。また業務システムは業務部門用に用意されても、そのデータは統合データベースにすべて集中されるようになる。どのシステムでも統合データベースにアクセスすることにより、常に最新のデータをもとに業務プロセスを進行させることができる。システム間の連携などに余計な処理を行わない分高速に処理できるようになり、またデータの不整合を起こすことがなくなる。
 特に会計システムでは、業務の経緯や結果を一定期間ためておいて反映するのではなく、各種トランザクションの発生と同時にデータベースに反映されるため、決算のための情報収集や仕訳といった作業は特に必要がなくなり、決算の短期化に大きな役割を果たすことができる。
 さらに業務プロセスが標準化され、会計システムに自動的に反映される仕組みは、その間に人による不正が入り込む余地をなくす。内部統制やコンプライアンス確保のためにはここが重要だ。
 また常に最新の業務情報がそこにあることから、いつでも最新の経営指標データが抽出できるところも見逃せない。戦略的な意思決定のためには、こうしたデータが常に入手可能な仕組みが必要だからだ。
 このように業務を統合的に管理するイメージは、ツールの画面を見ていただくとつかみやすいかもしれない。図3にWebインターフェースで操作できるERPパッケージの画面の一例を示す。多数の業務領域にわたって統合的に管理されているようすが見て取れよう。

図3 ERPツールの画面例
図3 ERPツールの画面例
資料提供:インフォベック

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