導入失敗を防ぐ!BIツールの基礎と活用法

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製品の基礎をきちんと理解! IT製品解体新書

導入失敗を防ぐ!BIツールの基礎と活用法

2010/12/20


 日々蓄積されていく各種データを活用し、コスト削減や企業競争力の強化を図ることができるツールとして以前から注目を集めている「BIツール」。近年では、高度な分析・予測機能を特徴とする製品から、高速に分析処理を行うDWHアプライアンス製品、あるいはSaaS型のBI製品まで、実に様々な製品が提供され高機能化も進んでいる。しかしその一方で、せっかくBIツールを導入しても活用しきれていないという声もあがっている。そこで、今回はBIツールに焦点を当て、その最新情報と現場にツールを使いこなしてもらうための方策をお届けする。なお、導入にあたっての製品比較のポイントについては「IT製品選び方ガイド」に紹介しているので、あわせてお読みいただきたい。

BIツール

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BIツールを解体しよう!

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BI(Business Intelligence)とは?

 BI(Business Intelligence:ビジネスインテリジェンス)とは、企画・経営層や一般ユーザが、IT部門に頼ることなく、自ら情報を駆使して売上や顧客などの分析を行い、迅速に意思決定を行うことを指す。この説明文だけを読むと、ITが普及している今なら、誰でもすぐにBIを実践できるように思えるかも知れない。しかし、BIという言葉が登場してからすでに20年以上経過しているものの、実際にBIを行うことはそれほど簡単なことではない。

 例えば、企業が取り扱う各種データはIT部門が責任を持って管理しており、他の部門の社員がBIを実践するために勝手にデータを操作できるようにはなっていないはずだ。従って、BIツールが登場する以前は、IT部門にその都度使用したいデータを集計・加工してもらってから、ようやく経営層やマーケティング・管理職層などがデータを利用できるというスタイルになっていた。つまり、エンドユーザは必要な情報をタイムリに入手することができず、スピーディな意思決定を行うことが困難だったのである。せっかく貴重なデータが社内のコンピュータに蓄積されていても、それをフルに活かすことができなかったのである。

 そこで、IT部門に依存することなく、エンドユーザ自ら必要なときに必要なデータを収集し、それぞれの立場に合った最適な方法でデータを分析しレポートを作成できるBIツールが使用されるようになったのである。

■BIを実現する基本要素

 BIを実現するには2つの基本要素が必要になる。1つは、いつでも必要なデータにアクセスできるよう、データのアベイラビリティを確保すること。もう1つは、そのデータをエンドユーザが自由に使いこなせる環境を構築すること。これを具体的なツールまたは機能で表すと、前者はデータウェアハウスやデータマート、後者はOLAPをはじめとする分析ツール群がそれぞれ担うことになる。この様子を「図1」に示す。

図1 BIを実現するための基本要素
図1 BIを実現するための基本要素
BIはその構成要素ごとに高度化・細分化しており、新たなツールが誕生している。
資料提供:伊藤忠テクノソリューションズ
■データウェアハウスとデータマート、キューブ、ETLツール

 BIでは、まず基幹系システムを始めとするあらゆるデータソースからデータを収集、集計、標準化して、1箇所に「データ統合」する。このように、社内外に散らばったデータ群から、必要な情報を効率よく取り出せるようにデータベース化したのが「データウェアハウス」である。また、データウェアハウスには膨大な量のデータが蓄積されていくので、常にデータウェアハウスにアクセスするのでは時間がかかる。そこで、部門ごとに必要なデータを切り出して、小型のデータウェアハウスを構築することも多く、これは「データマート」と呼ばれている。さらに、高速なクエリ(問合せ)応答処理が必要な場合には「キューブ」と呼ばれる多次元データベースが使用される。
 なお、データソースからデータを抽出(Extract)し、データウェアハウスで利用できる形に変換(Transform)してからロード(Load)するという3つの処理を行う必要があるが、これを実現してくれるのがETLツールである。ETLツールには、データの流れを、GUIを使ってビジュアルで構築する機能やデータ形式を一括変換する機能、不正データを排除するデータ・クレンジングといったの機能が搭載されている。

■OLAPとレポーティング

 必要なデータがデータウェアハウスやデータマートに蓄積されたら、次にその集計結果をいろいろな角度から覗くことになる。そのためのツールがOLAP(On-line Analytical Processing)ツールだ。これを使うことで、SQLなどの特別な知識を持たないユーザ層でも、自由にデータベース内を検索してその結果を表示したり、スライス&ダイスという方法で視点を変えて表示したりすることができるようになり、問題点や解決策の発見に役立つ。
 また、レポーティングツールは、見やすい帳票を作成したい場合などに重宝するツールで、データを自在に抽出し、クロス集計表、分布表、多次元レポートなど、ニーズに応じた多彩なレポートを作成することが可能だ。

■データマイニングとテキストマイニング

 OLAPツールと混同しやすい分析ツールとしてデータマイニングツールがある。ここで、データマイニングとは、蓄積された大量の生データ(宝の山)を自動分析することによって、経験や勘だけでは思い付かないような有益なルールなどを発見することを指す。データマイニングツールでは時系列予測や相関関係の推測だけでなく、パターン認識や人工知能などのデータ解析方法も導入することで、より詳細な顧客分析などが可能になる。
 一方、企業内のITシステムには数値データだけでなくテキストデータも蓄積されている。例えば、コンタクトセンタのオペレータと顧客との会話情報やアンケート、SFAに蓄積された顧客の声など、その企業に対する評価が多数含まれているはずだ。そこで、これらのテキスト(言葉)を分析し、新しい傾向やルール・知識を発見する技術として「テキストマイニング」も登場している。これを使えば、顧客の価値意識、顧客の感動・喜び、顧客の関心を見つけ出し、その結果を製品・サービス開発やマーケティングなどに有効活用できる。

■経営指標モニタリング

 経営指標モニタリングでは、例えば経営者層・管理者層が意思決定に必要な情報を「ダッシュボード」上に一覧表示したり、スコアカードで経営を可視化したりすることができる。こうした経営指標モニタリングは、部門ごとに最適化されてきたBIを、全社規模のEPM(Enterprise Performance Management:CPM・BPMとも呼ばれている)として実践するのに役立つ。例えば、個別のKPIの実績確認には、OLAPやレポーティングツールを使用し、戦略マップの観点から確認する場合には、EPMを使用すればよい。つまり、EPMとBIを経営層、管理者層、一般ユーザ層によって使い分けることになる。

コラム:分析するだけの「BI」から“活用”する「BA」へ!

 最近、BIの世界ではBA(ビジネスアナリティクス)あるいはBAO(ビジネス・アナリティクス・アンド・オプティマイゼーション)という言葉が使われるようになってきた。BAとは「ビジネスを把握/掌握する」ことを指し、BIを包含した考え方だ。簡単に言えば、会社の現状を正確に分析するのがBIで、その分析結果をベースに将来を予測し、次に行うべきアクションを提案するのがBAである。
 つまり、BIは現状分析であり、ビジネスの進捗と結果をモニタリングしてパフォーマンスを最適化する。従って、BIでは売上分析や購買分析などが実施される。これに対し、BAは予測分析であり、データマイニングを核にデータから将来を予測し、結果を最適化することで意思決定の自動化を実現する。BAでは顧客維持、販促効果、需要計画、品質向上などに役立つ分析が実施される。
 また、BAでは情報から如何にビジネスアクションを導き出すかが重要になるが、そのためには実績と目標だけでなく、プロセス段階の情報も可視化し、プロセスと結果を統計的な裏付けで結びつけることが必要になる。これを実現するために、BIからBAへ守備範囲を拡大しているBIツールの場合には、例えば集計関数だけでなく、回帰分析などの統計関数も利用できるようになっている。


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