イチからおさらい!ワークフローの基礎知識

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製品の基礎をきちんと理解! IT製品解体新書

イチからおさらい!ワークフローの基礎知識

2010/07/12


 業務の流れを目に見える形で定義して、実行プロセスを監視しながらスムーズな進行を助けてくれるのがワークフローツール。従来は何らかの申請に対して多階層の承認プロセスを順に追い決裁に至るまでの流れを管理するためのツールと考えられてきた。しかし現在では、システムの流れ、人間の手作業の流れ、ドキュメントの流れ、それぞれのプロセスを統合し、ビジネスプロセス全体の自動化を実現する道具としても捉えられるようになっている。今回は、グループウェアのワークフロー機能とは一線を画す、最新の汎用ワークフローツールの姿を紹介し、役割や機能を「解体」していこう。製品の選び方については「IT製品選び方ガイド」で解説しているので、そちらも参考にしていただきたい。

ワークフローツール

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ワークフローツールを解体しよう!

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ワークフローツールの基礎知識

 「ワークフロー」とは、さまざまな業務が複数組み合わされて1つの意味ある仕事が完遂されるまでの流れのこと。その流れの中から無駄を省き、ミスの発生を防ぎ、完了に至る時間を短縮することができるのがワークフローツールだ。業務の効率化、意思決定の迅速化、無駄なコストの削減…そうした効用を謳うITツールは多いが、多くは個々の業務単位そのものを合理化するための道具であるのに対し、ワークフローツールはある業務から次の業務の間をスムーズにつなぎ、複数の段階に分かれたビジネスプロセス全体の流れを合理化することに重きを置いているところに特徴がある。

■ドキュメントの流れを合理化し、管理可能にするワークフローツール

 従来、特に日本では、業務と業務の間をつなぐのは各種の伝票/帳票類だった。そのビジネス習慣に則って、これまでワークフローツールの多くは伝票/帳票による業務連携を電子化し、ドキュメントフローを合理化すると同時にペーパーレス化を進めることに貢献してきた。
 特に総務部門の管理下で日常的に大量に行われている申請(例えば交通費精算や物品の購入申請など)の承認/決裁のプロセスはツール導入によって大きく効率化することができる。そのプロセスはワークフローツールの仕組みを理解するのに好適なので、まずはこの例でツールの基本的な働きを確認してみよう(図1)。

図1 シンプルなドキュメントワークフローの例
図1 シンプルなドキュメントワークフローの例
資料提供:キヤノンソフトウェア
■紙の伝票によるワークフローのデメリット

 図1は非常にシンプルなワークフローの例だ。一般の社員(起票者)が例えば高価な物品購入などを行う場合に、直属の上長、課長、部長、経理課の役職者などといった順番で承認作業が必要になる。もしもこのワークフローを紙の伝票で行っていれば、そもそも起票者や承認者間で紙を移動させるための労力が必要だ。また承認作業は何らかの理由で滞ることが起こり得る。どの段階までプロセスが進み、どの段階で滞っているのかが知りたいと思っても、すぐにそれを明らかにすることは難しい。最終的に決裁されたかどうかの情報も起票者や中間の承認者には伝わらないこともある。こういった状況は意思決定を遅くし、生産性を低下させる要因となりかねず、また業務の遂行過程のトレーサビリティを曖昧にしてしまうリスクも含んでいる。さらに承認の段階で伝票の内容の転記が行われたり、決裁後の情報を会計システムに登録したりする際には入力ミスが生じる可能性があり、会計情報の正確性に問題を残す場合もある。

■ワークフローツールを使うとどう変わるのか?

 ワークフローツールを使うと、起票者はあらかじめ用意された伝票フォーマットをPC上のリストなどから選び、必要事項を入力するだけでワークフローを開始することができる。場合によっては添付ファイルを付けることも可能だ。

図2 ワークフローツールで作成した電子帳票の例
図2 ワークフローツールで作成した電子帳票の例
資料提供:キヤノンソフトウェア

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 承認者にはメールやツール自身の通知機能で注意喚起が行われ、自分が判断する必要がある未承認の申請はポータル画面上にリストアップされる。それを見た承認者は申請伝票を表示してチェックし、良ければ決裁ボタンをクリックするなどの簡単操作で次の段階の承認者に仕事をリレーすることができる。
 その過程はポータル画面や検索機能などから常に監視でき、今何がどの段階まで進んでいるのかがいつでも把握可能だ。またその記録も保存されるため、後日必要があれば簡単に参照できる。内部統制に関連して証跡として管理することもできる。

図3 進行中ワークフローの検索画面の例
図3 進行中ワークフローの検索画面の例
資料提供:Knowlbo

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 承認/決裁を行うときも、簡単な操作で行える。判断が必要な情報は承認/決裁者が入手できるようにしておく必要があるため、ファイル添付の機能をもつツールが多い。伝票や関連ドキュメントを活用し、保存・保管することができるという面では、ワークフローツールは文書管理ツールとしての側面も持っていることになる。
 承認/決裁のときには日本では伝統的にハンコが用いられてきたが、これについても多くのツールが対応している。単に印影画像を配置するだけでなく、印影とともに承認者の情報や時刻情報などを埋め込む仕組みが利用されており、PKIに基づく電子印鑑を施せるものもある。

図4 承認書類には電子印鑑も利用可能
図4 承認書類には電子印鑑も利用可能
承認書類には印影とともに承認の事実を証明可能な電子印鑑も利用可能
資料提供:オープンキューブデータ

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■ワークフローそのものはどのように作るのか?

 承認/決裁の階層は、あらかじめフロー設計機能(パス設計機能ともいう)で帳票ごとに作成しておく。

図5 ワークフローの設計画面の例
図5 ワークフローの設計画面の例
資料提供:キヤノンソフトウェア

 図5では、図1よりは少し複雑な流れが、アイコンと矢印などで表現されている。これはあるツールでフロー設計機能を使って承認/決裁のルートを設計した例だ。このツールの場合には、ツール自身のフロー設計画面でアイコンを配置し、それぞれのアイコンに分岐や分岐のための条件、承認者などの情報を付与していく。この図を描くのはワークフローシステムの管理者の仕事だ。管理者はIT部門のスタッフである場合もあれば、業務部門の管理者である場合もあるだろう。業務分析をしっかり行って、あるべき業務の流れをIT部門と業務部門が協議して作成するのが望ましい。こうして描かれたフロー図に従って、ワークフローシステムは実行されていく。なお、承認/決裁のルートにはさまざまなパターンがあり、それに沿った機能をもっているかどうかがツール選びの1つのポイントになる。これについては「IT製品選び方ガイド」で詳しく触れているのでご参照いただきたい。

■自動実行用のプログラムを用意すれば他システムとの連携も簡単

 ここまではドキュメントフローと人間の判断を行う部分についてのワークフローについて紹介したが、他のシステムとの連携による処理をこの中に含めることもできる。例にあげたワークフロー図の中に「自動処理」用のアイコンを組み込んで設計すると、用意された実行プログラムをワークフローツール側から実行することが可能になる。それは例えば人事システムのDBから承認を行える役職の人物を抽出したり、販売システムのDBから商品名や価格を取り出すことに利用できる。もちろん、決裁の結果を会計システムなどに書き込むなどの仕事も自動化できることになる。これについても「IT製品選び方ガイド」で触れている。

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