ソフトの不正コピー利用で和解金額1億円!

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ソフトの不正コピー利用で和解金額1億円!

2010/04/06


 正規にライセンスを購入していないソフトウェアはセキュリティを脅かす時限爆弾になりうる。会社として導入したことがないソフトウェアが会社のPC等にインストールされてしまうことは実はよくある。それらのソフトウェアは適正にセキュリティパッチやバージョンアップが行われることがなく、エンドユーザが恣意的に利用することによって会社のシステムにリスクを負わせる。しかも、不正利用が発覚すれば、個人、会社、取締役のすべてが責任を問われ、民事訴訟による損害賠償のみならず刑事罰も科せられることが起こりうる。今回は、ソフトウェアの不正コピーによってどんなリスクが生じるのか、ケースファイルに沿って考えてみよう。

ソフトの不正コピー

#015

あと始末に1億円! 隠しとおせないソフトウェア不正コピー

 「あなたの会社で利用されているソフトウェアには違法コピーされたものが含まれています。○月○日までに調査してください」……ある日、A社にこんな連絡が入った。連絡をしてきたのはソフトウェアベンダの弁護士だ。ソフトウェアベンダが所属している組織にA社が不正コピーを使用している旨の情報提供があったというのだ。驚いたA社は、早速内部調査を始めた。 その結果、社内で複数種類の違法コピーソフトウェアが大量に発見された。正規のライセンスも購入されていたものの、その数をはるかに上回る不正コピーが社内に蔓延していたのだった。経営者が気づかないまま、現場の担当者の判断で不正コピーと使用が行われていた。
 そこでA社は複数のソフトウェアベンダとの間で問題解決に向けた協議を行うことにした。著作権侵害という刑事事件に発展した場合、社員個人に対する責任とともに法人としての責任が問われる。また取締役がソフトウェアの管理を漫然と放置していた場合には、会社法により取締役自身が損害賠償責任を負う可能性もある。しかしこのケースでは双方が歩み寄り、やがて和解するに至った。和解により支払われる損害賠償の金額は、正規品小売価格に基づき算定され、弁護士費用、遅延損害金等を含めたものになった。不正コピーしたソフトウェアに高額なものが多かったこともあり、総額は1億円を超えた。さらに違法コピーは全て削除する必要があるので、必要なライセンスは、別途購入する必要がある。社員数100人未満の中小企業であるA社には大きな痛手となったが、社員による違法コピーや利用防止に向け、教育、指導等の徹底を行うよい機会にもなった。現在はソフトウェアの利用と管理体制を改善するための努力を怠りなく進めている。
(ケースファイル事例は実際の事例を参考にキーマンズネット編集部が作成)



 「脅威」から身を守ることと、「脆弱性」をなくすこと……この2つはセキュリティを考えるときの代表的な視点だ。しかしもう1つの視点を忘れてはいけない。それは「コンプライアンス」を確保するという視点である。法令違反や企業倫理にもとる行動は、やがては企業活動にマイナスの影響を及ぼす。もちろん遵法は企業経営の前提であり、当然のことだ。しかし、末端にまで遵法意識が浸透していると胸を張って言い切れる会社は少ないかもしれない。だからこそ、コンプライアンスに抵触する行為は積極的に発見し、指導・改善していく必要がある。
 特にここではソフトウェアの違法コピーを企業で行うことのリスクについて考えてみよう。


1

ソフトウェアの不正コピーが招く訴訟リスク

■民事訴訟が招く金銭的損失

 ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA:コラム参照)には、違法コピーに関する情報提供窓口がある。BSAのウエブサイトのプレスリリースには、個人からの通報によって違法状態が発覚し、ソフトウェアベンダと通報された企業との間での協議を通して解決・和解した事例が多数掲載されている。昨年7月23日にリリースされている事例は、中小企業なのに1億円にのぼる和解金額に驚くが、これは実際の金額だ。大企業ではさらに高額な和解金額となることがあり、これまでのところ和解金額の最高額は、約2億5000万円である。数千万円〜1億円を超えるケースは珍しくない。特に高額なケースでは、Adobe社の製品やオートデスク社製品、マイクロソフト社製品などのソフトウェアが不正利用されていたケースが多いようだ。

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